69 / 139
第5章 剣の魔導士とそこにあるもの
069 剣の魔導士とそこにあるものXIII
しおりを挟む
「だったら大佐に色々と請求しておいてくれないか?」
「請求とは?」
「嫌がらせ。大量の書類とか後始末がお似合いだろうよ」
「それは日常茶飯事だからそれは面白くないな……」
総司は首を横に振って却下する。
「その事についてはこれが終わってから話すとして、裕也、本当に実行は二日後の夜でいいんだな?」
もう一度、総司は裕也に訊き返す。
「ああ、それまでにはこの教会ごとぶっ壊さないと気が済まないからな」
「だったら話は簡単だ。お前がそれまで囚われの身になった状態で奴が賢者の石と黒魔法を使うまで大人しくしておけばいいだろ?」
総司はニヤッと笑う。
「総司さん、冗談はやめてください! いくら何でもそれでは万が一の時、どうするんですか⁉」
三久は裕也の鎖手錠を自分の錬成で作り変えたものに交換し終えた後だった。
どこにも不自然や違和感が無い。
おかげで裕也は魔法を使うことができるようになったのだ。
「分かってる。でも三久さん、そうしなければ奴らを現行犯で取り押さえることができない。この事実を闇に葬られてしまったら一生近づくことができるどころか、そのままなかったことにされる可能性が高い。軍が関わっている以上、これは絶対に失敗してはならない任務だ。だから、裕也‼ お前には協力してもらうぞ! 炎の魔導士」
「その言葉、信じてもいいんだな? 剣の魔導士」
二人は互いに見上げ、見下ろしながら睨みつけた。
「ああ、男に二言はねぇ……。そして、お前の仲間である三姉妹との約束だ。女との約束は絶対に裏切らない」
「ぶれないな。お前はどこに行っても女の事しか考えていないようだな」
二人が話していると、再びマーロスが地下に降りてきて、扉を開けた。
「中将殿、どうです? まさか炎の魔導士が実験体として我が野望の生贄になられるのです」
変装している総司に、マーロスは優しく声を掛ける。
「ああ、まさか噂の炎の魔導士が見つかるとは思わなかったよ。教主様、この魔導士をどう生贄にするのです?」
「それは二日後、私が錬金術と魔法で証明して見せますとも……」
「ほう。それは楽しみですなぁ……。それまでにしっかりと見張っておいてくださいよ。私の上司たちがその報告を待っておられますので……」
「請求とは?」
「嫌がらせ。大量の書類とか後始末がお似合いだろうよ」
「それは日常茶飯事だからそれは面白くないな……」
総司は首を横に振って却下する。
「その事についてはこれが終わってから話すとして、裕也、本当に実行は二日後の夜でいいんだな?」
もう一度、総司は裕也に訊き返す。
「ああ、それまでにはこの教会ごとぶっ壊さないと気が済まないからな」
「だったら話は簡単だ。お前がそれまで囚われの身になった状態で奴が賢者の石と黒魔法を使うまで大人しくしておけばいいだろ?」
総司はニヤッと笑う。
「総司さん、冗談はやめてください! いくら何でもそれでは万が一の時、どうするんですか⁉」
三久は裕也の鎖手錠を自分の錬成で作り変えたものに交換し終えた後だった。
どこにも不自然や違和感が無い。
おかげで裕也は魔法を使うことができるようになったのだ。
「分かってる。でも三久さん、そうしなければ奴らを現行犯で取り押さえることができない。この事実を闇に葬られてしまったら一生近づくことができるどころか、そのままなかったことにされる可能性が高い。軍が関わっている以上、これは絶対に失敗してはならない任務だ。だから、裕也‼ お前には協力してもらうぞ! 炎の魔導士」
「その言葉、信じてもいいんだな? 剣の魔導士」
二人は互いに見上げ、見下ろしながら睨みつけた。
「ああ、男に二言はねぇ……。そして、お前の仲間である三姉妹との約束だ。女との約束は絶対に裏切らない」
「ぶれないな。お前はどこに行っても女の事しか考えていないようだな」
二人が話していると、再びマーロスが地下に降りてきて、扉を開けた。
「中将殿、どうです? まさか炎の魔導士が実験体として我が野望の生贄になられるのです」
変装している総司に、マーロスは優しく声を掛ける。
「ああ、まさか噂の炎の魔導士が見つかるとは思わなかったよ。教主様、この魔導士をどう生贄にするのです?」
「それは二日後、私が錬金術と魔法で証明して見せますとも……」
「ほう。それは楽しみですなぁ……。それまでにしっかりと見張っておいてくださいよ。私の上司たちがその報告を待っておられますので……」
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる