22 / 46
第4章 幼馴染と言うものはそれ以上、それ以下でもない
022 幼馴染と言うのはそれ以上、それ以下でもないⅣ
しおりを挟む
いきなり、奥の方から声が聞こえた。振り返ると藤原先生が用紙を二枚持って来て二人にそれぞれ一枚ずつ渡した。
「俺にとっては君たちにも入ってほしいと思っている。ただでとは言わない。その代わりにこの研究室を自由に使ってもいい権利を与えるこれでどうか?」
「お、おい……。それはやめておいた方がいいと思うんですが……」
「自由に使ってもいいなら使わせていただきます」
春が目を輝かせながら嬉しそうに言うと、俺と善政は段々不安になってきた。
おいおい、まじかよ……。こいつ、嬉しそうに答えたぞ。善政は、……あ。もう、これはだめなパターンだ。目が死んでいる。
「良かった。モル……研究生が増えると俺の研究が広まるよ。それにプロ棋士もいるし今度、ネットのトーナメント戦の指導でもしてもらうとしてこれでやっと五人か……」
今、モルモットと言いかけていませんでしたか?冬月がすっげー睨みつけていますよ。ほら、他の女子も困惑した表情をしていますよ。大丈夫ですか。
好きにしろよ。もう……。
次の日、春と俺だけしか研究室にいなかった。
「ここって、何もないよね」
「ああ」
「何が足りないと思う。お金じゃないし、テレビはあるし、パソコンもそろっているのよ」
「絶対、ここには何か必要なのね」
「そうか?俺は十分にそろっていると思うし、大体、ここは先生の私物でいっぱいだから勝手に使っても怒られないだろ仕事の資料以外は……」
「そう言うことじゃないのよ。あんたは昔から頭が固いんだからその捻くれた性格直した方がいいわよ」
「それは関係ないだろ」
「何か、いいアイディアないかしら」
「俺の事は無視かよ……」
「そうよ、ここにはゲーム機が足りなかったのよ」
研究室に新たな二人が加わって以来、先生の私物以外に物がどんどん増え始めた。
春は思い出して俺に向かって口元で笑みを浮かべた。
「何言っているんだよ。お前の家にもたくさん置いてあっただろ。そこまで必要か?」
俺は読みかけの小説から一旦視線を春の方に向けて言った。
「何言っているの。私、まだ最新の府天道ウオッチ買っていないのよ。抽選では外れるし、時代に乗り遅れるわ」
時代遅れでもいいんじゃねーの。
近くでその話を聞いていた冬月は溜息をついて、夏目はテニス部で不在、善政は本格的な国産本脚付き将棋盤を目の前に詰将棋をしていた。どうやって持ってきたんだろうか……。
「しかし、この大学にはゲーム部があるの。奴らそのゲーム機を三つも所有しているのよ。悔しくないの?」
悔しそうに地団駄を踏みながら春は言った。
「いや、別に……。どうでもいいだろ。次の入荷まで待てよ。もしくはネットで買え」
「嫌よ。奴らに一つ譲ってもらうのよ」
立ち上がって、善政の襟をつかむと、こいつも連れていくわよ、と言い、俺たち二人は渋々春の後について行った。
「時に信司よ。俺は何で巻き込まれているのだろうか?」
「知らん」
そう言って、俺は持っていた小説を歩きながら読んだ。
「ゲームオタクには暗黙のルールがあるの。物を取り合う時は……」
いきなり春が話し始めて自分のゲーム論を目的地に着くまで永遠と聞かされた。
「……というわけなのよ」
「話、終わったか?」
「ちょっと、聞いていなかったの?」
聞いてたも何も全く一つも理解不能だ。隣で不機嫌そうに立っている善政は俺を見ると顎で示した。
ああ、これは不味いな。
眉をひそめながら足元の方は貧乏ゆすりをしている。
「それじゃあ、ミッションスタート!」
そんなわけで、春が声をあげると俺たち二人はやる気のない返事で返し、ゲーム部の部室にアポもなく突撃訪問をした。
部室には大きな液晶テレビに男女五人が最新版PF4を使ってドラモンⅪをプレイしていた。改めて、部室の中を一通り見るとゲーム機本体とゲームソフトが山のように散らばっていた。
「誰だね?君たちは……」
コントローラーを持った少年が尋ねた。
「ふっふっふ。あなた達が最新ゲーム機を三つも所有していることは分かっている。大人しく我々と勝負して渡してもらおうか」
