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第2章
08 私に抱かれてください◇
しおりを挟む「――ペチカ、正気? 今自分が何を言っているかわかってるの?」
「わかってます。私はそこまで馬鹿じゃありません」
「……」
私だってそこまで馬鹿じゃない。もちろん、こんなことを妹に言われたらさすがのお兄様も困惑するだろう。私の気がおかしくなったのかと言いたげな表情で見つめつつも、それが最善だと、苦々しい表情の後、「本気?」ともう一度私に問いかけてきた。
きっと、ディレンジ殿下の作戦は、殿下を最低な男に仕立て上げることだったのだろう。
媚薬で理性を失った殿下が私を無理やり犯すことで婚約破棄させるか、もしくは殿下が見境なくほかの女性を抱いて婚約者がいるのにと騒がれるか……不貞行為に指をさされるように仕向けたかったのだろう。多分、こんなところだ。
しかし、殿下も殿下で自我を保てる強い人間のためそうはいかない。そして、お兄様が早期発見してくれたことで誰にも見つかることなくここまで来ることができた。だが、熱を発散できなければ殿下の精神は崩壊してしまうだろう。媚薬ごときに、殿下の未来をつぶされてたまるかと思ったのだ。だったら、純潔云々を守っている場合ではない。私にしかできないと思ったから。
「私なら大丈夫です。私にしかできないことじゃないですか?」
「けどペチカ……いいの? ゼインが前に無理やり抱こうとして追い払ったそうじゃないか。無理しなくてもいいよ」
「お兄様は優しいです……優しさはうれしいです。でも、私の体よりも、ゼインのほうが大事じゃないですか。彼は、皇太子です。それに、私は彼の婚約者。何も問題ありません」
「そうじゃなくて……はあ。でも、ペチカは言い出したら聞かないしね。わかった。でも、危なくなったら蹴っ飛ばしてでもいいから。さすがに正当防衛で許してくれるはずだよ」
と、お兄様は私の頭をポンと撫でる。その瞬間ふわりと体に何かが付与された。きっと、それは避妊魔法だ。
「ありがとうございます……お兄様。私のわがままを聞いてくれて」
「わがままじゃないよ。ペチカが、それだけゼインのことを大切にしたいって思っている証拠じゃない。いいことだよ。とても」
「……大切に……そう、ですね」
心配してくれるのはうれしいことだし、お兄様が私の体のことを気遣ってくれる……それだけでもありがたかった。
お兄様は「くれぐれも無理しないように」と声をかけ、静かに扉を閉めた。
部屋の中に静寂が訪れ、暗闇の中でも光る彼のまばゆい黄金に私は目を細める。
「ゼイン……」
「……っ、ペチカ、なぜ……?」
「お兄様には出て行ってもらいました」
「ハッ……あの、イグニスが…………くそ。出ていけ、ペチカ・アジェリット。貴様の存在は不要だ」
「……一人じゃどうしようもなくせに」
強がりか、私を逃すためか、傷つけないためか。どちらでもよかった。
荒い息は静かな部屋に響いて籠る。彼の体から放たれる熱気は私を包み込み、甘ったるいにおいが鼻腔を通り抜けていく。
そういう知識がないわけではないし、これから行うことは、本来ならば愛しいものとの行為であり、子をなすための夫婦の行為……私と殿下は婚約者という関係だけど、でもゆくゆくはそうなるのであれば、何の問題もない。否、私以外彼に触れることは、彼が私以外に触れることは裏切りなのだ。
「……近づくな、ペチカ・アジェリット!」
「……っ」
また、彼は私の手をひっかく。少し伸びた爪が私の皮膚に食い込んで傷をつける。先ほどはそれに対し、謝罪を述べたが、すでに殿下の息は上がっており、私の心配どころじゃなくなっていたのだ。
けれど残った理性が、私を傷つけまいと、出て行けという。
こんな時まで気遣ってもらって、私は彼に大切にされているのだと自覚し胸がいっぱいになる。そんな彼にしてあげられることが、こんなことで、申し訳ないような気もして……もし、仮に彼が本当に一目ぼれなどではなくて、好きな人ができたら……その未来を奪ってしまうような可能性もあるわけで。
(ううん、もうそんなことは考えないで……)
「失礼します……」
私は断りを入れてから、ベッドに上がり、殿下の服を脱がした。殿下はくっ、と触れるだけでも体を震わせ、熱のこもった瞳で私を見てきた。
「ペチカ……何をする、気だ」
「わかっているでしょ? このまま、熱が籠れば、貴方は発狂死するでしょう。だから、今からその熱を発散させるんです。貴方が、以前私にしようとした行為ですよ」
「なっ、やめろ!」
と、殿下は私の肩を掴んだ。
熱い手が私の両肩を掴む。みしっ、と肩の骨が鳴り、皮膚に爪が食い込む。殿下の目は見開かれており、瞳孔が激しく揺れている。それは期待か、絶望か。殿下は首を横に振って、それからひどく眉をひそめて私を睨みつけた。
「俺は、貴様を抱く気はない。貴様に興味などない」
「遠ざけようとしてくれているのはわかりますが、だったら誰が貴方の相手をするというのですか」
「誰もいい……俺に触れるな。一人でどうにかできる……」
「……」
「貴様を……ペチカを、こんな状態で抱きたくない。くそっ、俺の失態なんだ。見るな」
――大切にしたいんだ……
殿下はそう言ってうつむいてしまった。ぺたんと汗でしおれた黄金の髪はいつもの威勢を失っていて弱弱しい。弱音を吐こうにも、彼のプライドが許さず、助けてくれとも言えないのだろう。その姿は、威厳を保とうとする姿は皇太子としての彼だと私は思う。けれど、そうはいっていられないのだ。
私は殿下の頬にそっと触れ、彼の顔を上げさせた。少し重くて、頑なに顔を上げようとしない彼の顔を持ち上げることは難しかった。しかし、私の冷たい掌にすり寄るように殿下は何度も目を閉じては耐えるように私に目で訴えかけてくる。
「ごめんなさい、ゼイン。嫌いになってもいいから……」
「ペチカ……っ!?」
ぶつかるように自分の唇を殿下に押し付ける。殿下はそれに驚いて私の肩から手を放し、今度は私を引きはがそうとするが、息をするために口を開いた殿下の口内に舌を潜り込ませ、彼の舌を吸い取るように私は自分の舌を絡めた。
「んっ」
殿下の鼻息が私の頬を掠める。舌を吸い、嚙みつかれそうになるのをなだめすかし、私は殿下の舌を己の舌でなで上げた。汗の味も気にならないほど、私は殿下の熱を少しでも発散させようとつたないキスを繰り返す。すると殿下の手はぷらんと下に下がり、私の舌にこたえるように動かしてきたのだ。熱は発散されるどころか、私にまで移ってしまったような感覚になる。
「……っは……おい!」
「……はっ、あ……これでも、まだやる気になりませんか?」
「……くそっ……やらない。抱く気はない」
「そうですか。だったら――」
お兄様に教わった拘束魔法がこんなところで効くとは思わなかった。もちろん、この暴君を長時間拘束などできるとは思っていないが黙らせるくらいの時間は稼げるだろう。
手を頭の上で縛り上げられた殿下は、屈辱に顔をゆがめ、私を再度にらみつけた。しかし、紅潮した顔でにらみつけられても、恥ずかしいことをされる見るな、みたいなふうにしか取れず怖くなんてちっともない。口の端から先ほど流し込めなかった唾液が流れているのが艶めかしく、すでに上半身ははだけている。そして、白いズボンを押し上げるように主張したそれは早くも熱を放出したいと張り上げていた。
私は、殿下の上に乗っかり、ドレスをつまんで見せる。
「屈辱でしょうけど、ゼイン……今は黙って私に抱かれてください」
私のその言葉に殿下は顔を真っ赤にした。この間の胸をいきなり揉ませた時と同じような、驚きと困惑、期待の混じった表情を二度も見ることになるとは私も思わなかった。
私は、殿下の傷跡の残る上半身を指でなぞりながら、ゆっくりと下におろし、慣れた手つきでベルトを外す。いつも男装をしているからベルトくらいは簡単に外せるのだが、他人のともなると少し時間がかかってしまった。そして、ベルトを外し、下着があらわになるころには、下着を押し上げたそれの中心はすでによだれを垂らしており、色が変色していた。
耐えてはいるのだろうけれど、生理的なもので、ツンとつつけば糸を引く。
「ゼインも、期待していたんでしょ?」
「していない!」
「どうせ、私を抱く想像をしていたに違いないです。だって、一目惚れしてくれたんでしょ? 私に……それも、胸がもみたいっていうくらいには」
「う、うるさい!」
図星か……顔を真っ赤にして否定するから本当にしか聞こえなかった。
恥ずかしいような、いや、恥ずかしさ以外何もない。あの殿下が私を抱くことを想像して? ないない、と言いたいのに、胸がきゅぅうっと締め付けられるような何とも言えない気持ちになるのだ。私は、そんなことを考えながら、殿下の下着を剥ぎ取って、現れたグロテスクなそれにひっ、と声を漏らしてしまった。
実物は初めて見るので、男性のそれがそんなふうになっているとは思わなかったのだ。まるで凶器、槍のようだった。
「もういいだろ、その辺にしろ……ペチカ」
「いえ! 優しくしますから!」
そうではない! と殿下は苦言を呈するが、私はお構いなしに、殿下のその凶悪なそれに触ってみる。ごつごつとしていて硬いそれは血管が浮き上がっており、ぬるぬるとした透明の液を出して私の手を汚していく。指先で先端の方をつつくと腰が少し引けてしまう。それとともに、また透明な液体が流れてきた。
(これ、気持ちいいってことよね?)
私は恐る恐るそれを口に含む。しょっぱいような苦いような味が口の中に広がり、思わず歯を立てそうになるが、次の瞬間口に含んでいた殿下のそれが私の中ではじけた。
「きゃあっ」
「……くっ、ペチカ。すま……くそ」
口の中に広がったのは、先ほどとは比べ物にならないくらいの苦さ。腐った生もののような味が舌の上に広がり、途中で顔を放した分はすべて顔面にかかってしまった。あんなに勢いよく飛び出すなんて聞いてない。
頭がぐわんぐわんと回りながらも、どうにか正気を保つために、べたべたになった顔をふく。それから、もう一度殿下を見下ろせば、殺せ、とつぶやきながら目を閉じている。殿下からしたらこれは拷問と同じなのかもしれない。だが、殿下のそれは、熱を放ったはずなのに、再び直立しており、主張するそれは私に向かって伸びている。私はごくりとつばを飲み込んで、もう次に行ってしまおうと考えた。こんなふうにちんたらやっていたら夜が明けてしまう。それに、この拘束がいつまで彼を縛り続けられるかもわからない。
私は、自身の下着を剥ぎ取り、ドレスを脱ぎ捨てた。脱ぐ必要性は感じなかったが、私も暑くなってきて、ドレスでは動きにくいと感じたからだ。
そうして再び殿下の上にまたがって、殿下のそれを自分の秘所に宛がう。ぬちゅ、と粘着質な音が響くが、誰の侵入も許していないそこは解れているはずもなく、固い。しかし、そんなことをしている暇もないと、勢いで私はぐっと殿下の先端を押し込む。ぐぐ、と飲み込んではくれるが侵入を拒むように中が狭まりうまく入らない。ただ痛みだけが広がっていって、苦痛に顔がゆがむ。
「ペチカ……もうよせ」
「いえ、やめません。何度やめろと言われても私はやめませんから……黙って抱かれてください」
「……正気か!? 貴様は飲んでいないだろう!?」
「い……から、黙って、黙ってください!」
ええい! と、私は痛みに耐えながら腰を落とす。ずぷんと殿下の長く太いそれを飲み込み、痛みとともにやってきた快楽が私の体を駆け抜けていく。今まで感じたことのない、暴力的な快感に私は息ができずに、殿下の胸に倒れこむ。
「はっ……ひゅっ……あっ、あぁっ」
「ぺ、ペチカ! おい、ペチカ! 返事をしろ! くそ、この拘束がっ!」
(な、に……これ、痛い、痛い、痛い……なのに、奥、に当たった時、すごく、きも……ち……)
感じたことのない感覚に体がついていかない。呼吸の仕方も忘れてしまいそうに、うまく息ができないし、それにもう腰を動かすこともできない。殿下の胸に倒れこんでしまった私は、しばらく動けなかった。殿下は、拘束をほどけ! と怒っているが、その声も遠くに聞こえるくらいには、意識が遠のいていた。じくじくとした痛みはそこにある。そして、まだ殿下の熱は私の中にある。このままじゃいけないと、私は奮い立たせ、殿下の腹に手をつきながら体を起こした。
「もう、やめろ。貴様を傷つけたいわけじゃない。抜け、今すぐ抜け! これは、皇太子命令だ!」
「き、きません……から。私は、今、貴方の……騎士じゃないの……で……だから、黙って、ください。抱かれてください。私に」
「まだいうか!」
「私だって、貴方を満足させることくらい……できます!」
ずるっと、腰を上げれば彼の熱が私の内部を擦る。そのたび、ひきつるような痛みとともにちょっとした快感が走り、背筋が伸びる。腰に重みをつけられたような感覚に奥歯をかみしめつつ、私はゆっくりとまた腰を落とす。すると、じゅぶんと水音が響き、上で殿下がくっ、と声を漏らす。
(できる、私ならできるから!)
痛みはまだあるが、なんとなくつかめてきた。こんな上下運動に何の意味があるのかわからないけれど、とにかく、こうやって彼の熱棒を私の中で擦ればいいのだと。要領を得て、私は腰を上下に動かす。結合部からはじゅぷ、ぶちゅ、と生々しい音が鳴り、それに羞恥心が刺激されるがそれもじきになくなった。
「はぁっ……あ、あん」
「くっ、……うっ……!」
甘い声を漏らす殿下だが、口は堅いようで一言も発しなかった。口の端から赤いものが垂れているような気もしたが、それをぬぐってあげられるような余裕はなかった。そうして、徐々に彼の熱がはじけんばかりに膨らんでいき、何度目かの上下運動の後、彼は私の中ではじけた。
「くぅっ……」
「んんっ!」
先ほど口で受け止めたときよりも熱い飛沫が中ではじける。おなかの中に広がっていく熱にやけどしそうになりながら、私はその瞬間ぷつんと糸が切れたように、彼の胸へ倒れこむ。そして、最後の一滴まで注がんと彼の体が震えた。その微々たる振動にも私の体はぴくんとはねてしまう。
「ぺ、ちか……」
彼の熱が再び私の中で大きく膨らんだのは気のせいだと、薄れゆく意識の中で思いながら目を閉じた。
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