Re:Different

ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

文字の大きさ
2 / 5
第1章  イレギュラー・ワールド

002  イレギュラー・ワールドⅡ

しおりを挟む
「弱すぎるのよ。勝負ごとに関しては九割近い確率で負けてんのよ」

「でも、逆に言えば一割はどこかで勝っているって事なんだよね。全てが弱いわけじゃ……」

「まぁ————、それはそうだけど簡単に言えば宝くじに当たるくらいの確率だから」

「それでも宝くじに当たったら、幸運を持っているって事でしょ?」

「アホ」

 嬉しそうに言う少女に呆れ果てている少女が、口の中に卵焼きを入れながら、

「あいつが今までクジで当たった試しなんてないよ」

 少女は最後の一口を食べ終わると、蓋をして、風呂敷を包むと立ち上がった。

「それよりも今度のマーク式のテスト、海斗とは違う回答すれば、合格できるよ」

「それは確かに……」

 そう言われて納得する。

「おい、そこは納得するな、愛歌‼」

 海斗は振り向いて、おしとやかな少女に文句を言った。

「おーい、俺も食い終わったからさっさと戻るぞ‼」

 イラッ‼

 海斗は、いつの間にかパンを平らげている男にイライラが爆発した。

「海斗、昼休みは後二十分もないからね」

「大門君、先に行ってるね」

 と、次々に屋上から姿を消した。
 運命というものには、あまりいい事は無い。
 誰にでもある事だが、人生、いつどこで、誰が、何をするのか、そんな事は神様でも分からない。
 そう————

「ねぇ、良かったの? 一人にしても……」

「いいんじゃないの? 今日のあいつはおかしかったし」

「いつも通りだ。いつも通り‼」

 心配する愛歌に二人は能天気な回答をする。

「だとしても少し酷いよ! なんだか、後味が悪いというか……」

「あんたは優しすぎんのよ。あの男のどこがいいんだか……」

「何言ってるの、涼ちゃん‼」

「さぁ、なんて言ったかな?」

「アホ……」

 余計な事を言う少女に愛歌は、頬を膨らませながら怒った。
 それを聞いていた少年は、額に手を当てて言葉を漏らす。

「そもそも学校内で人気のあるあんたが、小学校の頃からあの男の事を思っているっていうのに……あの男は鈍感よね」

「別にいいんじゃないのか? もし、付き合うことになったとしたらいつか殺されてしまうぞ」

「それもそうね。この学校、馬鹿しかいないから……」

 少年少女たちは、自分たちの教室へと戻って行く。

 一方————
 屋上に取り残された海斗は、自分が買ってきたパンを食べながら屋上に設置されてある貯水タンクの上に寝転がっていた。

「————ったく……空はいつも通り青くて太陽サンサンだな……」

 心地よい風が流れ込んでくる。しかし、なんだかおかしい。

「……? 少し寒いな? でも、雨は降ってないし————」

 海斗は、起き上がって周りを見渡すと、

 ————えっ?

 海斗は驚いた。
 そこには大きな鎌を持った少女が宙に浮いていた。

「嘘だろ……」

 目を何回も擦って自分の目が節穴か、何度も見返す。

「見間違いがねぇ……」

 自分でも驚いている。人間が空に浮いているなんてあり得るわけがない。それに大きな鎌。まるで悪魔みたいな少女だ。
 海斗を見もくれず、ただ遠くの空を眺めている。腰まで伸びた黒髪は風によって宙を舞い。一言で言うならば『華麗』だ。
 少女は、ゆっくりと空から落ちてくる。まるで、あの飛行石の映画のようだ。

 トンッ……。

「はぁ……眠い……」

 と、少女は大きな欠伸をする。
 すると、近くにいる海斗に気がつく。

「ん? お前、こんな所で何をしている?」

「それはこっちの台詞だ! お、お前、一体どこから現れた‼」

 海斗は、飛び起きて大声で叫ぶ。

「そもそも人間が宙に浮くわけがないだろ‼ も、もしかして宇宙人なのか? いや、しかし、人間の形をしているが……」

「はぁ?」

 少女は、首を傾げる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依
ファンタジー
 氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。  死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。  大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...