3 / 5
天才物理少女篇
002 仕組まれた陰謀 Ⅱ
しおりを挟む
『解ったみたいだね。さぁ、僕を楽しませてくれ! 君たちがこの世界で自分たちの力で生き残ってくれることを願っているよ』
それからは通信が切れ、何も声がしなくなった。
この世界に閉じ込められたまま、世界中の人達が混乱に陥った。
何も知らされずに電脳世界に閉じ込められたとか、まるでアニメや漫画のような世界だ。そんなことがあり得るわけがない。今、もしかすると、外の世界でニュースに取り上げられているかもしれない。
ヘーラク・レスは言った。クリアさえすれば、現実世界に戻してくれると————
だが、その単純なことすらAIにとって、人間の力ではまず無理だろうと馬鹿にしているのかとも捉えられる。
人間の脳ではAIには勝てない。それはつまり、戦う前から同じテーブル上に載っている時点で負けているのだ。
しかし、ここを生き残らなければ意味が無い。誰もがそう思っただろう。
————人間 VS AI————
彼ら若者たちが生き残るには一つずつの問題をクリアしていかなければならない。
ヘーラク・レスは、人間の何らかの力をどこかで見ているのだろうか。
それから半年の月日が流れた。
× × ×
データによると、日本で電脳世界に閉じ込められたのは約六千万人。上は三十五歳、下は小学生、幼稚園生くらいの子供までもがいると言われている。
そして、この半年間で三百万人の若者が電脳世界から退場し、仮死状態にされているのである。
ヤマト国・イスミシティ————
「はぁ……寝みぃ……」
少年は街の外れにある草原で、木の陰に隠れながら昼寝をしていた。
今日の天気は晴れ、西風から南風と昼寝をするには十分な気候であった。
閉じ込められてから半年、未だ、目立った情報は入ってこない。
ほとんどの人間は、冒険者となり、ギルドに入り、仲間やパーティーを組みながらレベルを上げ、地道に力をつけてきている。
「さて、今日も山に入るか……」
少年は黒髪の短髪で全身黒まみれの衣類を着ていた。
服からズボン、コートまでもが黒一色。そして、今から挑もうとしているのはイスミシティから北に五キロほどの位置にある山、【ルデン山】の洞窟でレベル上げをしようとしているのだ。
少年の名は、相模祐斗《さがみゆうと》。
この世界に閉じ込められた日本人の一人である。歳は十六歳。日本では高校二年生であった。ギルド本部に加盟はしているが、無所属であり、今までソロで活動してきている。
レベルは64。半年にしては、相当なレベルである。
トップランカーの人だと、それ以上の人達がいる。そのほとんどが、ゲーマが多い。
祐斗は、左腰に日本刀を一本差して林の奥へと入っていった。
(あれからもう、半年か……)
祐斗は、半年前の出来事を思い出す。
自分がいた世界から真逆の世界へと強制的に連れてこられ、今まで自分の力だけでなんとか半年間切り抜けてきた。しっかりと、ある程度の生活ができる金を稼ぎ、未だにこの世界の攻略を行っていない。
意外とソロで活動をするのにはそろそろ限界も来ていた。だが、ギルドに所属すると、今まで以上に活動範囲が制限されてしまう。祐斗は、それが嫌だったのだ。人に合わせることが最も苦手であり、自分との息が合わない者と手を組んだとしてもすぐにパーティーは解消してしまう。
この半年間で何度かパーティーを組んだ冒険者はいるが、そのほとんどが自分とは合わない対象だった。
それからは、たった一人でルデン山に入り、力をつけ、そろそろ旅に出ようとした。
ヘーラク・レスが出したこの世界からの脱出法は、この世界にある七つのダンジョンをクリアする事だ。
冒険者は、それぞれの街に行き、ダンジョンをクリアするために少しずつレベルを上げている。
そして、ルデン山の洞窟には一つ目のダンジョンがある。
だが、ここをクリアした者はまだ、いない。
ルデン山に出現するモンスターは深くいくほど高レベルのモンスターが出現する。
祐斗は、刀を握り、左手にはショットガンを手にして、洞窟の中へと姿を消した。
ルデン山の中は石の光で、少し明るかった。
モンスターの魔力がうじゃうじゃと多くいるのを感じる。
「ふぅ……。今日は地下十層より下に行ってみるか」
祐斗は、地下層に通じる穴を見下ろしながらそう言った。
十層には、レベル三十前後のモンスターが生息している。
それからは通信が切れ、何も声がしなくなった。
この世界に閉じ込められたまま、世界中の人達が混乱に陥った。
何も知らされずに電脳世界に閉じ込められたとか、まるでアニメや漫画のような世界だ。そんなことがあり得るわけがない。今、もしかすると、外の世界でニュースに取り上げられているかもしれない。
ヘーラク・レスは言った。クリアさえすれば、現実世界に戻してくれると————
だが、その単純なことすらAIにとって、人間の力ではまず無理だろうと馬鹿にしているのかとも捉えられる。
人間の脳ではAIには勝てない。それはつまり、戦う前から同じテーブル上に載っている時点で負けているのだ。
しかし、ここを生き残らなければ意味が無い。誰もがそう思っただろう。
————人間 VS AI————
彼ら若者たちが生き残るには一つずつの問題をクリアしていかなければならない。
ヘーラク・レスは、人間の何らかの力をどこかで見ているのだろうか。
それから半年の月日が流れた。
× × ×
データによると、日本で電脳世界に閉じ込められたのは約六千万人。上は三十五歳、下は小学生、幼稚園生くらいの子供までもがいると言われている。
そして、この半年間で三百万人の若者が電脳世界から退場し、仮死状態にされているのである。
ヤマト国・イスミシティ————
「はぁ……寝みぃ……」
少年は街の外れにある草原で、木の陰に隠れながら昼寝をしていた。
今日の天気は晴れ、西風から南風と昼寝をするには十分な気候であった。
閉じ込められてから半年、未だ、目立った情報は入ってこない。
ほとんどの人間は、冒険者となり、ギルドに入り、仲間やパーティーを組みながらレベルを上げ、地道に力をつけてきている。
「さて、今日も山に入るか……」
少年は黒髪の短髪で全身黒まみれの衣類を着ていた。
服からズボン、コートまでもが黒一色。そして、今から挑もうとしているのはイスミシティから北に五キロほどの位置にある山、【ルデン山】の洞窟でレベル上げをしようとしているのだ。
少年の名は、相模祐斗《さがみゆうと》。
この世界に閉じ込められた日本人の一人である。歳は十六歳。日本では高校二年生であった。ギルド本部に加盟はしているが、無所属であり、今までソロで活動してきている。
レベルは64。半年にしては、相当なレベルである。
トップランカーの人だと、それ以上の人達がいる。そのほとんどが、ゲーマが多い。
祐斗は、左腰に日本刀を一本差して林の奥へと入っていった。
(あれからもう、半年か……)
祐斗は、半年前の出来事を思い出す。
自分がいた世界から真逆の世界へと強制的に連れてこられ、今まで自分の力だけでなんとか半年間切り抜けてきた。しっかりと、ある程度の生活ができる金を稼ぎ、未だにこの世界の攻略を行っていない。
意外とソロで活動をするのにはそろそろ限界も来ていた。だが、ギルドに所属すると、今まで以上に活動範囲が制限されてしまう。祐斗は、それが嫌だったのだ。人に合わせることが最も苦手であり、自分との息が合わない者と手を組んだとしてもすぐにパーティーは解消してしまう。
この半年間で何度かパーティーを組んだ冒険者はいるが、そのほとんどが自分とは合わない対象だった。
それからは、たった一人でルデン山に入り、力をつけ、そろそろ旅に出ようとした。
ヘーラク・レスが出したこの世界からの脱出法は、この世界にある七つのダンジョンをクリアする事だ。
冒険者は、それぞれの街に行き、ダンジョンをクリアするために少しずつレベルを上げている。
そして、ルデン山の洞窟には一つ目のダンジョンがある。
だが、ここをクリアした者はまだ、いない。
ルデン山に出現するモンスターは深くいくほど高レベルのモンスターが出現する。
祐斗は、刀を握り、左手にはショットガンを手にして、洞窟の中へと姿を消した。
ルデン山の中は石の光で、少し明るかった。
モンスターの魔力がうじゃうじゃと多くいるのを感じる。
「ふぅ……。今日は地下十層より下に行ってみるか」
祐斗は、地下層に通じる穴を見下ろしながらそう言った。
十層には、レベル三十前後のモンスターが生息している。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。
彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。
彼女は思った。
(今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。
今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる