14 / 61
14 聖女たちと森の中で
しおりを挟む
森の中で聖女たちの姿を目にする。魔狼の群れと戦っているようだ。
いや、厳密にはまだ戦ってはないか。誰が先頭で戦うのかを譲り合っている状況だ。
聖女様は後方に控えていて、その他の女子2人は何をやっているのか良く分からない。
魔狼の数は…… 9体かな。
あっ、ごたごたしている間に女子が1人噛まれた。ギャオが怒られてる。もめだした。
もめている間に今度はギャオが噛まれた。シオエラルはうろたえて動きが止まった。聖女様激怒。皆の戦い方がいかにダメかを力説し始めている。
「たかが魔狼相手に何をやっているのよ、あんたたちっ! 少しぐらい数が多くたって気合で倒せるでしょう? さっさと突撃なさい!」
「エルリカッ、そうは言うけどよ、なんだか今までより1体1体も強いんだよ」
「いいからイケーー」
さて、そんな彼らだったが1人1人の実力はそこまで悪くないようで、しかも装備やアイテムも上等で豊富そうだ。
聖女さんチームは険悪な雰囲気になりながら、苦戦をしながらもなんとか戦いきったようだ。
しかし、すぐにまた新しい魔狼の群れがきて戦いになった。さすがに危険な森だと言われるだけあって、魔物の密度は高いようだ。
「ハァハァハァ」「ヒィヒャァフウ」
すでに満身創痍で息が上がっている。帰ったほうが良さそうだが。
「あら……? わぁ~、ねぇ、みんな!!」
2度目の戦いが終わるや否や、聖女様は大きな声をあげていた。
「どうしたんだい? エルリカ? ずいぶんと嬉しそうだけど」
シオエラルが爽やかスマイルを取り戻してそちらに駆け寄ると、残りのメンバーもそちらへ集まる。
「私ね、中位回復魔法を覚えたみたいなの!」
「「「 おおおお! 」」」
「う、うん、すごいよエルリカ。さすが聖女様!!」
「そ、そうだね!! 15歳でハイヒールまで覚えるなんて聞いたことないものね!」
「ヒャッハー 、すっげぇな。やっぱりエルリカは聖女様だぜ」
ボロボロになりながらも、やんややんやと大きな声で騒ぎ始める彼ら。
その凄まじいはしゃぎぶりに、俺はちょっぴり不安を覚える。
なにせ、まだあちこちに魔物の気配があるのだ。
「エフィルア様、あの、ちょっと……」
普段は呑気なトカマル君でさえ心配そうな顔をした。
彼は俺よりも感覚が鋭い。この付近にいた魔物達が、こちらにいっせいに意識を向け始めるたのを感じたらしい。
どうしたものか。ほうっておいて逃げてしまうのが賢明な判断ではあるだろうが……
「おい、ちょっとお前ら危ないぞ。魔物が沢山こっちへ・」
ついうっかり俺は聖女たちに声をかけていた。どうせ彼らは俺の手助けなんぞ求めていないのだろうが。
「ああん? なんだぁ? チッ! 闇野郎じゃねぇかよ」
「んんん? なに? 私たちの事を覗いてたのコイツ?」
「えっ? 危ないって言った? え? もしかして私達に偉そうに忠告してくれたってわけ?! 言われなくても分かってるわよそんな事!! 魔物の住む森なんだから魔物はいるわよ! 危ないに決まってるでしょう?! バカじゃないの?!」
あまりの反応にビックリしてしまう俺。トカマル君もポカンとしている。
忠告は無駄かもしれないとは思っていたが、予想をはるかに超えてブチキレル聖女様だった。御付のギャオ達も拍車をかけて追随する。
森の奥には魔物の冷たく残忍な目が光り、その数を増やしていく。
まあ、そんなわけで、少しきびしめの戦いが始まる事になった……
これまでにも増して次々に集まって来る魔狼や角ウサギ。それから錯乱した豚の魔物も数体現れた。2本の足で歩き回り、手には棍棒。ゴリラを太らせたような巨体が襲い掛かってくる。
迫りくる魔物達の様子を見て、俺のせいだとさらに喚き散らす聖女様たち。
「とにかく森の外へ逃げるぞ!」
そう声をかけて俺とトカマル君も逃げ出した。森の外へ向けて。
いっぽうの聖女さんチームは、まるきり反対の方向へ逃げ出した。
あれ? そっちじゃないが?
「お前なんかと共闘できるかっ」
走り去る彼らの後姿。そんな声だけが聞こえてきていた。
大丈夫かよと思っていると、大丈夫ではなかったようで、聖女様御一行は駆けて行った道をそのまま戻ってきた。
しかし彼女らは森の奥に進んだ結果、さらに大量の魔物を呼び寄せて帰ってきたらしい。うしろに大量の魔物をズラズラと引き連れて戻って来たのだった。
「くそったれーーー、どうなってんだよ。ここまで魔物が多いってのはおかしいだろがよーー。なんだかやたら強えーしよーー」
「煩いのよ雑魚男。喋ってないでアンタ何とかしないさいよ。守るんでしょう私を!」
聖女は隣にいたギャオを蹴り飛ばし、魔物の追いかけてくるほうに転がした。
「ムリムリムリ。無理だから。いや、これはムリムリムリ ムリムリムリ」
俺はとりあえず、群れを成して飛びかかってくる数十匹の魔狼たちを必死で叩き落としていた。とても角ウサギ達までは手が回らない。
角ウサギ達はスピードこそ速いが、突かれても大きな傷にはならないから無視することにした。
結果、ツンツンに突っつかれる。痛いには痛いね。
しかしこの程度なら耐え切れる。
俺って頑丈だし、多少の傷を負ってもみるみる治っていくし。
聖女達5人は悪戦苦闘しながらもなんとか森の外に向かって動けている。
なんとかなるか? そう思い始めた矢先。
視界の端に、森の奥からひときわ大きな影が迫って来ているのが見えた。
森の浅い場所には出現しないはずの木の魔物、レッサートレントだった。
しかも1体や2体という数ではない。
おい、ヤル気出しすぎだぞ。多すぎるぞ。
しかもな、オークもトレントも足速くない?
なんでその巨体で足まで速いのだ。
俺なんて、頑丈なだけで足は遅いのだから、そこらへんを少し考えて欲しいところだ。
「エフィルア様!」
「ああトカマル君。聖女たちのほうへ行っててくれ。俺は後ろから付いて行くから。これくらい余裕だから」
「もう、なにを言ってるんですかね。僕が最後尾で戦いますから、エフィルア様こそ先に行ってくださいよ、足遅いんですから。それに、僕もう強いんですからねっ」
そんなかわいい事を言うトカマル君。素早い動きでオークの一団に向かってゆき、小剣で敵を切り刻んだ。しかし、その背後からも次々とレッサートレントは迫り来る。
見上げるような巨木だ。 レッサーという名称がついているくせに、その巨体は十分に巨大だ。
太い木の根のような足をワシャワシャと動かして近寄ってくる。太い枝を腕のように振り回し、打ち付けて、周囲をまとめて破壊する。
無数の枝が、魔狼も角兎もオークも巻き込みながらこちらに叩きつけられる。
あっはー、これはちょっと避けられそうにないんですけど。当然のように直撃してしまう。はい、肋骨が逝ってしまった感触ありました。
しかし、俺の身体は丈夫だった。思っていた以上に丈夫だった。
踏ん張っている間に骨折も傷も癒えてゆく。
もちろんいくら治りが早いとはいえ、痛いことは痛いのだけれどね。
しかしあれだね、こんな状況で…… こうして繰り帰し強烈な攻撃をしのいでいるとっ、むしろっ、なんだかっ?! 次第に気分が高揚してきたな。
逆境燃えしてきたね。
アドレナリンが出ちゃうと申しますか。
こうなればもう、やってやろうじゃあないかよというような、そんな気分である。 おら、まとめてかかって来い。皆殺しだ。そんな感じである。
そこからはもう伐採祭りだった。倒れて行く巨木、ぶちのめされる俺。
俺も手ひどくやられたが、まだ死ぬほどではない。幸いな事にトカマル君はスピードが速いから、深刻なダメージは負っていないようだ。
死闘は続き、徐々になぎ倒されていく巨木たち。豚声の阿鼻叫喚がプギィヒィィッと森の梢に木霊する。大混乱の中、魔狼も角兎も一緒に吹き飛ばされていく。
トカマル君は主に狼&兎&豚をスピーディーに潰してまわってくれていて、俺はレッサートレントの対応に集中できていた。魔物たちは基本的に異種族同士では連携してこない。戦いを続けながら、そういった全体の動きも見えてくる。戦いは次第に楽になっていった。
そうして森の外を目指しているうちに、気がつけば周囲は再び静けさを取り戻していた。
レッサートレント×12
オーク×18
魔狼×53
角兎×37
大漁だな。気がつけば大収穫だった。
必死だったので、倒した全ての魔物をインベントリに収納できたわけではないけれど、それでも凄い量だと思う。
流石に疲れたけれどね。これは少しばかり無理をしてしまったかもしれない。
「ぅ~ 大丈夫ですかエフィルア様?」
トカマル君が心配そうに俺の顔を覗き込む。
俺の身体は、シューシューと煙と音を上げて傷を修復している最中だ。
とりあえず森を出よう。
流石に傷の治りも遅くなってきているし、疲れたし。妙に気分は高揚しているし。
「フィ~~。大変な目に会った」
「エフィルア様、傷がまだまだ残っちゃってますね。ほんとうに大丈夫ですか?」
トカマル君は心配性だった。大丈夫大丈夫、俺は頑丈だから。
もう森の切れ目はすぐそこ。
明るい方へと歩いてゆき、俺達は無事に森の外へと辿り着く事に成功した。
そして、そこには聖女さんチームが待っていた。
彼女らも無事に逃げおおせたようだ。森を出てすぐの場所でへたり込んでいる。
いや、厳密にはまだ戦ってはないか。誰が先頭で戦うのかを譲り合っている状況だ。
聖女様は後方に控えていて、その他の女子2人は何をやっているのか良く分からない。
魔狼の数は…… 9体かな。
あっ、ごたごたしている間に女子が1人噛まれた。ギャオが怒られてる。もめだした。
もめている間に今度はギャオが噛まれた。シオエラルはうろたえて動きが止まった。聖女様激怒。皆の戦い方がいかにダメかを力説し始めている。
「たかが魔狼相手に何をやっているのよ、あんたたちっ! 少しぐらい数が多くたって気合で倒せるでしょう? さっさと突撃なさい!」
「エルリカッ、そうは言うけどよ、なんだか今までより1体1体も強いんだよ」
「いいからイケーー」
さて、そんな彼らだったが1人1人の実力はそこまで悪くないようで、しかも装備やアイテムも上等で豊富そうだ。
聖女さんチームは険悪な雰囲気になりながら、苦戦をしながらもなんとか戦いきったようだ。
しかし、すぐにまた新しい魔狼の群れがきて戦いになった。さすがに危険な森だと言われるだけあって、魔物の密度は高いようだ。
「ハァハァハァ」「ヒィヒャァフウ」
すでに満身創痍で息が上がっている。帰ったほうが良さそうだが。
「あら……? わぁ~、ねぇ、みんな!!」
2度目の戦いが終わるや否や、聖女様は大きな声をあげていた。
「どうしたんだい? エルリカ? ずいぶんと嬉しそうだけど」
シオエラルが爽やかスマイルを取り戻してそちらに駆け寄ると、残りのメンバーもそちらへ集まる。
「私ね、中位回復魔法を覚えたみたいなの!」
「「「 おおおお! 」」」
「う、うん、すごいよエルリカ。さすが聖女様!!」
「そ、そうだね!! 15歳でハイヒールまで覚えるなんて聞いたことないものね!」
「ヒャッハー 、すっげぇな。やっぱりエルリカは聖女様だぜ」
ボロボロになりながらも、やんややんやと大きな声で騒ぎ始める彼ら。
その凄まじいはしゃぎぶりに、俺はちょっぴり不安を覚える。
なにせ、まだあちこちに魔物の気配があるのだ。
「エフィルア様、あの、ちょっと……」
普段は呑気なトカマル君でさえ心配そうな顔をした。
彼は俺よりも感覚が鋭い。この付近にいた魔物達が、こちらにいっせいに意識を向け始めるたのを感じたらしい。
どうしたものか。ほうっておいて逃げてしまうのが賢明な判断ではあるだろうが……
「おい、ちょっとお前ら危ないぞ。魔物が沢山こっちへ・」
ついうっかり俺は聖女たちに声をかけていた。どうせ彼らは俺の手助けなんぞ求めていないのだろうが。
「ああん? なんだぁ? チッ! 闇野郎じゃねぇかよ」
「んんん? なに? 私たちの事を覗いてたのコイツ?」
「えっ? 危ないって言った? え? もしかして私達に偉そうに忠告してくれたってわけ?! 言われなくても分かってるわよそんな事!! 魔物の住む森なんだから魔物はいるわよ! 危ないに決まってるでしょう?! バカじゃないの?!」
あまりの反応にビックリしてしまう俺。トカマル君もポカンとしている。
忠告は無駄かもしれないとは思っていたが、予想をはるかに超えてブチキレル聖女様だった。御付のギャオ達も拍車をかけて追随する。
森の奥には魔物の冷たく残忍な目が光り、その数を増やしていく。
まあ、そんなわけで、少しきびしめの戦いが始まる事になった……
これまでにも増して次々に集まって来る魔狼や角ウサギ。それから錯乱した豚の魔物も数体現れた。2本の足で歩き回り、手には棍棒。ゴリラを太らせたような巨体が襲い掛かってくる。
迫りくる魔物達の様子を見て、俺のせいだとさらに喚き散らす聖女様たち。
「とにかく森の外へ逃げるぞ!」
そう声をかけて俺とトカマル君も逃げ出した。森の外へ向けて。
いっぽうの聖女さんチームは、まるきり反対の方向へ逃げ出した。
あれ? そっちじゃないが?
「お前なんかと共闘できるかっ」
走り去る彼らの後姿。そんな声だけが聞こえてきていた。
大丈夫かよと思っていると、大丈夫ではなかったようで、聖女様御一行は駆けて行った道をそのまま戻ってきた。
しかし彼女らは森の奥に進んだ結果、さらに大量の魔物を呼び寄せて帰ってきたらしい。うしろに大量の魔物をズラズラと引き連れて戻って来たのだった。
「くそったれーーー、どうなってんだよ。ここまで魔物が多いってのはおかしいだろがよーー。なんだかやたら強えーしよーー」
「煩いのよ雑魚男。喋ってないでアンタ何とかしないさいよ。守るんでしょう私を!」
聖女は隣にいたギャオを蹴り飛ばし、魔物の追いかけてくるほうに転がした。
「ムリムリムリ。無理だから。いや、これはムリムリムリ ムリムリムリ」
俺はとりあえず、群れを成して飛びかかってくる数十匹の魔狼たちを必死で叩き落としていた。とても角ウサギ達までは手が回らない。
角ウサギ達はスピードこそ速いが、突かれても大きな傷にはならないから無視することにした。
結果、ツンツンに突っつかれる。痛いには痛いね。
しかしこの程度なら耐え切れる。
俺って頑丈だし、多少の傷を負ってもみるみる治っていくし。
聖女達5人は悪戦苦闘しながらもなんとか森の外に向かって動けている。
なんとかなるか? そう思い始めた矢先。
視界の端に、森の奥からひときわ大きな影が迫って来ているのが見えた。
森の浅い場所には出現しないはずの木の魔物、レッサートレントだった。
しかも1体や2体という数ではない。
おい、ヤル気出しすぎだぞ。多すぎるぞ。
しかもな、オークもトレントも足速くない?
なんでその巨体で足まで速いのだ。
俺なんて、頑丈なだけで足は遅いのだから、そこらへんを少し考えて欲しいところだ。
「エフィルア様!」
「ああトカマル君。聖女たちのほうへ行っててくれ。俺は後ろから付いて行くから。これくらい余裕だから」
「もう、なにを言ってるんですかね。僕が最後尾で戦いますから、エフィルア様こそ先に行ってくださいよ、足遅いんですから。それに、僕もう強いんですからねっ」
そんなかわいい事を言うトカマル君。素早い動きでオークの一団に向かってゆき、小剣で敵を切り刻んだ。しかし、その背後からも次々とレッサートレントは迫り来る。
見上げるような巨木だ。 レッサーという名称がついているくせに、その巨体は十分に巨大だ。
太い木の根のような足をワシャワシャと動かして近寄ってくる。太い枝を腕のように振り回し、打ち付けて、周囲をまとめて破壊する。
無数の枝が、魔狼も角兎もオークも巻き込みながらこちらに叩きつけられる。
あっはー、これはちょっと避けられそうにないんですけど。当然のように直撃してしまう。はい、肋骨が逝ってしまった感触ありました。
しかし、俺の身体は丈夫だった。思っていた以上に丈夫だった。
踏ん張っている間に骨折も傷も癒えてゆく。
もちろんいくら治りが早いとはいえ、痛いことは痛いのだけれどね。
しかしあれだね、こんな状況で…… こうして繰り帰し強烈な攻撃をしのいでいるとっ、むしろっ、なんだかっ?! 次第に気分が高揚してきたな。
逆境燃えしてきたね。
アドレナリンが出ちゃうと申しますか。
こうなればもう、やってやろうじゃあないかよというような、そんな気分である。 おら、まとめてかかって来い。皆殺しだ。そんな感じである。
そこからはもう伐採祭りだった。倒れて行く巨木、ぶちのめされる俺。
俺も手ひどくやられたが、まだ死ぬほどではない。幸いな事にトカマル君はスピードが速いから、深刻なダメージは負っていないようだ。
死闘は続き、徐々になぎ倒されていく巨木たち。豚声の阿鼻叫喚がプギィヒィィッと森の梢に木霊する。大混乱の中、魔狼も角兎も一緒に吹き飛ばされていく。
トカマル君は主に狼&兎&豚をスピーディーに潰してまわってくれていて、俺はレッサートレントの対応に集中できていた。魔物たちは基本的に異種族同士では連携してこない。戦いを続けながら、そういった全体の動きも見えてくる。戦いは次第に楽になっていった。
そうして森の外を目指しているうちに、気がつけば周囲は再び静けさを取り戻していた。
レッサートレント×12
オーク×18
魔狼×53
角兎×37
大漁だな。気がつけば大収穫だった。
必死だったので、倒した全ての魔物をインベントリに収納できたわけではないけれど、それでも凄い量だと思う。
流石に疲れたけれどね。これは少しばかり無理をしてしまったかもしれない。
「ぅ~ 大丈夫ですかエフィルア様?」
トカマル君が心配そうに俺の顔を覗き込む。
俺の身体は、シューシューと煙と音を上げて傷を修復している最中だ。
とりあえず森を出よう。
流石に傷の治りも遅くなってきているし、疲れたし。妙に気分は高揚しているし。
「フィ~~。大変な目に会った」
「エフィルア様、傷がまだまだ残っちゃってますね。ほんとうに大丈夫ですか?」
トカマル君は心配性だった。大丈夫大丈夫、俺は頑丈だから。
もう森の切れ目はすぐそこ。
明るい方へと歩いてゆき、俺達は無事に森の外へと辿り着く事に成功した。
そして、そこには聖女さんチームが待っていた。
彼女らも無事に逃げおおせたようだ。森を出てすぐの場所でへたり込んでいる。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる