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第四章 新世界編
転入生3
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「ええ、そうですね。私も甘い物が好きなので、ヘンリー殿下と外出する時はスイーツのあるお店に行くこともありますわ」
「えーー、いいなぁ。私も甘い物が好きなので今後は仲間に入れてください!」
「お茶は談笑しながら嗜むものですし、人数も多い方が会話も弾みますわよ」
ヘンリー殿下と二人の時間も好きだけど、皆と一緒に過ごす時間も好きなのよね。
それに、卒業すると皆で集まる機会も減るかもしれないと考えると、皆との時間も大切にしたい。
でも、ヘンリー殿下はどう思っているのかしら。
ちらりと様子を見ると、複雑な表情のヘンリー殿下と目が合う。
「やれやれ、イザベル嬢は人から好かれる才能でもあるのだろうか」
「もう、ヘンリー殿下ったら」
「ははは、そんな顔をしないで。まぁ、私はイザベル嬢の意見を優先するよ」
ヘンリー殿下って良く私の意見を聞いてくれる。
その配慮と優しさが嬉しい。
ここは、私の意見を言っちゃっていいかな。
「ではお言葉に甘えて。予定が合えば皆さんと一緒の時間も大切にしたいですわ」
「わぁい! やったぁ」
「マリア様、はしゃぎすぎですわよ。でも、ご一緒できるのはとても嬉しいですわ。……ふふふ、これでもっとお姉様との接点がふえるわね」
二人とも嬉しそうだし、ヘンリー殿下もやれやれといった様子だけど私の意見を肯定してくれるみたい。
ふふ、これから卒業までの時間も大切にしていきたいな。
そんな事を思っていると、馬車の速度が落ち始めていることに気付く。
ああ、もうすぐ着くのかしら。
「さて、もうすぐ到着するようだ。ここからは私が先に降りて案内しよう」
馬車が止まるとヘンリー殿下は先に降りて、女性陣をサポートする。
今日はドレスじゃないから簡単に乗り降りできるんだけど、エスコートに慣れているヘンリー殿下は自然と身体が動いてしまうのかしら。
ヘンリー殿下の手を取り馬車から降りると、目の前にはカントリー風の外観のカフェがある。
「さ、中に入ろうか」
ヘンリー殿下の誘導でカフェに入りると、メニュー表を持った店員の女性が席まで案内する。
店側の配慮なのか窓際の眺めのいい席に通される。
「オススメはこちらのケーキになります」
「あ、これ美味しそうですわ」
「色んな種類があるんですね! どれも素敵♡」
思っていたより品揃えが豊富なようで迷うなぁ。
マリア様もクロエ様もメニュー表を見ながら楽しそうにスイーツを選んでいる。
「ちなみにここのカフェでは芋を使ったケーキが最近出て、甘さも丁度良くてオススメだ。あとはフルーツがたくさん乗ったこれとか見た目も良かったし味も良かった。これは中にチーズが入った変わり種だが紅茶と合わせると美味しかったぞ」
「ヘンリー殿下、凄い詳しいですね」
マリア様が不思議そうな様子でヘンリー殿下に尋ねる。
ヘンリー殿下はスイーツ好きだから、きっとこのカフェも何度か来た事があるんだろうな。
「ここは王宮までの道中にあるしメニューも豊富だから立ち寄ることが多くてな。大体のメニューは食べたかもな」
「えーー凄い! それならヘンリー殿下のオススメしたこちらします」
思ったより頻繁に来ていたのね、それなら詳しいはずだわ。
「じゃあ、私はこちらにします。お芋のスイーツ気になっていたので」
「私はチーズ入りのにしますわ」
皆がメニューを選び終えると、店員は足早にカウンターに戻る。
そのまま皆で談笑をしているとスイーツ達が運ばれてきた。
「まぁ、かわいい」
「美味しそうです~!」
テーブルに並ぶ色とりどりのスイーツ達。
ああ、見ているだけで心ときめくしどれも美味しそう。
「ではいただくとしよう」
私が選んだスイーツは紅イモのような小さくカットされたお芋が乗っており、上にざく切りした木の実が散らされている。その下には芋を混ぜたのか、やや黄みがかったクリームが塗られている。断面にも木の実のようなものが見えるので、クリームと木の実がサンドされているのだと思う。
一口分をフォークですくって食べてみると、ザクザクした食感とお芋の優しい甘みが口いっぱいに広がる。
ああ、美味しい……!
「これ、とても美味しいですわ」
「だろう? 一見シンプルだが食感に変化を付けていて飽きないし、芋の素朴な甘みが紅茶とも良く合うんだ」
ヘンリー殿下はそう言うと、どこか嬉しそうな様子で私に微笑む。
「フルーツが瑞々しいし、下のタルトもサクサクしていておいひいですぅ♡」
「私のはチーズが入っているからさっぱりしていて食べやすいですわ。でも、コクがあるから紅茶と合わせても美味しいし、どんどん食べられそうですわ」
二人とも美味しいスイーツに思わず笑みがこぼれるようだ。
うんうん、甘い物食べている時って幸せだよねぇ。
至福の時間を噛み締めつつ、マリア様やクロエ様の近況を聞いたりして談笑する。
女三人寄ればかしましいとはよく言ったもので、私達も漏れなくおしゃべりに花が咲く。
ヘンリー殿下はドレス好きなお母様で慣れているのか、女性達の会話にも積極的に参加してくれたお陰で楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
「さて、そろそろ場所を移動しようか? あまり暗くならないうちに建設中の保育園も見学しに行こう」
ちらりと店内の時計を見ると、既に二時間も経っていた。
あら、本当だわ。もうこんな時間!
