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第1章 呪われし末裔
Ⅵ
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だからこそ、この世界で生きていくためには国家魔法師の資格と国際魔法師の資格が必要だったのだ。この二つさえ手に入れば自分の帰る手段が見つかる。そして、偶然に出会った吸血鬼は運が良かったと言ってもいい。
一人で旅を続けるのには限界がある。自分と共に旅をしてくれる相手は、自分と同等、それ以上の相手がいい。それにラミアは吸血鬼だ。人ではあるが人ではない。もしかすると、そっちの方が都合のいい事がある。
「貴方はこの世界に来る前は何処に住んでいたのかしら?」
ラミアは汚れた口元をテーブルに置いてある白い布で拭き取る。話が進んでいるうちにそのほとんどを食べ終えたらしい。
店の中は、二人以外に他の客もいる。そのほとんどが男だ。少女を連れているボーデンは、どう見ても浮いている存在だ。だが、今はそんな事関係ない。
「ドイツだ。ヨーロッパ州に属している一つの国で、豊かな気候でぶどう酒……ワインとウインナーなどが有名だ。そして、隣接国々を自由に行き来出来る」
「それは平和な世界ね。酒が飲み放題、一度は行ってみたいものね」
ラミアは、舌舐めずりする。
「それ程いい国とも言えないけどな」
「どうして?」
「確かにここよりは平和かもしれないが、向こうは向こうで国同士の争いが世界中で起こっている。それは武器を使った戦略的攻撃や政治的攻撃、時には身内でのテロだってある。だが、魔法が無いだけでも救い用がある」
ボーデンが難しい顔でそう言うと、ラミアはお腹を押さえながら笑っていた。
「ハハハ……。なんだ、そういう事なの? そんなの大きな事ではないわよ。そんな事、何処に行ったって同じじゃない。人がいれば争いは生まれる。生き物がいる限り、争いは止まない。この世界にアダムとイブが誕生してからもう始まっている事よ」
ラミアの赤い瞳は輝きを増す。これも吸血鬼の証拠である。
「それで、何で貴方は私をあの檻から出したのか、そろそろ教えて貰えるかしら?」
長い金髪を触る。
「理由ならたった一つだ。俺が帰る手段を手伝って欲しい。それが終われば、お前は自由だ。どうだ? 等価交換に沿っているだろう?」
ボーデンはたった一つの交換条件を交渉のテーブルに乗せる。
この条件に乗るか、乗らないかは彼女次第だが、ボーデンの額から汗が流れる。
「等価交換。魔法使いにはない法則だけど、錬金術師には通用する法則。何かを得るためには、それに等しい対価を自ら差し出さなければならない。貴方が自分の帰る手段を得る為に、その対価として私を自由にする……。フ、ハハハ……。何という交渉をしてくるのかしら、そんな人間、二百年の中で初めてみたわ」
一人で旅を続けるのには限界がある。自分と共に旅をしてくれる相手は、自分と同等、それ以上の相手がいい。それにラミアは吸血鬼だ。人ではあるが人ではない。もしかすると、そっちの方が都合のいい事がある。
「貴方はこの世界に来る前は何処に住んでいたのかしら?」
ラミアは汚れた口元をテーブルに置いてある白い布で拭き取る。話が進んでいるうちにそのほとんどを食べ終えたらしい。
店の中は、二人以外に他の客もいる。そのほとんどが男だ。少女を連れているボーデンは、どう見ても浮いている存在だ。だが、今はそんな事関係ない。
「ドイツだ。ヨーロッパ州に属している一つの国で、豊かな気候でぶどう酒……ワインとウインナーなどが有名だ。そして、隣接国々を自由に行き来出来る」
「それは平和な世界ね。酒が飲み放題、一度は行ってみたいものね」
ラミアは、舌舐めずりする。
「それ程いい国とも言えないけどな」
「どうして?」
「確かにここよりは平和かもしれないが、向こうは向こうで国同士の争いが世界中で起こっている。それは武器を使った戦略的攻撃や政治的攻撃、時には身内でのテロだってある。だが、魔法が無いだけでも救い用がある」
ボーデンが難しい顔でそう言うと、ラミアはお腹を押さえながら笑っていた。
「ハハハ……。なんだ、そういう事なの? そんなの大きな事ではないわよ。そんな事、何処に行ったって同じじゃない。人がいれば争いは生まれる。生き物がいる限り、争いは止まない。この世界にアダムとイブが誕生してからもう始まっている事よ」
ラミアの赤い瞳は輝きを増す。これも吸血鬼の証拠である。
「それで、何で貴方は私をあの檻から出したのか、そろそろ教えて貰えるかしら?」
長い金髪を触る。
「理由ならたった一つだ。俺が帰る手段を手伝って欲しい。それが終われば、お前は自由だ。どうだ? 等価交換に沿っているだろう?」
ボーデンはたった一つの交換条件を交渉のテーブルに乗せる。
この条件に乗るか、乗らないかは彼女次第だが、ボーデンの額から汗が流れる。
「等価交換。魔法使いにはない法則だけど、錬金術師には通用する法則。何かを得るためには、それに等しい対価を自ら差し出さなければならない。貴方が自分の帰る手段を得る為に、その対価として私を自由にする……。フ、ハハハ……。何という交渉をしてくるのかしら、そんな人間、二百年の中で初めてみたわ」
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