アナタには奥さんがいるのに…

じう

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不倫の始まり

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そう言われて仕方なく頷くとフッと安心した様に笑う。その日はそのまま帰るつもりだった。だけど何故だか手を引かれて朝起きるとホテルにいた。慌てた様子の私を見てクスリと笑うハルト。『…笑 大丈夫?』「…や、あの…私…すみませんっ、」



そう言って急いで帰ろうとすると腕を引かれる。「…きゃっ」それと同時にどさりとベッドに縫い付けられ見上げればハルトの綺麗な顔。「…、先輩…」『…ハルトって呼んでよ』「…」『ほら、早く』「……ハルト………んぅっ、」そう言うと強引に唇が重ねられた。


そこから私たちの不倫関係が始まった。最初は好きじゃなかった。体目当てだってわかってたし、まだ彼氏と付き合ってたから。だけど会う度会う度に、愛を囁かれて体を重ねると自然と好きになってた。だから彼氏に別れを告げ私の気持ちはハルトだけに捧げた


だけど本気になるつもりなんてない。今だけ。今だけだもん、少しだけ楽しんだっていいじゃん、一度きりの人生なんだから。そうやって軽く考えたのが間違いだった。

『俺、本気でみおの事が好きだから』
そう言われたら私の心が緩んでしまう。


そう思うと私にとって邪魔な存在はハルトの奥さんだった。最初の方は私の悪戯心でよく話題に出していたハルトの奥さん。「ねえ、奥さんのどこが好きなの?」『…何?ヤキモチ?』「…かもね、」

奥さんはいいなぁ、毎日ハルトに会って一緒に暮らして同じ布団に寝れて…ずるいなぁ…



いつからか欲張りになってた。顔も見た事のない奥さんの姿を想像して悔しくてストレスが溜まっていった。

だけどその苛立ちを収めてくれるのはハルトだった。ハルトはいつだって私を愛してくれる。見てくれる。"お前が1番好き。"


口先だけかもしれないけどそれで良かった。
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