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第三章 魔王編
37
「よし。イザベル、我の自室へ来い。それと坊主。お前も一緒に来るんだ」
その子は一瞬ビクッとしたが、もう叱られないと判断したようで、ベッドからピョンッと降りるとラウルの側まで駆け寄った。
あちゃー、余計なことに首を突っ込んでしまった様ね……。
ため息を吐きながらベッドから立ち上がり、ラウルの後に続いた。
歩きながらラウルはこの子の事について教えてくれた。
「此奴は我が保護した魔獣だ。通常なら保護などしないがまだ幼獣だったこともあり、城に連れて帰り怪我の治療をしたのだ」
この子はやっぱり魔獣なのね。
「魔獣の子ども、ですか。初めて見ました」
「ああ。通常人里に現れるのは成獣だからな」
「どうして幼獣は人里には現れないのですか?」
「そうか、イザベルはその事を知らぬのか。ま、立ち話も何だ。一先ず我の部屋へ入れ」
ラウルはそう言うと立派な扉を開け、私と幼獣を中に招き入れた。
通された部屋には大きなデスクと豪華な絨毯、そして大きなソファがある。
全体的にシックな色合いだが、城の雰囲気と相まってどしっとした落ち着きのある雰囲気だ。
「とりあえず、そこのソファに座れ」
ラウルの言葉に甘えてソファに腰を下ろすと、自重でゆっくりと沈み込む。
まるで包み込まれるような感覚に、前世の時に家具屋で冷やかしで座った高級ソファを連想させた。
わぁ、フカフカで気持ち良い!
試しに隣にあったクッションをそっと触ってみると、もっちりしていてとても手触りが良い。
ああ、これ人をダメにするクッションとソファだわ。
気持ち良い感覚にふっと気が緩み、顔が綻んでいた様だ。
「イザベルは何をそんなにニヤけているのだ。そんなにこのソファが気に入ったか」
「え、ええ。手触りが良いな、と思って」
「我は殆ど使わんから、そんなに気に入っているならやるぞ。イザベルの部屋に運んでおく」
「え!? で、でも」
「これから坊主の面倒を見てもらうんだ。駄賃だと思って受け取れ」
「はぁ」
ラウルは反対側のソファに座ると、ラウルの膝の上に幼獣がちょこんと座って来た。
なんだかんだ言っても、あの子はしっかりラウルに懐いているのね。ちょっと安心したわ。
「さて、幼獣が人里には現れぬ理由だったな。魔の森から産まれたばかりの幼獣は、身体が小さい分体内の魔素も成獣より少なく、中毒症状も成獣より軽い。しかし、魔素は身体が成長するにつれ、体内でも増殖する。そして、中毒症状に耐えきれなくなった成獣は、増殖した魔素を薄めるために、人里に現れ、人間や動物を襲うようになる」
「なるほど、そう言った理由があったのですね」
「坊主の苦しみを考えると、あのまま助けぬ方が良かったのだろう。しかし、我は坊主の縋るような瞳を見た時、どうしても見捨てる事が出来なかった」
「ラウル……」
ラウルは目を伏せ、幼獣をそっと撫でた。
幼獣はクゥンと喉を鳴らし、ラウルの手に擦り寄った。
「我が出来ることは坊主の傷の手当をする事くらいだ。傷が癒えたらそのまま森に返すつもりだったのだが、なぜかそのまま懐かれてしまってな。一旦引き取った以上は無碍にも出来ず、そのまま城に住み着いてしまったのだ」
ラウルって俺様キャラなのに、お人好しなところがあるのね。
あ、これが巷で言う、ギャップ萌えというやつなのかしら。
「しかし、我は幼獣など育てた事がない。坊主も最初は大人しかったのだが、最近イタズラを繰り返すようになり、ほとほと困り果てていてな」
「そうだったのですね」
私も魔獣に関する知識なんて全くないけど、この子の様子を見る限り、言葉は通じるし、人間の子ども程手のかかる感じでもなさそう。犬猫とはまた違うけど、なんとかなりそうな気がするわ。
