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第2章 二人の旅人
Ⅷ
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「これはーあれだ。部下のあいつが、仕事をしなかったせいでこんな量になったせいだ。気にするな。部下の失態は上司である俺がどうにかする」
バルドは、ドヤ顔で偉そうに言った。
だが、そんな時に扉をノックする音が聴こえてきた。一人の女性が部屋に入ってくる。
「誰が部下の失態ですか? その失態の全てはあなたが仕事を全くしないからでしょ。それ、一週間も溜め込んだ結果なんですけど、いい加減に終わらせてもらえませんか? 私にも自分の仕事というものがあるんですよ」
金髪の髪を纏めた女性は、頭を悩ませながら言った。すぐにバルトの隣に立って、追加の資料と書類を積み重ねる。
バルトと同じ女性用の軍服を着ており、肩に付けられた階級は上級大尉《じょうきゅうたいい》の称号が刻まれている。バルトの次に偉い階級と言ってもいい。欲を言えば、一つ大きな事件を成し遂げれば階級が逆転する事もあり得るのだ。
「ど、どこら辺から聞いていたんだ。エルザ……?」
追加される紙の山を見ながら、苦笑いをして訊く。
「最初から全てですよ。全部、外に丸聞こえでした。この意味、解りますよね? この後、あなたが取るべき行動も何もかも……」
エルザは、上からバルトを見下すかのような目で見る。上司がここまで部下に尻を叩かれるのは、このコンビ以外にいないだろう。苦労人であるエルザにとっては、さっさと上司よりも上の階級に昇りたいはずだ。
「はぁ……。分かっている。街の美味しいケーキ屋でケーキでも買ってくればいいのだろ?」
「分かっているのであれば良いんですよ」
エルザは、微笑んだ。
「久しぶりですね。エルザさん」
ボーデンは、エルザに挨拶をする。それを聞いて、エルザも挨拶を返す。
「ええ、久しぶりね。今回の事件は、耳に入っているわ。それに隣にいる子は、あなたの彼女さんかしら?」
「いや、それは……」
ボーデンは、エルザから視線を逸らす。
それを見逃さなかったエルザは、何かに察した。
「訳ありってわけね。いいわ、面倒ごとは全て、そこの無能な上司に押し付けなさい。この人がなんとかしてくれるはずだから」
と言って、エルザは給水室にコーヒーを入れに行った。
「俺でも全ては対処出来んぞ……」
バルトは、嫌そうな顔をしながら言葉を漏らした。
バルドは、ドヤ顔で偉そうに言った。
だが、そんな時に扉をノックする音が聴こえてきた。一人の女性が部屋に入ってくる。
「誰が部下の失態ですか? その失態の全てはあなたが仕事を全くしないからでしょ。それ、一週間も溜め込んだ結果なんですけど、いい加減に終わらせてもらえませんか? 私にも自分の仕事というものがあるんですよ」
金髪の髪を纏めた女性は、頭を悩ませながら言った。すぐにバルトの隣に立って、追加の資料と書類を積み重ねる。
バルトと同じ女性用の軍服を着ており、肩に付けられた階級は上級大尉《じょうきゅうたいい》の称号が刻まれている。バルトの次に偉い階級と言ってもいい。欲を言えば、一つ大きな事件を成し遂げれば階級が逆転する事もあり得るのだ。
「ど、どこら辺から聞いていたんだ。エルザ……?」
追加される紙の山を見ながら、苦笑いをして訊く。
「最初から全てですよ。全部、外に丸聞こえでした。この意味、解りますよね? この後、あなたが取るべき行動も何もかも……」
エルザは、上からバルトを見下すかのような目で見る。上司がここまで部下に尻を叩かれるのは、このコンビ以外にいないだろう。苦労人であるエルザにとっては、さっさと上司よりも上の階級に昇りたいはずだ。
「はぁ……。分かっている。街の美味しいケーキ屋でケーキでも買ってくればいいのだろ?」
「分かっているのであれば良いんですよ」
エルザは、微笑んだ。
「久しぶりですね。エルザさん」
ボーデンは、エルザに挨拶をする。それを聞いて、エルザも挨拶を返す。
「ええ、久しぶりね。今回の事件は、耳に入っているわ。それに隣にいる子は、あなたの彼女さんかしら?」
「いや、それは……」
ボーデンは、エルザから視線を逸らす。
それを見逃さなかったエルザは、何かに察した。
「訳ありってわけね。いいわ、面倒ごとは全て、そこの無能な上司に押し付けなさい。この人がなんとかしてくれるはずだから」
と言って、エルザは給水室にコーヒーを入れに行った。
「俺でも全ては対処出来んぞ……」
バルトは、嫌そうな顔をしながら言葉を漏らした。
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