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第9章 氷の女王
100 氷の女王Ⅲ
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木刀を二本両手に持ったデミトロフは、二刀流でエミリーに対抗する。
エミリーもまた、右手に木刀、左手には拳銃を持っている。
――――やはり、銃は携帯しているか。
エミリーが、引き金を引いて射撃してくる。
弾道を読み、デミトロフは剣で斬りながら弾を避ける。
一本の剣と二本の剣が重なり合い、両者の間が縮まる。
剣と銃が交差し、激しい戦いが市街地内で起こっている。
観客席では二人が戦う姿を間近で楽しんでおり、生徒どころか教師までも見に来ている。
「これは……面白い。氷の女王と冷徹の錬金術師か……」
近くで見ていた男性教師がフッと、笑う。
「先生、氷の女王と冷徹の錬金術師って何ですか?」
近くにいた生徒が、物珍しそうに訊いてくる。
「ああ、彼らの二つ名だよ。我々教師と一部の生徒の間ではそう呼ばれている」
男は話を続ける。
「氷の女王と呼ばれている彼女、エミリー・ウィリアムは、今戦っている彼の侍女だよ」
「でも、先生。侍女って、女の人の使用人事じゃないんですか?」
女子生徒が疑問に思う。
「ああ。国によって呼び方は同じでも意味が違うという事だ」
「彼女は我が学園内で錬金術・魔法が無ければ最強だ。学問・技術において、彼女に勝てる者はいないだろう。だが、この学園内の話だ」
「どういうことです?」
「彼は学園に入る前から彼女と一緒にいるのだ。癖や戦いにおいての彼女の事については良く知っているだろう」
「でも、それは相手も同じように知っているって事ですよね。噂で聞いたことがあるんですが、彼は一度も彼女に勝ったことが無いとか……」
「そうだ。それだけ彼女が優秀だという事だ。しかし、惜しいな。あんなに才能があって寄りにもよって冷徹の錬金術師の侍女とは……」
男は苦笑いする。
「そして、冷徹の錬金術師の異名を持つジョン・デミトロフは、マリエスト国の東の地方では有名な富豪の息子だ。錬金術の分野において、彼もまた、隠れた才能の持ち主だ。今回はその錬金術を封じての戦いとはいえ。実力は本物だ」
目の前で戦っている二人を見る。
状況は、エミリーの方が少し押しているように見えるが、それをしっかりとデミトロフが木刀で防いでいる。
エミリーもまた、右手に木刀、左手には拳銃を持っている。
――――やはり、銃は携帯しているか。
エミリーが、引き金を引いて射撃してくる。
弾道を読み、デミトロフは剣で斬りながら弾を避ける。
一本の剣と二本の剣が重なり合い、両者の間が縮まる。
剣と銃が交差し、激しい戦いが市街地内で起こっている。
観客席では二人が戦う姿を間近で楽しんでおり、生徒どころか教師までも見に来ている。
「これは……面白い。氷の女王と冷徹の錬金術師か……」
近くで見ていた男性教師がフッと、笑う。
「先生、氷の女王と冷徹の錬金術師って何ですか?」
近くにいた生徒が、物珍しそうに訊いてくる。
「ああ、彼らの二つ名だよ。我々教師と一部の生徒の間ではそう呼ばれている」
男は話を続ける。
「氷の女王と呼ばれている彼女、エミリー・ウィリアムは、今戦っている彼の侍女だよ」
「でも、先生。侍女って、女の人の使用人事じゃないんですか?」
女子生徒が疑問に思う。
「ああ。国によって呼び方は同じでも意味が違うという事だ」
「彼女は我が学園内で錬金術・魔法が無ければ最強だ。学問・技術において、彼女に勝てる者はいないだろう。だが、この学園内の話だ」
「どういうことです?」
「彼は学園に入る前から彼女と一緒にいるのだ。癖や戦いにおいての彼女の事については良く知っているだろう」
「でも、それは相手も同じように知っているって事ですよね。噂で聞いたことがあるんですが、彼は一度も彼女に勝ったことが無いとか……」
「そうだ。それだけ彼女が優秀だという事だ。しかし、惜しいな。あんなに才能があって寄りにもよって冷徹の錬金術師の侍女とは……」
男は苦笑いする。
「そして、冷徹の錬金術師の異名を持つジョン・デミトロフは、マリエスト国の東の地方では有名な富豪の息子だ。錬金術の分野において、彼もまた、隠れた才能の持ち主だ。今回はその錬金術を封じての戦いとはいえ。実力は本物だ」
目の前で戦っている二人を見る。
状況は、エミリーの方が少し押しているように見えるが、それをしっかりとデミトロフが木刀で防いでいる。
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