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第4章 ウエストシティの内戦
048 ウエストシティの内戦Ⅸ
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「ユーヤ。この道で合っているの?」
「ああ、合っている。アルブレヒト教会の教主・マーロス教主はその昔、マリエスト国の軍に在籍していた記録が残されている。最高階級は将官クラスの准将。ほぼトップのレベルを持っていた魔導士だったらしい。軍を引退した後、旅をしながら各地を回り、今では教主様とか呼ばれて、この街の教会に住み着いているんだとさ」
裕也は戦闘を歩きながら地図をしっかりと確認し、話を続ける。
「なんで、その教主がこの街の軍とそんな危ない事を行おうとしているの?」
「たぶん、国家転覆とか考えているんじゃないのか? もしくはこの街の住民ごと、自分たちの支配下に置くか、もしくは奴隷にするとかだろうよ……」
「奴隷……」
二葉は奴隷という単語を聞いてどんよりする。
「いや、たぶんそうじゃないかなぁと思っただけだ。だから、そうなる前に俺達がやるんだろ。言っただろ、俺はそういう自由のない不自由な生活は好きじゃないって……」
「そうだけど……」
「あのなぁ、人はその場所で花を咲かすって言うだろ? 人は考えることができる。それに人には二本の足があり、手がある。それだけでいろんな未来がある。そうだろ?」
裕也はしょんぼりしている二葉にどう説明すればいいのか真剣に言葉を選び、考えをまとめながら話す。
「つまりは、人は平等であり、ルールの中で成り立っている。そのルールに則って俺たちは生きているんだ」
「そうだよね」
二葉は安心したかのように胸を撫で下ろし、小さく息を吐いた。
「それに俺は三年前、お前たちを買ってから一度も奴隷とは思ったことはないぞ。旅をする仲間だと思っているからな」
「分かってる。裕也がそんな事をする人じゃないって、私も一花も三久も知っているから……」
「なんで、話に二人が入ってくるんだよ」
「さあね、どうしてだろう」
二葉はクスクスとおかしく笑う。
「あれ?」
持っていた画面に男の現在地が近くなっているのに気付いた。
「二葉、何かあったのか?」
「うん。これ、さっきからこっちに近づいてきていない?」
「どれ、見せてみろ」
裕也は二葉から機械を受け取り、画面を見る。
「ああ、合っている。アルブレヒト教会の教主・マーロス教主はその昔、マリエスト国の軍に在籍していた記録が残されている。最高階級は将官クラスの准将。ほぼトップのレベルを持っていた魔導士だったらしい。軍を引退した後、旅をしながら各地を回り、今では教主様とか呼ばれて、この街の教会に住み着いているんだとさ」
裕也は戦闘を歩きながら地図をしっかりと確認し、話を続ける。
「なんで、その教主がこの街の軍とそんな危ない事を行おうとしているの?」
「たぶん、国家転覆とか考えているんじゃないのか? もしくはこの街の住民ごと、自分たちの支配下に置くか、もしくは奴隷にするとかだろうよ……」
「奴隷……」
二葉は奴隷という単語を聞いてどんよりする。
「いや、たぶんそうじゃないかなぁと思っただけだ。だから、そうなる前に俺達がやるんだろ。言っただろ、俺はそういう自由のない不自由な生活は好きじゃないって……」
「そうだけど……」
「あのなぁ、人はその場所で花を咲かすって言うだろ? 人は考えることができる。それに人には二本の足があり、手がある。それだけでいろんな未来がある。そうだろ?」
裕也はしょんぼりしている二葉にどう説明すればいいのか真剣に言葉を選び、考えをまとめながら話す。
「つまりは、人は平等であり、ルールの中で成り立っている。そのルールに則って俺たちは生きているんだ」
「そうだよね」
二葉は安心したかのように胸を撫で下ろし、小さく息を吐いた。
「それに俺は三年前、お前たちを買ってから一度も奴隷とは思ったことはないぞ。旅をする仲間だと思っているからな」
「分かってる。裕也がそんな事をする人じゃないって、私も一花も三久も知っているから……」
「なんで、話に二人が入ってくるんだよ」
「さあね、どうしてだろう」
二葉はクスクスとおかしく笑う。
「あれ?」
持っていた画面に男の現在地が近くなっているのに気付いた。
「二葉、何かあったのか?」
「うん。これ、さっきからこっちに近づいてきていない?」
「どれ、見せてみろ」
裕也は二葉から機械を受け取り、画面を見る。
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