「ラウル、私が知る育児の知識で宜しければ、この子に試してみても構いませんか?」
「あ? ああ、それは構わんぞ」
ラウルのお許しも出た事だし、ここはラウルにも頑張って貰いましょうか。
私は前世の育児知識を思い出しながら、話を続けた。
「ラウル、この子がいたずらを繰り返す理由なんですが、恐らく試し行動の一種だと思うのです」
「ためしこうどう? それは何だ」
「人間の子どもが主に親や養育者に対して行う行為なんですが、自分をどの程度まで受け止めてくれるか探るためわざと相手を困らせる行動を取ることがあるのです」
「ほう」
「説は様々ですが、自分のことを受け止めてくれるのか、自分にどれくらい愛情があるのを試すために、悪いこととわかっていながらネガティブな行動を取って大人の様子を見る、子どもの愛情確認行動と言われています」
ラウルは私の話に興味があるようで、前のめりになり真剣に話を聞いている。
「ラウルの話を聞く限り、この子はラウルの事を親代わりとして認識し始めていると思われます。つまり、いたずらは心を開いてきているサインということです」
「なるほど。しかし、我は坊主のいたずらを止めさせたいのだが」
「それは分かります。しかし、今この子は愛情確認を行っている最中ですので、あまり強い力で止めさせるのは得策とは言えません。もちろん、いけない事はきちんと叱る必要はありますが、感情的に怒るのと叱るのは違います」
「う、うむ」
「それと、ラウルは叱った後、愛情表現をしていますか?」
「愛情表現? それが何か関係するのか?」
「ええ。先程、試し行動は愛情確認行動とお伝えいたしましたが、基本的に子どもは親や養育者から愛情をたくさん受けたいと思うものです。愛情とは、お世話の度合い、とも言い換えられます。大人にお世話をして貰えなければ死に直結する問題ですから、より多くの愛情を欲するのは子どもの生存本能と言えます。ですから、叱られ不安定になった子どもに対して『いけない事は叱るけど、どんな行動をとろうと、私はあなたのことを愛しているよ』と根気強く愛情を伝えてあげる必要があるのです。そして、子どもが『もう大丈夫だ』と納得すれば、自然と試し行動もなくなっていきます」
「なるほどな」
「試し行動をすぐに止めさせる劇的方法は私の知識にもありませんが、基本的には、冷静に叱り、その後愛情をしっかり伝える。この二点と、普段からたくさん愛情を注いであげることがいたずらを止めさせる事に繋がると思います」
ラウルは腕を組むと、ふむと考え込み、しばらくすると口を開いた。
「分かった。まずはお前の言うことを試してみよう」
良かった。聞き入れてくれたみたい。
「ありがとうございます。この子のお世話や叱り方のフォローなどは私も担当いたしますので、まずは積極的に愛情を注いで様子を見るのがいいと思います」
「うむ、そうだな。……それにしても、イザベルは随分と育児に関する知識があるのだな。我が人間界にいた時にはそのような知識など聞いたことがなかったぞ」
それは、前世の育児本と二児の子育て中に得たものだから、この世界にはない知識です……とは絶対に言えない。
「ど、どこかの書物で見かけたものですから。おほほほ」
この世界に来てから何度も使った言い訳を、苦し紛れにラウルに向かって伝えると、ラウルは「ふぅん」と興味なさげに答えた。
ほっ、深く突っ込まれなくて良かった。
あ、そういえば、この子の名前をまだ聞いていなかったわね。
「あの、ラウル。まだこの子の名前を聞いていなかったので教えて貰えますか?」
「ん? 坊主には名前など付けておらんぞ」
「ええ!? 育てるなら、せめて名前くらい付けてあげましょうよ」
「んん、そうだな……」
ラウルはしばらく考え込むと、ポンと手を叩いた。
「坊主はポチッとした丸みたいに小さいからな。よし、『ポチ』にするか!」
それ、思いっきり犬の名前……。
「何だ? 何か文句でもあるのか」
「……いえ。何でもありませんわ」
こうして、この幼獣の名前は『ポチ』に決まった。
その子は一瞬ビクッとしたが、もう叱られないと判断したようで、ベッドからピョンッと降りるとラウルの側まで駆け寄った。
あちゃー、余計なことに首を突っ込んでしまった様ね……。
ため息を吐きながらベッドから立ち上がり、ラウルの後に続いた。
歩きながらラウルはこの子の事について教えてくれた。
「此奴は我が保護した魔獣だ。通常なら保護などしないがまだ幼獣だったこともあり、城に連れて帰り怪我の治療をしたのだ」
この子はやっぱり魔獣なのね。
「魔獣の子ども、ですか。初めて見ました」
「ああ。通常人里に現れるのは成獣だからな」
「どうして幼獣は人里には現れないのですか?」
「そうか、イザベルはその事を知らぬのか。ま、立ち話も何だ。一先ず我の部屋へ入れ」
ラウルはそう言うと立派な扉を開け、私と幼獣を中に招き入れた。
通された部屋には大きなデスクと豪華な絨毯、そして大きなソファがある。
全体的にシックな色合いだが、城の雰囲気と相まってどしっとした落ち着きのある雰囲気だ。
「とりあえず、そこのソファに座れ」
ラウルの言葉に甘えてソファに腰を下ろすと、自重でゆっくりと沈み込む。
まるで包み込まれるような感覚に、前世の時に家具屋で冷やかしで座った高級ソファを連想させた。
わぁ、フカフカで気持ち良い!
試しに隣にあったクッションをそっと触ってみると、もっちりしていてとても手触りが良い。
ああ、これ人をダメにするクッションとソファだわ。
気持ち良い感覚にふっと気が緩み、顔が綻んでいた様だ。
「イザベルは何をそんなにニヤけているのだ。そんなにこのソファが気に入ったか」
「え、ええ。手触りが良いな、と思って」
「我は殆ど使わんから、そんなに気に入っているならやるぞ。イザベルの部屋に運んでおく」
「え!? で、でも」
「これから坊主の面倒を見てもらうんだ。駄賃だと思って受け取れ」
「はぁ」
ラウルは反対側のソファに座ると、ラウルの膝の上に幼獣がちょこんと座って来た。
なんだかんだ言っても、あの子はしっかりラウルに懐いているのね。ちょっと安心したわ。
「さて、幼獣が人里には現れぬ理由だったな。魔の森から産まれたばかりの幼獣は、身体が小さい分体内の魔素も成獣より少なく、中毒症状も成獣より軽い。しかし、魔素は身体が成長するにつれ、体内でも増殖する。そして、中毒症状に耐えきれなくなった成獣は、増殖した魔素を薄めるために、人里に現れ、人間や動物を襲うようになる」
「なるほど、そう言った理由があったのですね」
「坊主の苦しみを考えると、あのまま助けぬ方が良かったのだろう。しかし、我は坊主の縋るような瞳を見た時、どうしても見捨てる事が出来なかった」
「ラウル……」
ラウルは目を伏せ、幼獣をそっと撫でた。
幼獣はクゥンと喉を鳴らし、ラウルの手に擦り寄った。
「我が出来ることは坊主の傷の手当をする事くらいだ。傷が癒えたらそのまま森に返すつもりだったのだが、なぜかそのまま懐かれてしまってな。一旦引き取った以上は無碍にも出来ず、そのまま城に住み着いてしまったのだ」
ラウルって俺様キャラなのに、お人好しなところがあるのね。
あ、これが巷で言う、ギャップ萌えというやつなのかしら。
「しかし、我は幼獣など育てた事がない。坊主も最初は大人しかったのだが、最近イタズラを繰り返すようになり、ほとほと困り果てていてな」
「そうだったのですね」
私も魔獣に関する知識なんて全くないけど、この子の様子を見る限り、言葉は通じるし、人間の子ども程手のかかる感じでもなさそう。犬猫とはまた違うけど、なんとかなりそうな気がするわ。
「ラウル、私が知る育児の知識で宜しければ、この子に試してみても構いませんか?」
「あ? ああ、それは構わんぞ」
