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第1章 呪われし末裔
Ⅳ
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ボーデンが指差す方向を見ると、オーウェンは再びニヤッと笑みを浮かべた。
「なんと、貴方様は人間の奴隷が欲しているのですか? ダメですよ。貴方様みたいな魔法使いが、その様な人間を得たとしてもただの実験台にもなりませんよ」
「人間ねぇ。そもそもこの世界での人体実験は禁忌の一つに含まれているはずだ。それともこの奴隷を売りたくない理由でも?」
ボーデンはオーウェンを睨み付ける。
「いいえ、滅相もない。ただ、そんな今にも死にそうな奴隷を買わなくとも……」
オーウェンは口籠る。
確かに普通の売人だったらまず、この少女を選ぶのは避けるだろう。弱っている奴隷を買った所で自分には何もメリットがない。だが、そこにいる少女が普通の人間の少女だったらの話だ。
オーウェンは気づいていないかもしれないが、ボーデンには何かしらの違和感を感じた。金髪に赤い瞳。そして、独特な雰囲気。何処かしらここにいる奴隷達よりも違って見えた。
「いや、彼女を買いたい。いや、もらいたい。異論はないよな?」
ボーデンは、目だけでオーウェンを威嚇する。その眼には怒りと憎しみが入り混じっていた。
オーウェンはしばらく悩み、自問自答した後、ようやく顔を上げた。
「分かりました。貴方に譲りましょう。それで奴隷紋章は付けますか?」
「いや、いらない。俺はそういうのは嫌いだ。それに元々、奴隷自体好きでは無い。人は例え、位が違えど、話し合いなどは平等でありたいだろ? 俺は、この国がどうなろうと、世界がどうなろうと関係ない。目の前にいる人間を助けないで何もする事なんて出来ないからな」
ボーデンは財布を取り出し、その中からお金を取り出す。
「金はヴェルヘム金貨二枚でいいよな?」
そう言って、金貨を二枚取り出し、手渡しすると檻の中を勝手に開けた。
中に入り、少女の左腕を握る。手や足に力が入っていないのが握っただけで伝わってくる。ボーデンは溜息をつき、少女をそのまま抱え上げる。
「俺はここで失礼する。女物の服は何処で売っているんだ?」
「ここから一番近いのは、ここを出て左に曲がった所にありますよ」
「そうか、ありがとう」
ボーデンは、そのまま奴隷店を後にした。
嵐が過ぎ去った後、テントの中でオーウェンは受け取った金貨を握りしめながら笑った。
「いやいや、まさか彼女を選ぶものがいるとはですねぇ。いえいえ、決して悪い事ではありませんよ。ただ、彼女を選んだ事を後悔するのは果たして誰なのか。面白いですねぇ。見応えがありますとも……。さてさて、私は本職に戻るとしましょうか」
オーウェンは再びテントの奥へと姿を消した。奴隷店は再び静まり返り、獣の鳴き声だけが聞こえた。
「なんと、貴方様は人間の奴隷が欲しているのですか? ダメですよ。貴方様みたいな魔法使いが、その様な人間を得たとしてもただの実験台にもなりませんよ」
「人間ねぇ。そもそもこの世界での人体実験は禁忌の一つに含まれているはずだ。それともこの奴隷を売りたくない理由でも?」
ボーデンはオーウェンを睨み付ける。
「いいえ、滅相もない。ただ、そんな今にも死にそうな奴隷を買わなくとも……」
オーウェンは口籠る。
確かに普通の売人だったらまず、この少女を選ぶのは避けるだろう。弱っている奴隷を買った所で自分には何もメリットがない。だが、そこにいる少女が普通の人間の少女だったらの話だ。
オーウェンは気づいていないかもしれないが、ボーデンには何かしらの違和感を感じた。金髪に赤い瞳。そして、独特な雰囲気。何処かしらここにいる奴隷達よりも違って見えた。
「いや、彼女を買いたい。いや、もらいたい。異論はないよな?」
ボーデンは、目だけでオーウェンを威嚇する。その眼には怒りと憎しみが入り混じっていた。
オーウェンはしばらく悩み、自問自答した後、ようやく顔を上げた。
「分かりました。貴方に譲りましょう。それで奴隷紋章は付けますか?」
「いや、いらない。俺はそういうのは嫌いだ。それに元々、奴隷自体好きでは無い。人は例え、位が違えど、話し合いなどは平等でありたいだろ? 俺は、この国がどうなろうと、世界がどうなろうと関係ない。目の前にいる人間を助けないで何もする事なんて出来ないからな」
ボーデンは財布を取り出し、その中からお金を取り出す。
「金はヴェルヘム金貨二枚でいいよな?」
そう言って、金貨を二枚取り出し、手渡しすると檻の中を勝手に開けた。
中に入り、少女の左腕を握る。手や足に力が入っていないのが握っただけで伝わってくる。ボーデンは溜息をつき、少女をそのまま抱え上げる。
「俺はここで失礼する。女物の服は何処で売っているんだ?」
「ここから一番近いのは、ここを出て左に曲がった所にありますよ」
「そうか、ありがとう」
ボーデンは、そのまま奴隷店を後にした。
嵐が過ぎ去った後、テントの中でオーウェンは受け取った金貨を握りしめながら笑った。
「いやいや、まさか彼女を選ぶものがいるとはですねぇ。いえいえ、決して悪い事ではありませんよ。ただ、彼女を選んだ事を後悔するのは果たして誰なのか。面白いですねぇ。見応えがありますとも……。さてさて、私は本職に戻るとしましょうか」
オーウェンは再びテントの奥へと姿を消した。奴隷店は再び静まり返り、獣の鳴き声だけが聞こえた。
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