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第5章 同じ日に同じ夢を見るということは非合理的な空想論である
036 同じ日に同じ夢を見るということは非合理的な空想論であるⅨ
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それは甘くて、苦くて、すっぱくて、なんと表現していいのやら分からなかった。夢の中なのに初めての相手がこいつだと思うとどうかと思う。
俺は目を閉じたまま、冬月の体の温度が唇を通じて、伝わってくるような感じがした。彼女の体は震えており、今にも力が抜けそうであった。
これでいいのかと唇を放して、目を開けると目の前が段々暗くなってきた。
そして、もう一度目を開けると……。
天井が見えた。さっきまで外にいた俺は布団の中に潜り込んでいた。布団の中は今まで寝ていた感触があり、暖かかった。明かりをつけると、間違いなく俺の部屋だった。デジタル時計を確認すると針はしっかりと動いており、日付も今日の日付だった。間違いなく現実だ。もう一度、確認するためにスマホを確認すると間違ってはいなかった。
時刻は午前三時を少し過ぎた頃。カーテンを開けると、空はまだ暗く、月が輝いていた。橋の上では自動車の音が数分おきに聞こえてくる。俺は一階に降りて、トイレを済ませた後、また、布団の中に入った。
さっき起こった出来事、もしかすると金縛りだったのかもしれない。悪夢なのかもしれない。でも、本当に現実で起こったようなものだとするとそれを公表したところで誰もが信じることはないだろう。
……まだ、口元は生暖かい。あいつとの恥ずかしい夢を見たせいなのか?あれは俺の妄想だったのなら……俺は一体、何をしでかしたんだ!
あ——あ、変な夢を見えしまった。
そう思いながら、指先でもう一度、唇をなぞるようにゆっくりと一周した。
本当にあの夢が……実際に起こったことなのなら、明日にでも遠回しに冬月に訊いてみるとしよう。直接、訊いたところであいつがそう、易々と答えてくれるはずがない。
それと藤原先生に訊いてみるとしよう。眠っている時の人の原理について……。
しかし、あんな夢を見た後はどうにも寝心地が悪すぎる。俺はこの後どうすればいいんだ?後、三時間と少し、誰か、眠らせてくれ。
昨日の今日、つまり、今朝、俺は頭をかきながら眠そうに大きなあくびをしてやっと起きることが出来た。目覚まし時計をみると、朝の六時半を過ぎた頃、目覚ましが鳴る十分前だった。
どうやら、あの後、ぐっすりと何事もなかったかのように俺は寝ていたらしい。布団から出て、一階に居り、洗面所で寝ていた時の汚い顔と手を何度も洗った。髪の毛はぼさぼさに寝癖がついている。寝癖は後回しにして、リビングに向かった。扉を開けると同時に朝食のいい匂いを漂わせながら、よだれが出そうだった。
「うわっ!どうしたの、お兄ちゃん……。目元にクマが出来て、今日は一段とひどい顔だよ」
妹の佑理は俺の顔を見てびっくりしていた。
「……?ああ、これ?大丈夫、大丈夫。ただの疲れだから……」
「いやいや、ただの疲れでそんなにひどくはならないでしょ。だって、はっきりと分かるんだよ」
「本当かよ。ま、どうせ、人には気づかれないだろう。なにせ、俺、大学でも友達いないからな」
「そんなこと言っているからお兄ちゃんの周りには変な人しか集まらないんだよ」
おい、妹よ。それは兄に対する侮辱なのか?
「大体さ、お兄ちゃんの幼馴染みって、高スペックすぎて普通の人とはかけ離れている人たちじゃん。それでよく十何年間、付き合っていられるね。もう、その人たちが友達でいいんじゃないの?」
「はぁ?馬鹿なことを言うなよ、妹よ。あれは幼馴染みであるが友達ではない。では、友達という定義がなんなのかを……」
「また始まったよ。もう、それいいからさっさと食べよう」
佑理は俺の話なんかびた一文聞きたくないご様子で、お構いなく食べ始めた。
最近、俺に対する態度がどんどんエスカレートしていると思うが、気のせいか?
「それで、今日は何時ごろに帰ってくるの?冷蔵庫の中の|食糧がすっからかん。もし、お兄ちゃんが早く帰宅してくれたら買い物に行くのを手伝ってほしいな?」
妹は甘えるようにかわいい笑顔満点で俺の方を見てきた。この表情をするときは俺をこき使う時に使う技で、もし、これが妹ではなかったら、絶対に断っているというか、恐ろしい存在だとノミネートされているレベルだ。
恐ろしい子、我が妹よ。しかし、俺は可愛い妹のために頑張ってしまうのが俺のモットーなのが男として、兄としてどうなのだろうか?
「時間帯によるな。お前はいつ学校が終わるの?てか、部活は……?」
「今日はお休み。それに今日は短縮授業の六限目まで、終わるのが午後三時前なの」
「三時か……。終わったとき連絡をくれれば校門まで迎えに行ってやるよ」
「え——、それは恥ずかしいよ」
「無理言うな。俺は時間を無駄にしたくないし。帰りがけに買い物していた方が省エネで面倒くさくないだろ。家に帰って、また、出かけるのだけは嫌だ」
「最後の方が本音なのね」
どうやら、見透かされているらしい。
佑理はジト目をしながら、呆れ果て、「分かった」と頷いた。
俺はテレビの電源を入れ、毎日欠かさずに見ている『朝トク』という、報道番組を見た。でも、ほとんどの人は裏チャンネルの『めざましチャンネル』の方を見る。
俺は目を閉じたまま、冬月の体の温度が唇を通じて、伝わってくるような感じがした。彼女の体は震えており、今にも力が抜けそうであった。
これでいいのかと唇を放して、目を開けると目の前が段々暗くなってきた。
そして、もう一度目を開けると……。
天井が見えた。さっきまで外にいた俺は布団の中に潜り込んでいた。布団の中は今まで寝ていた感触があり、暖かかった。明かりをつけると、間違いなく俺の部屋だった。デジタル時計を確認すると針はしっかりと動いており、日付も今日の日付だった。間違いなく現実だ。もう一度、確認するためにスマホを確認すると間違ってはいなかった。
時刻は午前三時を少し過ぎた頃。カーテンを開けると、空はまだ暗く、月が輝いていた。橋の上では自動車の音が数分おきに聞こえてくる。俺は一階に降りて、トイレを済ませた後、また、布団の中に入った。
さっき起こった出来事、もしかすると金縛りだったのかもしれない。悪夢なのかもしれない。でも、本当に現実で起こったようなものだとするとそれを公表したところで誰もが信じることはないだろう。
……まだ、口元は生暖かい。あいつとの恥ずかしい夢を見たせいなのか?あれは俺の妄想だったのなら……俺は一体、何をしでかしたんだ!
あ——あ、変な夢を見えしまった。
そう思いながら、指先でもう一度、唇をなぞるようにゆっくりと一周した。
本当にあの夢が……実際に起こったことなのなら、明日にでも遠回しに冬月に訊いてみるとしよう。直接、訊いたところであいつがそう、易々と答えてくれるはずがない。
それと藤原先生に訊いてみるとしよう。眠っている時の人の原理について……。
しかし、あんな夢を見た後はどうにも寝心地が悪すぎる。俺はこの後どうすればいいんだ?後、三時間と少し、誰か、眠らせてくれ。
昨日の今日、つまり、今朝、俺は頭をかきながら眠そうに大きなあくびをしてやっと起きることが出来た。目覚まし時計をみると、朝の六時半を過ぎた頃、目覚ましが鳴る十分前だった。
どうやら、あの後、ぐっすりと何事もなかったかのように俺は寝ていたらしい。布団から出て、一階に居り、洗面所で寝ていた時の汚い顔と手を何度も洗った。髪の毛はぼさぼさに寝癖がついている。寝癖は後回しにして、リビングに向かった。扉を開けると同時に朝食のいい匂いを漂わせながら、よだれが出そうだった。
「うわっ!どうしたの、お兄ちゃん……。目元にクマが出来て、今日は一段とひどい顔だよ」
妹の佑理は俺の顔を見てびっくりしていた。
「……?ああ、これ?大丈夫、大丈夫。ただの疲れだから……」
「いやいや、ただの疲れでそんなにひどくはならないでしょ。だって、はっきりと分かるんだよ」
「本当かよ。ま、どうせ、人には気づかれないだろう。なにせ、俺、大学でも友達いないからな」
「そんなこと言っているからお兄ちゃんの周りには変な人しか集まらないんだよ」
おい、妹よ。それは兄に対する侮辱なのか?
「大体さ、お兄ちゃんの幼馴染みって、高スペックすぎて普通の人とはかけ離れている人たちじゃん。それでよく十何年間、付き合っていられるね。もう、その人たちが友達でいいんじゃないの?」
「はぁ?馬鹿なことを言うなよ、妹よ。あれは幼馴染みであるが友達ではない。では、友達という定義がなんなのかを……」
「また始まったよ。もう、それいいからさっさと食べよう」
佑理は俺の話なんかびた一文聞きたくないご様子で、お構いなく食べ始めた。
最近、俺に対する態度がどんどんエスカレートしていると思うが、気のせいか?
「それで、今日は何時ごろに帰ってくるの?冷蔵庫の中の|食糧がすっからかん。もし、お兄ちゃんが早く帰宅してくれたら買い物に行くのを手伝ってほしいな?」
妹は甘えるようにかわいい笑顔満点で俺の方を見てきた。この表情をするときは俺をこき使う時に使う技で、もし、これが妹ではなかったら、絶対に断っているというか、恐ろしい存在だとノミネートされているレベルだ。
恐ろしい子、我が妹よ。しかし、俺は可愛い妹のために頑張ってしまうのが俺のモットーなのが男として、兄としてどうなのだろうか?
「時間帯によるな。お前はいつ学校が終わるの?てか、部活は……?」
「今日はお休み。それに今日は短縮授業の六限目まで、終わるのが午後三時前なの」
「三時か……。終わったとき連絡をくれれば校門まで迎えに行ってやるよ」
「え——、それは恥ずかしいよ」
「無理言うな。俺は時間を無駄にしたくないし。帰りがけに買い物していた方が省エネで面倒くさくないだろ。家に帰って、また、出かけるのだけは嫌だ」
「最後の方が本音なのね」
どうやら、見透かされているらしい。
佑理はジト目をしながら、呆れ果て、「分かった」と頷いた。
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