ラウルのお許しも出た事だし、ここはラウルにも頑張って貰いましょうか。
私は前世の育児知識を思い出しながら、話を続けた。
「ラウル、この子がいたずらを繰り返す理由なんですが、恐らく試し行動の一種だと思うのです」
「ためしこうどう? それは何だ」
「人間の子どもが主に親や養育者に対して行う行為なんですが、自分をどの程度まで受け止めてくれるか探るためわざと相手を困らせる行動を取ることがあるのです」
「ほう」
「説は様々ですが、自分のことを受け止めてくれるのか、自分にどれくらい愛情があるのを試すために、悪いこととわかっていながらネガティブな行動を取って大人の様子を見る、子どもの愛情確認行動と言われています」
ラウルは私の話に興味があるようで、前のめりになり真剣に話を聞いている。
「ラウルの話を聞く限り、この子はラウルの事を親代わりとして認識し始めていると思われます。つまり、いたずらは心を開いてきているサインということです」
「なるほど。しかし、我は坊主のいたずらを止めさせたいのだが」
「それは分かります。しかし、今この子は愛情確認を行っている最中ですので、あまり強い力で止めさせるのは得策とは言えません。もちろん、いけない事はきちんと叱る必要はありますが、感情的に怒るのと叱るのは違います」
「う、うむ」
「それと、ラウルは叱った後、愛情表現をしていますか?」
「愛情表現? それが何か関係するのか?」
「ええ。先程、試し行動は愛情確認行動とお伝えいたしましたが、基本的に子どもは親や養育者から愛情をたくさん受けたいと思うものです。愛情とは、お世話の度合い、とも言い換えられます。大人にお世話をして貰えなければ死に直結する問題ですから、より多くの愛情を欲するのは子どもの生存本能と言えます。ですから、叱られ不安定になった子どもに対して『いけない事は叱るけど、どんな行動をとろうと、私はあなたのことを愛しているよ』と根気強く愛情を伝えてあげる必要があるのです。そして、子どもが『もう大丈夫だ』と納得すれば、自然と試し行動もなくなっていきます」
「なるほどな」
「試し行動をすぐに止めさせる劇的方法は私の知識にもありませんが、基本的には、冷静に叱り、その後愛情をしっかり伝える。この二点と、普段からたくさん愛情を注いであげることがいたずらを止めさせる事に繋がると思います」
ラウルは腕を組むと、ふむと考え込み、しばらくすると口を開いた。
「分かった。まずはお前の言うことを試してみよう」
良かった。聞き入れてくれたみたい。
「ありがとうございます。この子のお世話や叱り方のフォローなどは私も担当いたしますので、まずは積極的に愛情を注いで様子を見るのがいいと思います」
「うむ、そうだな。……それにしても、イザベルは随分と育児に関する知識があるのだな。我が人間界にいた時にはそのような知識など聞いたことがなかったぞ」
それは、前世の育児本と二児の子育て中に得たものだから、この世界にはない知識です……とは絶対に言えない。
「ど、どこかの書物で見かけたものですから。おほほほ」
この世界に来てから何度も使った言い訳を、苦し紛れにラウルに向かって伝えると、ラウルは「ふぅん」と興味なさげに答えた。
ほっ、深く突っ込まれなくて良かった。
あ、そういえば、この子の名前をまだ聞いていなかったわね。
「あの、ラウル。まだこの子の名前を聞いていなかったので教えて貰えますか?」
「ん? 坊主には名前など付けておらんぞ」
「ええ!? 育てるなら、せめて名前くらい付けてあげましょうよ」
「んん、そうだな……」
ラウルはしばらく考え込むと、ポンと手を叩いた。
「坊主はポチッとした丸みたいに小さいからな。よし、『ポチ』にするか!」
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