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第1章 呪われし末裔
Ⅴ
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奴隷店を出たボーデンは、服屋で少女に会う服を買い、近くの酒場に立ち寄った。店の奥の方に二人は座る。
少女は黒のドレスを着て、ボーデンの前に静かに座っている。
ボーデンはそんな少女を見て、不快感を抱いていた。いや、ほとんど、彼女の正体をある程度認識しているのだ。
「もうそろそろ、話してもいいんじゃないのか?」
ボーデンはようやく口を開いた。
「お前、人間じゃないだろ? その黄金色の髪に赤い瞳は、世界でも歴代最古の動物言われている吸血鬼。D種の末裔《まつえい》だろ?」
ボーデンは少女に鎌をかける。
自分の勘が正しければ、真実に一歩近づく事になる。
少女は、水をゆっくりと飲み干し、数十秒間黙ったままでいると、口を開く。
「どうやら、貴方の眼には誤魔化しなど通じないのね」
少女は言った。そして、ボーデンは確信を持てた。
「そうよ。私は吸血鬼の末裔。ラミア・エンプーサ。歳は約二百歳ってところかしら」
「二百歳! ま、驚く事でもないか。吸血鬼ならそれくらい普通だろうな。ラミア……神話に出て来る名前の一つだな」
「へぇ、知っているのね。魔法使いにしては誇りに思ってもいいわ」
「それはどーも」
ボーデンはラミアから視線を逸らさずに礼を言った。
「それで貴方は私をあそこから解放して何がしたいの? 人殺し、国を支配下に置く、世界征服。一体どれなのかしら?」
ラミアは面白そうにニヤニヤしながらボーデンを見つめた。
ラミアの料理がちょうど目の前にやって来る。フォークを手にして、一口ずつ口の中へと入れていく。
「どれにも興味はない。俺は元の世界に帰る手段を探しているだけだ。だから、その為にはこの世界に必要の事は全て得てきた。そして、今は旅をしている」
ボーデンはラミアの問いに自分の意思を伝えた。今まで手にした物は今の自分に繋がっていると思っているのだ。
「元の世界? となるとこの時代、この世界の人ではないという事なの?」
「そうだな。俺はこの世界の人間ではない。ここに来るまでは……な」
ボーデンはテーブルに肘をつき、両手を重ねると口の近くまで持っていき考える態勢になる。
少女は黒のドレスを着て、ボーデンの前に静かに座っている。
ボーデンはそんな少女を見て、不快感を抱いていた。いや、ほとんど、彼女の正体をある程度認識しているのだ。
「もうそろそろ、話してもいいんじゃないのか?」
ボーデンはようやく口を開いた。
「お前、人間じゃないだろ? その黄金色の髪に赤い瞳は、世界でも歴代最古の動物言われている吸血鬼。D種の末裔《まつえい》だろ?」
ボーデンは少女に鎌をかける。
自分の勘が正しければ、真実に一歩近づく事になる。
少女は、水をゆっくりと飲み干し、数十秒間黙ったままでいると、口を開く。
「どうやら、貴方の眼には誤魔化しなど通じないのね」
少女は言った。そして、ボーデンは確信を持てた。
「そうよ。私は吸血鬼の末裔。ラミア・エンプーサ。歳は約二百歳ってところかしら」
「二百歳! ま、驚く事でもないか。吸血鬼ならそれくらい普通だろうな。ラミア……神話に出て来る名前の一つだな」
「へぇ、知っているのね。魔法使いにしては誇りに思ってもいいわ」
「それはどーも」
ボーデンはラミアから視線を逸らさずに礼を言った。
「それで貴方は私をあそこから解放して何がしたいの? 人殺し、国を支配下に置く、世界征服。一体どれなのかしら?」
ラミアは面白そうにニヤニヤしながらボーデンを見つめた。
ラミアの料理がちょうど目の前にやって来る。フォークを手にして、一口ずつ口の中へと入れていく。
「どれにも興味はない。俺は元の世界に帰る手段を探しているだけだ。だから、その為にはこの世界に必要の事は全て得てきた。そして、今は旅をしている」
ボーデンはラミアの問いに自分の意思を伝えた。今まで手にした物は今の自分に繋がっていると思っているのだ。
「元の世界? となるとこの時代、この世界の人ではないという事なの?」
「そうだな。俺はこの世界の人間ではない。ここに来るまでは……な」
ボーデンはテーブルに肘をつき、両手を重ねると口の近くまで持っていき考える態勢になる。
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