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第1話  アレイスター・テイル

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「だったら死ね!」

 男は姿を消し、一瞬で移動すると和哉の目の前に現れ、剣を横に振りかぶり、腹を斬る。

「————な……」

 神経や細胞を傷つけない斬り方、和哉は立ったまま驚き、恐る恐る右手で斬られた腹に手を当てると、血は全く出ていなかった。

「君‼」

 少女は剣を捨てて駆け寄ってくる。

「はぁ……なっ、……これは一体……」

 和哉は男が剣を収めると同時にその場に倒れる。

「今の……どうやって……。神経と細胞に感覚が無かった……」

 視界が薄くなってきている自分の目で男を見る。さっきまでとの実力が違いすぎる。
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