「俺にとっては君たちにも入ってほしいと思っている。ただでとは言わない。その代わりにこの研究室を自由に使ってもいい権利を与えるこれでどうか?」
「お、おい……。それはやめておいた方がいいと思うんですが……」
「自由に使ってもいいなら使わせていただきます」
春が目を輝かせながら嬉しそうに言うと、俺と善政は段々不安になってきた。
おいおい、まじかよ……。こいつ、嬉しそうに答えたぞ。善政は、……あ。もう、これはだめなパターンだ。目が死んでいる。
「良かった。モル……研究生が増えると俺の研究が広まるよ。それにプロ棋士もいるし今度、ネットのトーナメント戦の指導でもしてもらうとしてこれでやっと五人か……」
今、モルモットと言いかけていませんでしたか?冬月がすっげー睨みつけていますよ。ほら、他の女子も困惑した表情をしていますよ。大丈夫ですか。
好きにしろよ。もう……。
次の日、春と俺だけしか研究室にいなかった。
「ここって、何もないよね」
「ああ」
「何が足りないと思う。お金じゃないし、テレビはあるし、パソコンもそろっているのよ」
「絶対、ここには何か必要なのね」
「そうか?俺は十分にそろっていると思うし、大体、ここは先生の私物でいっぱいだから勝手に使っても怒られないだろ仕事の資料以外は……」
「そう言うことじゃないのよ。あんたは昔から頭が固いんだからその捻くれた性格直した方がいいわよ」
「それは関係ないだろ」
「何か、いいアイディアないかしら」
「俺の事は無視かよ……」
「そうよ、ここにはゲーム機が足りなかったのよ」
研究室に新たな二人が加わって以来、先生の私物以外に物がどんどん増え始めた。
春は思い出して俺に向かって口元で笑みを浮かべた。
「何言っているんだよ。お前の家にもたくさん置いてあっただろ。そこまで必要か?」
俺は読みかけの小説から一旦視線を春の方に向けて言った。
「何言っているの。私、まだ最新の府天道ウオッチ買っていないのよ。抽選では外れるし、時代に乗り遅れるわ」
時代遅れでもいいんじゃねーの。
近くでその話を聞いていた冬月は溜息をついて、夏目はテニス部で不在、善政は本格的な国産本脚付き将棋盤を目の前に詰将棋をしていた。どうやって持ってきたんだろうか……。
「しかし、この大学にはゲーム部があるの。奴らそのゲーム機を三つも所有しているのよ。悔しくないの?」
悔しそうに地団駄を踏みながら春は言った。
「いや、別に……。どうでもいいだろ。次の入荷まで待てよ。もしくはネットで買え」
「嫌よ。奴らに一つ譲ってもらうのよ」
立ち上がって、善政の襟をつかむと、こいつも連れていくわよ、と言い、俺たち二人は渋々春の後について行った。
「時に信司よ。俺は何で巻き込まれているのだろうか?」
「知らん」
そう言って、俺は持っていた小説を歩きながら読んだ。
「ゲームオタクには暗黙のルールがあるの。物を取り合う時は……」
いきなり春が話し始めて自分のゲーム論を目的地に着くまで永遠と聞かされた。
「……というわけなのよ」
「話、終わったか?」
「ちょっと、聞いていなかったの?」
聞いてたも何も全く一つも理解不能だ。隣で不機嫌そうに立っている善政は俺を見ると顎で示した。
ああ、これは不味いな。
眉をひそめながら足元の方は貧乏ゆすりをしている。
「それじゃあ、ミッションスタート!」
そんなわけで、春が声をあげると俺たち二人はやる気のない返事で返し、ゲーム部の部室にアポもなく突撃訪問をした。
部室には大きな液晶テレビに男女五人が最新版PF4を使ってドラモンⅪをプレイしていた。改めて、部室の中を一通り見るとゲーム機本体とゲームソフトが山のように散らばっていた。
「誰だね?君たちは……」
コントローラーを持った少年が尋ねた。
「ふっふっふ。あなた達が最新ゲーム機を三つも所有していることは分かっている。大人しく我々と勝負して渡してもらおうか」
0
あなたにおすすめの小説
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
青春
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる