アーティシャル・インジェンス・リベンジ

ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

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天才物理少女篇

002  仕組まれた陰謀 Ⅱ

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『解ったみたいだね。さぁ、僕を楽しませてくれ! 君たちがこの世界で自分たちの力で生き残ってくれることを願っているよ』

 それからは通信が切れ、何も声がしなくなった。

 この世界に閉じ込められたまま、世界中の人達が混乱に陥った。

 何も知らされずに電脳世界に閉じ込められたとか、まるでアニメや漫画のような世界だ。そんなことがあり得るわけがない。今、もしかすると、外の世界でニュースに取り上げられているかもしれない。

 ヘーラク・レスは言った。クリアさえすれば、現実世界に戻してくれると————

 だが、その単純なことすらAIにとって、人間の力ではまず無理だろうと馬鹿にしているのかとも捉えられる。

 人間の脳ではAIには勝てない。それはつまり、戦う前から同じテーブル上に載っている時点で負けているのだ。

 しかし、ここを生き残らなければ意味が無い。誰もがそう思っただろう。

 ————人間 VS AI————

 彼ら若者たちが生き残るには一つずつの問題をクリアしていかなければならない。

 ヘーラク・レスは、人間の何らかの力をどこかで見ているのだろうか。



 それから半年の月日が流れた。


     ×     ×     ×


 データによると、日本で電脳世界に閉じ込められたのは約六千万人。上は三十五歳、下は小学生、幼稚園生くらいの子供までもがいると言われている。

 そして、この半年間で三百万人の若者が電脳世界から退場し、仮死状態にされているのである。



 ヤマト国・イスミシティ————

「はぁ……寝みぃ……」

 少年は街の外れにある草原で、木の陰に隠れながら昼寝をしていた。

 今日の天気は晴れ、西風から南風と昼寝をするには十分な気候であった。

 閉じ込められてから半年、未だ、目立った情報は入ってこない。

 ほとんどの人間は、冒険者となり、ギルドに入り、仲間やパーティーを組みながらレベルを上げ、地道に力をつけてきている。

「さて、今日も山に入るか……」

 少年は黒髪の短髪で全身黒まみれの衣類を着ていた。

 服からズボン、コートまでもが黒一色。そして、今から挑もうとしているのはイスミシティから北に五キロほどの位置にある山、【ルデン山】の洞窟でレベル上げをしようとしているのだ。

 少年の名は、相模祐斗《さがみゆうと》。

 この世界に閉じ込められた日本人の一人である。歳は十六歳。日本では高校二年生であった。ギルド本部に加盟はしているが、無所属であり、今までソロで活動してきている。

 レベルは64。半年にしては、相当なレベルである。

 トップランカーの人だと、それ以上の人達がいる。そのほとんどが、ゲーマが多い。

 祐斗は、左腰に日本刀を一本差して林の奥へと入っていった。

(あれからもう、半年か……)

 祐斗は、半年前の出来事を思い出す。

 自分がいた世界から真逆の世界へと強制的に連れてこられ、今まで自分の力だけでなんとか半年間切り抜けてきた。しっかりと、ある程度の生活ができる金を稼ぎ、未だにこの世界の攻略を行っていない。

 意外とソロで活動をするのにはそろそろ限界も来ていた。だが、ギルドに所属すると、今まで以上に活動範囲が制限されてしまう。祐斗は、それが嫌だったのだ。人に合わせることが最も苦手であり、自分との息が合わない者と手を組んだとしてもすぐにパーティーは解消してしまう。

 この半年間で何度かパーティーを組んだ冒険者はいるが、そのほとんどが自分とは合わない対象だった。

 それからは、たった一人でルデン山に入り、力をつけ、そろそろ旅に出ようとした。

 ヘーラク・レスが出したこの世界からの脱出法は、この世界にある七つのダンジョンをクリアする事だ。

 冒険者は、それぞれの街に行き、ダンジョンをクリアするために少しずつレベルを上げている。

 そして、ルデン山の洞窟には一つ目のダンジョンがある。

 だが、ここをクリアした者はまだ、いない。

 ルデン山に出現するモンスターは深くいくほど高レベルのモンスターが出現する。

 祐斗は、刀を握り、左手にはショットガンを手にして、洞窟の中へと姿を消した。

 ルデン山の中は石の光で、少し明るかった。

 モンスターの魔力がうじゃうじゃと多くいるのを感じる。

「ふぅ……。今日は地下十層より下に行ってみるか」

 祐斗は、地下層に通じる穴を見下ろしながらそう言った。

 十層には、レベル三十前後のモンスターが生息している。
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