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第6章 家庭訪問は結構ストレスが溜まるものであり、それは次第につらくなる
044 家庭訪問は結構ストレスが溜まるものであり、それは次第につらくなるⅥ
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「もう、そんな時間なのか。それにお前いつ帰ってきたの?」
「ん―、今から三十分前?」
「何で疑問形にして返してくるんだよ」
「そんなことはどうでもいいから、早く着替えて用意しろ!」
そう言われるままに、俺は着替えて、佑理《ゆり》の言う通りに行動し、そして、リビングのソファーで座る。目の前には可愛らしいコップが三つに皿の上にはショートケーキが三つあった。帰りに、何処かのケーキ屋で買って帰ったのだろう。
俺は一人でこの何もない寂しい空間で待たされているのだ。時刻は二時二十分。もうそろそろしたら、佑理の担任が現れる。一体誰だろうと想像しながら待ち続けると玄関の方からチャイムが鳴った。
佑理が二階からドタバタと走って降りてきて、急いで扉を開ける。
「今日は、よろしく頼むぞ!」
「いえいえ、こちらこそ。存分にお願いします」
どうやら担任の先生が来たらしい。そして、聞き覚えのある女性の声であった。どこかで会ったことあるか?あの高校で働いている女性教師は少なかったからすぐに分かるはずなんだが……。
考え込んでいるとリビングの扉が開いて、佑理とその担任が入って来た。
「あ……」
佑理の担任教師である釘宮愛衣は堂々と人の家でそれも俺の向かい側に座っていた。
どうして、この女がここにいるのかはさておき、この女教師は俺の元担任でもある。担当科目は英語。俺が高校時代、もっとも関わりがあった教師であるのだ。
さて、俺は隣でこの状況を楽しんでいる我が妹に問いただそうとしようとしたが釘宮先生は、額に手を当てて溜息をついた。
「それで天道兄。大学の方は楽しいか?」
「……はぁ、おかげさまで充実したキャンパスライフを送っていますが」
「さて、私がここにいるのは大体の想像はついただろ。今日は君の妹のついでに君の家庭訪問をしようと思っていてな」
釘宮先生はそう言っていたが、本来の目的は俺の方ではなかろうか。
昼間から元担任が妹の担任として家庭訪問をしてくるこのシチュエーション、全国でそうめったにないことだろう。
そう思っていると、目の前に一冊のファイルが置かれた。
「それではまず、妹の方から家庭訪問を始めようか」
「はぁ」
「真面目に聞けよ」
「は、はい……」
「よし、では、まずは成績の方だが……お前よりひどいな」
「そこ、本当のこと言わない!」
釘宮先生に佑理はツッコミを入れた。
「天道妹。話を最後まできちんと聞け」
先生が佑理に向かって睨みつけてくる。こんなに綺麗な人なのに怒ると怖いのは前から知っているが久々に会ってみると前よりもさらにパワーアップしているような気がする。
「す、すみません。でも、お兄ちゃんよりひどいって比べられるとちょっと複雑なんですけど!佑理のモチベーションがその現実に押し付けられて終わってしまったらどうしてくれるんですか!」
佑理は謝るが、その上で先生に向かって講義をしたのである。
「悔しかったら現実を受け止めて、もっと勉強しろ。うちの学校は進学校だから勉強をしない奴は置いて行かれるだけだぞ」
「お兄ちゃん、何か言って!」
そう言われると、俺は佑理の方を見て……。
「おう、もっと勉強しろよ」
「お兄ちゃんの裏切り者!シスコン!」
と、嘆いていた。
シスコンは関係ないだろ。俺はありのままを言っただけだぞ。俺は悪くない。そう、これは社会が悪いのだ。国がそう決めているのだ。
「天道。お前もこの時はこいつと一緒だっただろうが!よく言えたものだな」
「そういうものですかね。結局は進学したからいいんですけど」
「地元の大学に……だろ」
「そうですね。でも、通ったんだからそれでいいでしょ」
「大学生になって口が悪くなったんじゃないだろうな。このクソガキ」
「さあ、それはどうでしょうか。ご想像にお任せします」
言葉と言葉が飛び交う。
それはテニスのラリーのように次から次へと返事を返していくようだ。置いてきぼりの佑理は不満そうに表情を浮かべている。
「それじゃあ、次に進路についてだが一応、兄と一緒の大学でいいのか?」
「ええ、だって、お兄ちゃん、私がいないとダメダメですしね」
「ちょっと待て、なんで俺が手のかかる弟みたいな存在になっているの?おかしくね?」
「確かにこいつは高校の時、本当にダメな生徒だったからな」
「ん―、今から三十分前?」
「何で疑問形にして返してくるんだよ」
「そんなことはどうでもいいから、早く着替えて用意しろ!」
そう言われるままに、俺は着替えて、佑理《ゆり》の言う通りに行動し、そして、リビングのソファーで座る。目の前には可愛らしいコップが三つに皿の上にはショートケーキが三つあった。帰りに、何処かのケーキ屋で買って帰ったのだろう。
俺は一人でこの何もない寂しい空間で待たされているのだ。時刻は二時二十分。もうそろそろしたら、佑理の担任が現れる。一体誰だろうと想像しながら待ち続けると玄関の方からチャイムが鳴った。
佑理が二階からドタバタと走って降りてきて、急いで扉を開ける。
「今日は、よろしく頼むぞ!」
「いえいえ、こちらこそ。存分にお願いします」
どうやら担任の先生が来たらしい。そして、聞き覚えのある女性の声であった。どこかで会ったことあるか?あの高校で働いている女性教師は少なかったからすぐに分かるはずなんだが……。
考え込んでいるとリビングの扉が開いて、佑理とその担任が入って来た。
「あ……」
佑理の担任教師である釘宮愛衣は堂々と人の家でそれも俺の向かい側に座っていた。
どうして、この女がここにいるのかはさておき、この女教師は俺の元担任でもある。担当科目は英語。俺が高校時代、もっとも関わりがあった教師であるのだ。
さて、俺は隣でこの状況を楽しんでいる我が妹に問いただそうとしようとしたが釘宮先生は、額に手を当てて溜息をついた。
「それで天道兄。大学の方は楽しいか?」
「……はぁ、おかげさまで充実したキャンパスライフを送っていますが」
「さて、私がここにいるのは大体の想像はついただろ。今日は君の妹のついでに君の家庭訪問をしようと思っていてな」
釘宮先生はそう言っていたが、本来の目的は俺の方ではなかろうか。
昼間から元担任が妹の担任として家庭訪問をしてくるこのシチュエーション、全国でそうめったにないことだろう。
そう思っていると、目の前に一冊のファイルが置かれた。
「それではまず、妹の方から家庭訪問を始めようか」
「はぁ」
「真面目に聞けよ」
「は、はい……」
「よし、では、まずは成績の方だが……お前よりひどいな」
「そこ、本当のこと言わない!」
釘宮先生に佑理はツッコミを入れた。
「天道妹。話を最後まできちんと聞け」
先生が佑理に向かって睨みつけてくる。こんなに綺麗な人なのに怒ると怖いのは前から知っているが久々に会ってみると前よりもさらにパワーアップしているような気がする。
「す、すみません。でも、お兄ちゃんよりひどいって比べられるとちょっと複雑なんですけど!佑理のモチベーションがその現実に押し付けられて終わってしまったらどうしてくれるんですか!」
佑理は謝るが、その上で先生に向かって講義をしたのである。
「悔しかったら現実を受け止めて、もっと勉強しろ。うちの学校は進学校だから勉強をしない奴は置いて行かれるだけだぞ」
「お兄ちゃん、何か言って!」
そう言われると、俺は佑理の方を見て……。
「おう、もっと勉強しろよ」
「お兄ちゃんの裏切り者!シスコン!」
と、嘆いていた。
シスコンは関係ないだろ。俺はありのままを言っただけだぞ。俺は悪くない。そう、これは社会が悪いのだ。国がそう決めているのだ。
「天道。お前もこの時はこいつと一緒だっただろうが!よく言えたものだな」
「そういうものですかね。結局は進学したからいいんですけど」
「地元の大学に……だろ」
「そうですね。でも、通ったんだからそれでいいでしょ」
「大学生になって口が悪くなったんじゃないだろうな。このクソガキ」
「さあ、それはどうでしょうか。ご想像にお任せします」
言葉と言葉が飛び交う。
それはテニスのラリーのように次から次へと返事を返していくようだ。置いてきぼりの佑理は不満そうに表情を浮かべている。
「それじゃあ、次に進路についてだが一応、兄と一緒の大学でいいのか?」
「ええ、だって、お兄ちゃん、私がいないとダメダメですしね」
「ちょっと待て、なんで俺が手のかかる弟みたいな存在になっているの?おかしくね?」
「確かにこいつは高校の時、本当にダメな生徒だったからな」
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