19 / 57
第2章 二人の旅人
Ⅸ
しおりを挟む
「まあ、そこのソファーに座ってくれたまえ」
バルトが、来客用のソファーを指差す。黒の綺麗なソファーであり、汚れても目立たないようになっている。
ボーデンとラミアはソファーに座り、向かい側にバルトがどっしりと構えた体勢で座る。エルザが出来立てのコーヒーをテーブルの上に四つ並べると、バルトの隣にゆっくりと座る。
湯気が立つコーヒーに、ボーデンは砂糖と牛乳を追加して、スプーンでかき混ぜた。
「君は未だにブラックで飲めないのかね」
「すみませんね、まだ、子供なので……」
ボーデンはコーヒーを飲む。
一息ついたところで、バルトが話の本題に入る。
「さて、物は言いようだが貴様の隣にいる女は一体何者だ?」
少し殺気を放つバルト。周りの空気に緊張が走る。沈静して数秒後、ボーデンではなくラミアが口を開く。
「貴様は誰に向かって言っておる……」
いつもの話口調ではない。少し、偉そうに上から目線で言う。
「妾を誰だと思っておるのだ?」
ラミアは、睨みつけながら不敵な笑みを浮かべる。
それを隣で見ていたボーデンは、黙ったまま何も言わずにただ、コーヒーを飲み続ける。
「この瞳を見ても判らぬか?」
ラミアは、青い瞳を赤い瞳に変化させ、口を開き、吸血鬼である証拠の歯を見せる。二人は、ラミアの素顔を見て、驚き、真剣な表情を見せる。
「きゅ……吸血鬼……」
「嘘でしょ……」
二人は驚くあまり、つい、言葉を漏らす。
自分たちの身近に吸血鬼が存在している事が珍しい。人間にとって、吸血鬼は恐れられるものである事は、誰もが知っている。そして、人間と共存している吸血鬼なんて、自分達の目で実際に見た事がない。しかも、実際の吸血鬼が人間と同じ姿である事にも驚いていた。
「––––と、まあ、堅苦しい口調も面倒だから、普通に話しても良いわよ。さっきは試してみただけだから……」
ラミアは、楽な姿勢になり、微笑んだ。
二人は驚いたせいで、コーヒーを何度もの見直しをしながら気持ちを落ち着かせる。
「吸血鬼だったとは、驚きだったな……。これはこれで後々面倒になるな。俺の方でも対処できるかどうかも難しいぞ」
バルトは、エルザの方をチラッと見る。
バルトが、来客用のソファーを指差す。黒の綺麗なソファーであり、汚れても目立たないようになっている。
ボーデンとラミアはソファーに座り、向かい側にバルトがどっしりと構えた体勢で座る。エルザが出来立てのコーヒーをテーブルの上に四つ並べると、バルトの隣にゆっくりと座る。
湯気が立つコーヒーに、ボーデンは砂糖と牛乳を追加して、スプーンでかき混ぜた。
「君は未だにブラックで飲めないのかね」
「すみませんね、まだ、子供なので……」
ボーデンはコーヒーを飲む。
一息ついたところで、バルトが話の本題に入る。
「さて、物は言いようだが貴様の隣にいる女は一体何者だ?」
少し殺気を放つバルト。周りの空気に緊張が走る。沈静して数秒後、ボーデンではなくラミアが口を開く。
「貴様は誰に向かって言っておる……」
いつもの話口調ではない。少し、偉そうに上から目線で言う。
「妾を誰だと思っておるのだ?」
ラミアは、睨みつけながら不敵な笑みを浮かべる。
それを隣で見ていたボーデンは、黙ったまま何も言わずにただ、コーヒーを飲み続ける。
「この瞳を見ても判らぬか?」
ラミアは、青い瞳を赤い瞳に変化させ、口を開き、吸血鬼である証拠の歯を見せる。二人は、ラミアの素顔を見て、驚き、真剣な表情を見せる。
「きゅ……吸血鬼……」
「嘘でしょ……」
二人は驚くあまり、つい、言葉を漏らす。
自分たちの身近に吸血鬼が存在している事が珍しい。人間にとって、吸血鬼は恐れられるものである事は、誰もが知っている。そして、人間と共存している吸血鬼なんて、自分達の目で実際に見た事がない。しかも、実際の吸血鬼が人間と同じ姿である事にも驚いていた。
「––––と、まあ、堅苦しい口調も面倒だから、普通に話しても良いわよ。さっきは試してみただけだから……」
ラミアは、楽な姿勢になり、微笑んだ。
二人は驚いたせいで、コーヒーを何度もの見直しをしながら気持ちを落ち着かせる。
「吸血鬼だったとは、驚きだったな……。これはこれで後々面倒になるな。俺の方でも対処できるかどうかも難しいぞ」
バルトは、エルザの方をチラッと見る。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる