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第2章 時には大罪を犯す
008 時には大罪を犯すⅣ
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「その少女は、ある日。イジメを受けている友達の少女をイジメの子たちから守ってあげました。しかし、イジメを受けた女の子は一週間後、転校してしまいました。少女は、友達が転校したことを知ってしまい。自分が守れなかったことを後悔しました。そして、その日からターゲットはその少女になり、少女は残りの学校生活を闇の中一人で生活しました」
そう言い終わると、冬月は深呼吸を一回してこちらを向いた。
俺は言葉をかけることが出来なく、そのまま話を聞いていた。
「もういい、その話はやめろ。自分の昔話をしてどうなる。過去が自分を助けてくれるとでも思うのか?」
「いいえ、私はそんな事一切思っていないわ。そんなの遥か昔にどこかに置いてきたもの」
そう言う冬月の表情はどこか悲しいようなものであった。
「それに私、人を信じるって事は最もこの世で一番嫌いな言葉なの。残酷で、横暴で、悲惨な言葉……。そんなものがあるから人は皆、孤独と言うものを好まないのかもしれないわ」
そう言って、冬月は天井を見上げた。
俺と冬月梓はどこかが似ている気がする。それはずっと前からお互いに気づいていたかもしれない。しかし、性格も考え方もそれぞれ違う。
彼女は美人で、上品で、成績優秀のほぼ完璧な才色兼備を身にまとった隙のないある意味、凄い女だ。まあ、そんな彼女にもいくつかは弱点というものもある。
しかし、今日。これで藤原先生が何を言いたかったのか、少し、俺にも分かった気がする。俺にだってその問題があるのだから。
でもそれは、彼女に近づこうとすると、それを防御して避けられ続けられるのかもしれない。きっとそれは俺と彼女がうまくやっていく保険になるのかもしれないだろう。時には、嘘をついて人をだますのかもしれない。人間なのだから……。
でも、それはきっと後悔に繋がるのかもしれない。いくら、性格のいいやつだって、頭のいいやつでもそれは建前に過ぎない。なんだかんだで、人はガラスの仮面をかぶっている。
冬月は俺にとって本当に性格悪くて、言葉遣いもイラつく、嫌な女だ。魔女だ。
彼女だって、俺のことをそう思っているはずだ。
けれど、それはただの自分が急ブレーキをかけた線で妄想でしかない。
でも、何処かで必ず人はいつか、すれ違い。認め合うのだ。
この空間がおかしいのもフィクションなのかもしれない。体の鼓動が一秒ごとにドクン、ドクンと血が体全体に流れていくのが伝わってくる。
こんな話をどこかで聞いたことがある。
――人はアダムとイブから生まれたものだと……。
――人はこの世で最も残酷な生物だと言うことを……。
――人は孤独の中で常に自分と向き合わなければならないと……。
俺の手はいつもより冷たくなっていて、緊張をしているのが分かる。俺は唾を飲み込み、のどに通らせる。
「もし、お前が何かを恐れた時、俺を頼ってはくれないだろうか」
「い・や・よ」
冬月は今まで見た表情の中でとても美しく微笑んでいた。俺はその顔に見とれてしまう。
「そうかい」
「ええ、そうよ。私はあなたの助けなんか必要ないもの」
ま、これが冬月梓の本当の言葉なのかは分からない。ま、とにかく、俺の大学生活がこのまま平穏であることを願いながら、俺はそっと目を閉じた。
早く、自由になりたいと……。
そう言い終わると、冬月は深呼吸を一回してこちらを向いた。
俺は言葉をかけることが出来なく、そのまま話を聞いていた。
「もういい、その話はやめろ。自分の昔話をしてどうなる。過去が自分を助けてくれるとでも思うのか?」
「いいえ、私はそんな事一切思っていないわ。そんなの遥か昔にどこかに置いてきたもの」
そう言う冬月の表情はどこか悲しいようなものであった。
「それに私、人を信じるって事は最もこの世で一番嫌いな言葉なの。残酷で、横暴で、悲惨な言葉……。そんなものがあるから人は皆、孤独と言うものを好まないのかもしれないわ」
そう言って、冬月は天井を見上げた。
俺と冬月梓はどこかが似ている気がする。それはずっと前からお互いに気づいていたかもしれない。しかし、性格も考え方もそれぞれ違う。
彼女は美人で、上品で、成績優秀のほぼ完璧な才色兼備を身にまとった隙のないある意味、凄い女だ。まあ、そんな彼女にもいくつかは弱点というものもある。
しかし、今日。これで藤原先生が何を言いたかったのか、少し、俺にも分かった気がする。俺にだってその問題があるのだから。
でもそれは、彼女に近づこうとすると、それを防御して避けられ続けられるのかもしれない。きっとそれは俺と彼女がうまくやっていく保険になるのかもしれないだろう。時には、嘘をついて人をだますのかもしれない。人間なのだから……。
でも、それはきっと後悔に繋がるのかもしれない。いくら、性格のいいやつだって、頭のいいやつでもそれは建前に過ぎない。なんだかんだで、人はガラスの仮面をかぶっている。
冬月は俺にとって本当に性格悪くて、言葉遣いもイラつく、嫌な女だ。魔女だ。
彼女だって、俺のことをそう思っているはずだ。
けれど、それはただの自分が急ブレーキをかけた線で妄想でしかない。
でも、何処かで必ず人はいつか、すれ違い。認め合うのだ。
この空間がおかしいのもフィクションなのかもしれない。体の鼓動が一秒ごとにドクン、ドクンと血が体全体に流れていくのが伝わってくる。
こんな話をどこかで聞いたことがある。
――人はアダムとイブから生まれたものだと……。
――人はこの世で最も残酷な生物だと言うことを……。
――人は孤独の中で常に自分と向き合わなければならないと……。
俺の手はいつもより冷たくなっていて、緊張をしているのが分かる。俺は唾を飲み込み、のどに通らせる。
「もし、お前が何かを恐れた時、俺を頼ってはくれないだろうか」
「い・や・よ」
冬月は今まで見た表情の中でとても美しく微笑んでいた。俺はその顔に見とれてしまう。
「そうかい」
「ええ、そうよ。私はあなたの助けなんか必要ないもの」
ま、これが冬月梓の本当の言葉なのかは分からない。ま、とにかく、俺の大学生活がこのまま平穏であることを願いながら、俺はそっと目を閉じた。
早く、自由になりたいと……。
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