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プロローグ

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 少女は夢を見ていた。

 この深々と落ち入った闇の世界に、少女は身を縮こませている。

 誰もいない闇の中。

 少女の手には決して解く事のできない鉄の鎖が首にも足にも鉄の鎖が永遠と繋がれている。

 少女はこの世に生まれた時から嫌われ、憎まれ、気の遠くなる様な痛みを背負ってきた。

 心臓に刻まれた刻印は一生消える事はない。

 金髪の綺麗な髪は、泥やホコリで光を失ったゴミの様だった。

 二度と見る事のできない外の景色。

 鬼は、暗闇の中でただずっと生き死にた生活をしていかなければならない。

 それが罪の血族の運命なのだから––––



 そして、もう一人は自分の人生を取り戻す為の旅へと出る。

 それは自分の生きた証を知る為に––––
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