「まぁ、本当ですわ」
いつの間にかお会計が済んでいたようで、私達は席を立ち再び馬車に乗り込む。
イザベルは令嬢だから財布は持たないしそのあたりは大体侍女達が済ませてくれているのだけど、当たり前のように何から何までしてもらって何だか申し訳ない。
前世の癖というのは中々抜けないものね。
そうこうしているうちに馬車は建設中の建物の前で止まる。
「ここが建設予定の保育園だよ」
「まぁ、凄い立派な建物ですね!」
「ここら辺は住民も多いから、それに合わせて建物も広めのものにしたんだ」
「もしかして、ヘンリー殿下もこの計画に関与されていらっしゃるのでしょうか」
「ああ、実務については家臣に任せているが建設予定地含めた指揮は私が行っているんだ」
「そうだったのですね!」
そうか、だからヘンリー殿下は建設予定地や進行状況とかの詳細情報を知っていたのか。
「まだ中に入れないのだが、完成したらイザベル嬢にも見てもらう予定だよ」
「それは楽しみですわ」
クロエ様もマリア様も建設中の建物に興味があるようで、二人で周囲を見学しているようだ。
「少しだけ耳を貸してもらえないか」
ヘンリー殿下が小さい声で耳打ちする。
「ここに来る前、教室で転校生に見られていただろう。私もちらりと確認したが、彼女は何かを知っているような気がする。メルロー家という貴族に聞き覚えもないが、イザベル嬢は顔見知りか」
ヘンリー殿下は私の違和感に気付いていたんだ。
「いいえ、顔見知りではないですし、メルロー家のことも存じ上げませんわ」
「そうか……。話してくれてありがとう」
ヘンリー殿下はマリア様とクロエ様が戻って来る様子をちらりと確認すると不自然にならないように私の耳元から顔を離す。
「さて、視察はこのくらいでいいだろうか。あとは帰って明日に備えよう」
「ええ、そうですわね」
「楽しかったです~!」
私達は馬車に乗り込み寮まで戻ることにした。
「えーー、いいなぁ。私も甘い物が好きなので今後は仲間に入れてください!」
「お茶は談笑しながら嗜むものですし、人数も多い方が会話も弾みますわよ」
ヘンリー殿下と二人の時間も好きだけど、皆と一緒に過ごす時間も好きなのよね。
それに、卒業すると皆で集まる機会も減るかもしれないと考えると、皆との時間も大切にしたい。
でも、ヘンリー殿下はどう思っているのかしら。
ちらりと様子を見ると、複雑な表情のヘンリー殿下と目が合う。
「やれやれ、イザベル嬢は人から好かれる才能でもあるのだろうか」
「もう、ヘンリー殿下ったら」
「ははは、そんな顔をしないで。まぁ、私はイザベル嬢の意見を優先するよ」
ヘンリー殿下って良く私の意見を聞いてくれる。
その配慮と優しさが嬉しい。
ここは、私の意見を言っちゃっていいかな。
「ではお言葉に甘えて。予定が合えば皆さんと一緒の時間も大切にしたいですわ」
「わぁい! やったぁ」
「マリア様、はしゃぎすぎですわよ。でも、ご一緒できるのはとても嬉しいですわ。……ふふふ、これでもっとお姉様との接点がふえるわね」
二人とも嬉しそうだし、ヘンリー殿下もやれやれといった様子だけど私の意見を肯定してくれるみたい。
ふふ、これから卒業までの時間も大切にしていきたいな。
そんな事を思っていると、馬車の速度が落ち始めていることに気付く。
ああ、もうすぐ着くのかしら。
「さて、もうすぐ到着するようだ。ここからは私が先に降りて案内しよう」
馬車が止まるとヘンリー殿下は先に降りて、女性陣をサポートする。
今日はドレスじゃないから簡単に乗り降りできるんだけど、エスコートに慣れているヘンリー殿下は自然と身体が動いてしまうのかしら。
ヘンリー殿下の手を取り馬車から降りると、目の前にはカントリー風の外観のカフェがある。
「さ、中に入ろうか」
ヘンリー殿下の誘導でカフェに入りると、メニュー表を持った店員の女性が席まで案内する。
店側の配慮なのか窓際の眺めのいい席に通される。
「オススメはこちらのケーキになります」
「あ、これ美味しそうですわ」
「色んな種類があるんですね! どれも素敵♡」
思っていたより品揃えが豊富なようで迷うなぁ。
マリア様もクロエ様もメニュー表を見ながら楽しそうにスイーツを選んでいる。
「ちなみにここのカフェでは芋を使ったケーキが最近出て、甘さも丁度良くてオススメだ。あとはフルーツがたくさん乗ったこれとか見た目も良かったし味も良かった。これは中にチーズが入った変わり種だが紅茶と合わせると美味しかったぞ」
「ヘンリー殿下、凄い詳しいですね」
マリア様が不思議そうな様子でヘンリー殿下に尋ねる。
ヘンリー殿下はスイーツ好きだから、きっとこのカフェも何度か来た事があるんだろうな。
「ここは王宮までの道中にあるしメニューも豊富だから立ち寄ることが多くてな。大体のメニューは食べたかもな」
「えーー凄い! それならヘンリー殿下のオススメしたこちらします」
思ったより頻繁に来ていたのね、それなら詳しいはずだわ。
「じゃあ、私はこちらにします。お芋のスイーツ気になっていたので」
「私はチーズ入りのにしますわ」
皆がメニューを選び終えると、店員は足早にカウンターに戻る。
そのまま皆で談笑をしているとスイーツ達が運ばれてきた。
「まぁ、かわいい」
「美味しそうです~!」
テーブルに並ぶ色とりどりのスイーツ達。
ああ、見ているだけで心ときめくしどれも美味しそう。
「ではいただくとしよう」
私が選んだスイーツは紅イモのような小さくカットされたお芋が乗っており、上にざく切りした木の実が散らされている。その下には芋を混ぜたのか、やや黄みがかったクリームが塗られている。断面にも木の実のようなものが見えるので、クリームと木の実がサンドされているのだと思う。
一口分をフォークですくって食べてみると、ザクザクした食感とお芋の優しい甘みが口いっぱいに広がる。
ああ、美味しい……!
「これ、とても美味しいですわ」
「だろう? 一見シンプルだが食感に変化を付けていて飽きないし、芋の素朴な甘みが紅茶とも良く合うんだ」
ヘンリー殿下はそう言うと、どこか嬉しそうな様子で私に微笑む。
「フルーツが瑞々しいし、下のタルトもサクサクしていておいひいですぅ♡」
「私のはチーズが入っているからさっぱりしていて食べやすいですわ。でも、コクがあるから紅茶と合わせても美味しいし、どんどん食べられそうですわ」
二人とも美味しいスイーツに思わず笑みがこぼれるようだ。
うんうん、甘い物食べている時って幸せだよねぇ。
至福の時間を噛み締めつつ、マリア様やクロエ様の近況を聞いたりして談笑する。
女三人寄ればかしましいとはよく言ったもので、私達も漏れなくおしゃべりに花が咲く。
ヘンリー殿下はドレス好きなお母様で慣れているのか、女性達の会話にも積極的に参加してくれたお陰で楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
「さて、そろそろ場所を移動しようか? あまり暗くならないうちに建設中の保育園も見学しに行こう」
ちらりと店内の時計を見ると、既に二時間も経っていた。
あら、本当だわ。もうこんな時間!
「まぁ、本当ですわ」
いつの間にかお会計が済んでいたようで、私達は席を立ち再び馬車に乗り込む。
イザベルは令嬢だから財布は持たないしそのあたりは大体侍女達が済ませてくれているのだけど、当たり前のように何から何までしてもらって何だか申し訳ない。
前世の癖というのは中々抜けないものね。
そうこうしているうちに馬車は建設中の建物の前で止まる。
「ここが建設予定の保育園だよ」
「まぁ、凄い立派な建物ですね!」
「ここら辺は住民も多いから、それに合わせて建物も広めのものにしたんだ」
「もしかして、ヘンリー殿下もこの計画に関与されていらっしゃるのでしょうか」
「ああ、実務については家臣に任せているが建設予定地含めた指揮は私が行っているんだ」
「そうだったのですね!」
そうか、だからヘンリー殿下は建設予定地や進行状況とかの詳細情報を知っていたのか。
「まだ中に入れないのだが、完成したらイザベル嬢にも見てもらう予定だよ」
「それは楽しみですわ」
クロエ様もマリア様も建設中の建物に興味があるようで、二人で周囲を見学しているようだ。
「少しだけ耳を貸してもらえないか」
ヘンリー殿下が小さい声で耳打ちする。
「ここに来る前、教室で転校生に見られていただろう。私もちらりと確認したが、彼女は何かを知っているような気がする。メルロー家という貴族に聞き覚えもないが、イザベル嬢は顔見知りか」
ヘンリー殿下は私の違和感に気付いていたんだ。
「いいえ、顔見知りではないですし、メルロー家のことも存じ上げませんわ」
「そうか……。話してくれてありがとう」
ヘンリー殿下はマリア様とクロエ様が戻って来る様子をちらりと確認すると不自然にならないように私の耳元から顔を離す。
「さて、視察はこのくらいでいいだろうか。あとは帰って明日に備えよう」
「ええ、そうですわね」
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私達は馬車に乗り込み寮まで戻ることにした。
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