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ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

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第6章  咎人の罪

072  咎人の罪Ⅱ

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「未来? 俺達の知らないところでこの計画の先を知る者がいるって事だ。そもそも魔導士じゃなくとも錬金術師でもいいはずだ。なのに奴は何のためらいもなく裕也を選んだ」


 総司の言葉に三久は息を呑む。


 そう、あの時、なぜ、三久の方は帰ってこれたのか。


 なぜ、裕也は両手を話して魔封石の鎖手錠で繋がれていたのか。


 一つ一つのピースが埋まっていく。


「裕也は魔導士でもなく錬金術師でもないっていう事だ」


「それじゃあ……」


「奴は魔導士であると同時に錬金術師であることを認識しなければならなかったという事だ。この世界で二つのものを体内に保持している奴は裕也の他にも俺の上司・デミトロフ大佐。その他にもギルドや軍内、魔界には、数人しかいない。つまりはその貴重な人間がもしかすると白魔法の代わりとなるのかもしれない」


 総司は悔しそうに壁を思いっきり殴った。


「三久さん。これは一刻を争うかもしれないが少し予定は早まるが、今やらなければこの街……いや、この世界の平行線がおかしくなるだろう」


 総司は剣を抜き、刀身は電球から放たれる光によって輝いていた。




 同時刻――――


 アルブレヒト教会周辺区域にあるカフェ――――


 二人の少女たちが教会の方をちらちらと見ながらお茶をしていた。


「ねぇ、夜までずっとこんな事をしておかないといけないわけ?」


「そうだね……」


「――――って、あんたはなんでそんなに余裕そうにお茶飲んでいるのよ!」


 少女はテーブルをバンッと、手で叩き、大きな音を立てながら向かい側に座って街の新聞を読みながら余裕そうな顔をしている少女に言った。


 座っている少女は、新聞を下ろして、騒がしい少女を見上げると、


「気負い過ぎ、もう少し冷静になったら?」


「良くそんな事を言ってられるわね! 今、あの建物内ではやばいことが行われているかもしれないのよ!」


「そんなこと言ったって、私達は合図があるまでは何もすることができない。つまりは行動を起こすなって言われているようなもの……」


「二葉はそんな事を言ってられるからいいわよね! 三久の事が心配じゃないの⁉」


「心配だよ。でも、それは仕方がない事。私達三人は、それぞれ違う力をつけてきた。だから、それぞれを尊重しなければならない」
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