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第1章 イレギュラー・ワールド
004 イレギュラー・ワールドⅣ
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「あれ? でも、血が出てねぇ……。斬られたような感覚がしたんだが……」
「それが一の型『夜桜』の効果よ」
少女は鎌を空間から姿を消し、ベンチの上に立つ。
ふっ、と馬鹿にするような笑みを浮かべながら藤間を見下ろす。
「『夜桜』は、相手に幻覚を見せ、攻撃したことを瞬時には感じさせない事が特徴。お前は、人間だから斬らずに痛みをものすごく加減して斬った」
痛みが引くと、海斗はゆっくりと体を起こし、ブランコに設置されている小さな柵に体を預け、楽な体勢になる。
血などは出ていないが、未だに小さな痛みが皮膚から骨へと走っているのが伝わる。
「そもそもこの三つの世界は昔、平行線状に維持されて、平和だった」
少女が話を始める。
「しかし、その平行線状がここ数年の間で少しずつ壊れていくのが分かったのよ。その為に新悪魔、そう……私達、現悪魔がこの人間界のあらゆるところで調査を行っているのよ」
「それで?」
「この世界で悪さをしている輩を倒すのが私の使命。そして————」
少女は、再び鎌を空間上に召喚させ、海斗の頭と胴体の間にある、首の所に当てる。
「————ちょっ‼」
と、海斗は目を丸くする。
「これからいう事にお前は協力せざるを得ない」
「…………ど……どういうことだ……」
海斗は少女を睨みつける。
今、自分が明らかに不利な状況にあるのは明らかである。
一体、協力というのは何なのだろうか。
何をさせられるのだろうか。
見当がつかない。
「この世で起こる事にお前を巻き込むことよ。つまり、私の手伝いをしろって事ね」
少女は右手の人差し指を立てる。
「そして二つ目、この人間界は後数年後には消滅する」
「何っ⁉」
海斗は驚く。
「それに加えて魔界も神界も消滅する。つまりは、この宇宙から地球そのものが始めから無かったことになるのよ」
「はぁ‼ そんな事、マジで起こんのか⁉ あり得ねぇ‼」
海斗は叫ぶ。
「現時点で私がいるからあり得るって事よ」
「その平行線を壊している奴らって?」
「旧魔族と旧神族よ」
「はい?」
海斗は理解できなかった。
「ちょっと待て! 壊している奴らってお前らと同じ種族じゃないか⁉ なぜそんな奴らが、破壊をしようとしているんだ?」
「それは今、調査中よ。謎は解明されていない」
少女は、きっぱりと答える。
「————⁉」
少女は何かの気配に気づく。
すぐに鎌を構え、戦闘態勢に入る。
「なっ、なんだ⁉」
海斗は、慌てながら立ち上がる。
不穏な風が周囲を囲む。
「来るか……」
一ミリたりとも油断できない。自分と同じ種族の者が近くにいるのだ。
しかし、近くには一般人である海斗もいる。
逃げる手段など考える暇などない。
————どこにいる……。
少女は、目で相手の姿を確認しながら、嗅覚で匂いを辿る。
————不味いわね。さすがに人間を巻き込んで戦うなんて無理がありすぎる……。
————えっ⁉
少女は何かに気づく。
————彼がつけている御守りは何? なんだか、そこから身に覚えのある匂いが……。
「————で? 何が来るんだ?」
———彼は一体何者なの?
「ああ……これは間違いなく巻き込まれたな」
少女が頭の中で考えている中、海斗は小声でブツブツと独り言を言う。
スッ‼
皮膚に何か当たった感触がした。
海斗は、ゆっくりと顔に右手を当てて確認する。
すると、生温かい液体が、手から伝わっているのを感じる。
「え……」
「それが一の型『夜桜』の効果よ」
少女は鎌を空間から姿を消し、ベンチの上に立つ。
ふっ、と馬鹿にするような笑みを浮かべながら藤間を見下ろす。
「『夜桜』は、相手に幻覚を見せ、攻撃したことを瞬時には感じさせない事が特徴。お前は、人間だから斬らずに痛みをものすごく加減して斬った」
痛みが引くと、海斗はゆっくりと体を起こし、ブランコに設置されている小さな柵に体を預け、楽な体勢になる。
血などは出ていないが、未だに小さな痛みが皮膚から骨へと走っているのが伝わる。
「そもそもこの三つの世界は昔、平行線状に維持されて、平和だった」
少女が話を始める。
「しかし、その平行線状がここ数年の間で少しずつ壊れていくのが分かったのよ。その為に新悪魔、そう……私達、現悪魔がこの人間界のあらゆるところで調査を行っているのよ」
「それで?」
「この世界で悪さをしている輩を倒すのが私の使命。そして————」
少女は、再び鎌を空間上に召喚させ、海斗の頭と胴体の間にある、首の所に当てる。
「————ちょっ‼」
と、海斗は目を丸くする。
「これからいう事にお前は協力せざるを得ない」
「…………ど……どういうことだ……」
海斗は少女を睨みつける。
今、自分が明らかに不利な状況にあるのは明らかである。
一体、協力というのは何なのだろうか。
何をさせられるのだろうか。
見当がつかない。
「この世で起こる事にお前を巻き込むことよ。つまり、私の手伝いをしろって事ね」
少女は右手の人差し指を立てる。
「そして二つ目、この人間界は後数年後には消滅する」
「何っ⁉」
海斗は驚く。
「それに加えて魔界も神界も消滅する。つまりは、この宇宙から地球そのものが始めから無かったことになるのよ」
「はぁ‼ そんな事、マジで起こんのか⁉ あり得ねぇ‼」
海斗は叫ぶ。
「現時点で私がいるからあり得るって事よ」
「その平行線を壊している奴らって?」
「旧魔族と旧神族よ」
「はい?」
海斗は理解できなかった。
「ちょっと待て! 壊している奴らってお前らと同じ種族じゃないか⁉ なぜそんな奴らが、破壊をしようとしているんだ?」
「それは今、調査中よ。謎は解明されていない」
少女は、きっぱりと答える。
「————⁉」
少女は何かの気配に気づく。
すぐに鎌を構え、戦闘態勢に入る。
「なっ、なんだ⁉」
海斗は、慌てながら立ち上がる。
不穏な風が周囲を囲む。
「来るか……」
一ミリたりとも油断できない。自分と同じ種族の者が近くにいるのだ。
しかし、近くには一般人である海斗もいる。
逃げる手段など考える暇などない。
————どこにいる……。
少女は、目で相手の姿を確認しながら、嗅覚で匂いを辿る。
————不味いわね。さすがに人間を巻き込んで戦うなんて無理がありすぎる……。
————えっ⁉
少女は何かに気づく。
————彼がつけている御守りは何? なんだか、そこから身に覚えのある匂いが……。
「————で? 何が来るんだ?」
———彼は一体何者なの?
「ああ……これは間違いなく巻き込まれたな」
少女が頭の中で考えている中、海斗は小声でブツブツと独り言を言う。
スッ‼
皮膚に何か当たった感触がした。
海斗は、ゆっくりと顔に右手を当てて確認する。
すると、生温かい液体が、手から伝わっているのを感じる。
「え……」
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