11 / 67
§ 悪魔降臨
04
しおりを挟む
仕事を終え、客先の人と夕飯を食べると小夜に連絡を入れ、指定された店へと出向いた。
オフィスに程近いその店の外観は、小洒落た東南アジア風居酒屋。一歩足を踏み入れるとほの暗い店内にはグロテスクなお面や土偶などの風変わりな調度品が飾られ、柔らかい光を放つ、ぼんぼりのようなシーリングライトと間接照明が、それらを照らしている、まるで異空間に迷い込んだような、不思議な雰囲気の店だった。
彼は、まだ来ていない。予約の名前を告げ、案内された半個室のテーブル席に着く。日没も過ぎ、夜の帳が下りたガラス窓の外には、街灯に照らされた街路樹と、帰宅を急いでいるのだろうか、足早に行き交う人々の姿がある。
私と彼の関係は、あの日、一日限りのもの。
彼がなにを考えているのかはわからないが、自分の気持ちは明確だ。それだけは、きちんと伝える必要がある。ただ、仕事の付き合いを考慮すれば、やはり慎重に言葉を選ばなければならないだろう。
憂鬱な会話を想像しつつ、暗がりの中、キラキラと輝く水のグラスを両手で弄び彼を待つ。
二十分ほどの後、やっと彼が来た。走ってきたのだろうか。肩で息をしている。
「待たせたね。帰りがけに上司に呼び止められてしまって、抜けられなかったんだ」
座席に鞄を放り出し、疲れた様子で、ネクタイを緩めた。
「あの……」
嫌な話はさっさと終わらせてしまうに限る。
「お腹空いているだろう? 先に一通り注文してしまおう」
メニューを開いて私に手渡し、テーブルにあるベルを鳴らして店員を呼ぶ彼の流れるような動作に戸惑う。口を挟む隙がまったく無い。
「よぉ! 亮! 久しぶり」
声をかけてきたのは、白いシャツに黒いカフェエプロンを着けた、スキンヘッドの男性。松本亮は、この店の常連なのだろうか。やけに親しげだ。
「相変わらず残業続きで参るよ。おまえはどうだ?」
「俺? 店はあるし、仕事も入ってくるしで、遊ぶ暇もねーよ。そんなことよりおまえ、女連れなんて初めてじゃん? 誰? 彼女?」
「ああ。俺の女」
あんたの女なんかじゃない! と否定する間もなく、やったね! ヒューヒューと口笛を吹かれた。松本亮はにやりと悪い笑みを浮かべ、私を見ている。悔しい。
「へへっ。ねえ、彼女さん、名前なんて言うの?」
帰りたい。スキンヘッドから向けられている、好奇の視線が痛い。
「……かわ、河原瑞稀です」
「瑞稀ちゃん、かぁ。へぇ、かわいい名前だね。ねえ、瑞稀ちゃんは、なに食べたい? 飲み物はなににする? こっちのおにーさんの奢りだから遠慮せずにどんどん注文していいよー」
なんとテンションの高い人だろう。いい歳の女をちゃん付けで呼ぶなんて。
「そうだな、とりあえず、今日のお勧めを三、四品見繕ってもってこいよ。あとは、成り行きで。飲み物もいつものでいいわ。瑞稀、焼酎はいける?」
今度は呼び捨て。しかも他人の前でときた。
「……大丈夫です。お任せします」
「うん。じゃあ、それで」
「了解! 瑞稀ちゃん、ちょっと待っててね!」
バチン、と、強烈なウインクをされて唖然とした。このノリは——無理。とてもじゃないが、ついて行けない。
「あいつは、関根学。俺の同期だ。ああ見えて本業はセキュリティエンジニアだから」
あの見るからに軽薄そうなスキンヘッドがセキュリティエンジニアとは。人は見かけによらない——まあ、エンジニアならば——ありではある、かな?
「そうなんですか。じゃあ、このお店は?」
「ここ? あいつの店だよ。面白い店だろう? 関根はね、二年くらい前だったかな? 仕事のし過ぎで体壊して休職転業、って、この業界にはよくある話だな」
「ああ、なるほど」
暢気に世間話をしている場合ではないのに。スキンヘッドにすっかり毒気を抜かれてしまった。
「心配はいらないよ。ここは、会社には近いけれど、営業は夜だけだし、目立たないから会社の連中は来ない」
「…………」
聞き耳を立てられる心配事が無いのはありがたい。けれども、いまそれ以上に重要な問題は、私たちの関係を処理すること。けれども、この人の言葉尻から察するに、どうやら一夜の情事を一晩だけで済ますつもりはなさそうで。
もう忘れましょう。言うべきことは、たったそれだけなのに、私は私でなぜ、こんなに緊張してしまうのだろう。
如何にすれば納得してもらえるのかと言葉を選んでいるうちに、スキンヘッドが戻ってきて、次々に料理と酒を並べている。困った。本題に入るタイミングを完全に逸してしまったようだ。
「瑞稀ちゃん、これは、お近づきの印ね。俺の奢りだから、遠慮しないでたくさん食べて!」
さっきは松本亮に奢らせると言っていたのに。
それにしても、この皿数はいったい……。こんなにたくさんの料理は、三、四人でも食べきれない。料理を並べ終わったスキンヘッドも、空いた席に陣取り、酒盛りする気満々な様子。ここまでくるともう完全に予想外の展開だ。
「……ありがとうございます。いただきます」
私は諦めの境地で余所行きの笑みを作り、スキンヘッド——じゃなくて、関根さんにお礼を述べた。
「あれ?」
にこにこと頷いていた関根さんが突然、私の肩をつかんで引き寄せ、顔を覗き込んできた。右から左から、不思議そうに凝視している。不気味だ。
「ねえ、これってどうなってるの? ちょっと触ってみてもいい?」
「え?」
「痣だよ、この痣。ああ、そばかすもだね? すごいな、まるでホンモノみたい。どうやって描くの? ねえ、もっと派手なヤツできる? ゾンビとか吸血鬼とかさ」
驚いた。毎日顔を合わせている会社の同僚ですら気づかないのに。初対面、しかもこんなに仄かな灯りの中で、プロ直伝、渾身の作品がこんなにも簡単に見破られてしまうなんて。
「これは、あの、難しくはないです……」
言葉に詰まる。
「簡単? ホント? 俺にもできる? 教えて欲しいなぁ」
返答に困っているその横で、吹き出すように松本亮が笑っている。
「関根、もういいだろう。引っ込め」
「はぁ? なにケチなこと言っちゃってんの? いいじゃん! ちょっとくらい話させてくれたってさぁ」
関根さんが口を尖らせて文句を言っても、松本亮はまったく動じない。
「邪魔だ消えろ」
「わかったよ。消えればいいんだろ? 消えれば、さ」
松本亮を睨みつけ、俺の飯が、酒が、と、ブツブツ言いながら、関根さんは逃げるように奥へ引っ込んでいった。
「悪いな。騒がしくて」
「いえ」
「食べながら話そうか」
「はい……いただきます」
突如火が消えたような静寂。ぴちっと氷の中の空気が爆ぜる音とともに緊張がぶり返した。
オフィスに程近いその店の外観は、小洒落た東南アジア風居酒屋。一歩足を踏み入れるとほの暗い店内にはグロテスクなお面や土偶などの風変わりな調度品が飾られ、柔らかい光を放つ、ぼんぼりのようなシーリングライトと間接照明が、それらを照らしている、まるで異空間に迷い込んだような、不思議な雰囲気の店だった。
彼は、まだ来ていない。予約の名前を告げ、案内された半個室のテーブル席に着く。日没も過ぎ、夜の帳が下りたガラス窓の外には、街灯に照らされた街路樹と、帰宅を急いでいるのだろうか、足早に行き交う人々の姿がある。
私と彼の関係は、あの日、一日限りのもの。
彼がなにを考えているのかはわからないが、自分の気持ちは明確だ。それだけは、きちんと伝える必要がある。ただ、仕事の付き合いを考慮すれば、やはり慎重に言葉を選ばなければならないだろう。
憂鬱な会話を想像しつつ、暗がりの中、キラキラと輝く水のグラスを両手で弄び彼を待つ。
二十分ほどの後、やっと彼が来た。走ってきたのだろうか。肩で息をしている。
「待たせたね。帰りがけに上司に呼び止められてしまって、抜けられなかったんだ」
座席に鞄を放り出し、疲れた様子で、ネクタイを緩めた。
「あの……」
嫌な話はさっさと終わらせてしまうに限る。
「お腹空いているだろう? 先に一通り注文してしまおう」
メニューを開いて私に手渡し、テーブルにあるベルを鳴らして店員を呼ぶ彼の流れるような動作に戸惑う。口を挟む隙がまったく無い。
「よぉ! 亮! 久しぶり」
声をかけてきたのは、白いシャツに黒いカフェエプロンを着けた、スキンヘッドの男性。松本亮は、この店の常連なのだろうか。やけに親しげだ。
「相変わらず残業続きで参るよ。おまえはどうだ?」
「俺? 店はあるし、仕事も入ってくるしで、遊ぶ暇もねーよ。そんなことよりおまえ、女連れなんて初めてじゃん? 誰? 彼女?」
「ああ。俺の女」
あんたの女なんかじゃない! と否定する間もなく、やったね! ヒューヒューと口笛を吹かれた。松本亮はにやりと悪い笑みを浮かべ、私を見ている。悔しい。
「へへっ。ねえ、彼女さん、名前なんて言うの?」
帰りたい。スキンヘッドから向けられている、好奇の視線が痛い。
「……かわ、河原瑞稀です」
「瑞稀ちゃん、かぁ。へぇ、かわいい名前だね。ねえ、瑞稀ちゃんは、なに食べたい? 飲み物はなににする? こっちのおにーさんの奢りだから遠慮せずにどんどん注文していいよー」
なんとテンションの高い人だろう。いい歳の女をちゃん付けで呼ぶなんて。
「そうだな、とりあえず、今日のお勧めを三、四品見繕ってもってこいよ。あとは、成り行きで。飲み物もいつものでいいわ。瑞稀、焼酎はいける?」
今度は呼び捨て。しかも他人の前でときた。
「……大丈夫です。お任せします」
「うん。じゃあ、それで」
「了解! 瑞稀ちゃん、ちょっと待っててね!」
バチン、と、強烈なウインクをされて唖然とした。このノリは——無理。とてもじゃないが、ついて行けない。
「あいつは、関根学。俺の同期だ。ああ見えて本業はセキュリティエンジニアだから」
あの見るからに軽薄そうなスキンヘッドがセキュリティエンジニアとは。人は見かけによらない——まあ、エンジニアならば——ありではある、かな?
「そうなんですか。じゃあ、このお店は?」
「ここ? あいつの店だよ。面白い店だろう? 関根はね、二年くらい前だったかな? 仕事のし過ぎで体壊して休職転業、って、この業界にはよくある話だな」
「ああ、なるほど」
暢気に世間話をしている場合ではないのに。スキンヘッドにすっかり毒気を抜かれてしまった。
「心配はいらないよ。ここは、会社には近いけれど、営業は夜だけだし、目立たないから会社の連中は来ない」
「…………」
聞き耳を立てられる心配事が無いのはありがたい。けれども、いまそれ以上に重要な問題は、私たちの関係を処理すること。けれども、この人の言葉尻から察するに、どうやら一夜の情事を一晩だけで済ますつもりはなさそうで。
もう忘れましょう。言うべきことは、たったそれだけなのに、私は私でなぜ、こんなに緊張してしまうのだろう。
如何にすれば納得してもらえるのかと言葉を選んでいるうちに、スキンヘッドが戻ってきて、次々に料理と酒を並べている。困った。本題に入るタイミングを完全に逸してしまったようだ。
「瑞稀ちゃん、これは、お近づきの印ね。俺の奢りだから、遠慮しないでたくさん食べて!」
さっきは松本亮に奢らせると言っていたのに。
それにしても、この皿数はいったい……。こんなにたくさんの料理は、三、四人でも食べきれない。料理を並べ終わったスキンヘッドも、空いた席に陣取り、酒盛りする気満々な様子。ここまでくるともう完全に予想外の展開だ。
「……ありがとうございます。いただきます」
私は諦めの境地で余所行きの笑みを作り、スキンヘッド——じゃなくて、関根さんにお礼を述べた。
「あれ?」
にこにこと頷いていた関根さんが突然、私の肩をつかんで引き寄せ、顔を覗き込んできた。右から左から、不思議そうに凝視している。不気味だ。
「ねえ、これってどうなってるの? ちょっと触ってみてもいい?」
「え?」
「痣だよ、この痣。ああ、そばかすもだね? すごいな、まるでホンモノみたい。どうやって描くの? ねえ、もっと派手なヤツできる? ゾンビとか吸血鬼とかさ」
驚いた。毎日顔を合わせている会社の同僚ですら気づかないのに。初対面、しかもこんなに仄かな灯りの中で、プロ直伝、渾身の作品がこんなにも簡単に見破られてしまうなんて。
「これは、あの、難しくはないです……」
言葉に詰まる。
「簡単? ホント? 俺にもできる? 教えて欲しいなぁ」
返答に困っているその横で、吹き出すように松本亮が笑っている。
「関根、もういいだろう。引っ込め」
「はぁ? なにケチなこと言っちゃってんの? いいじゃん! ちょっとくらい話させてくれたってさぁ」
関根さんが口を尖らせて文句を言っても、松本亮はまったく動じない。
「邪魔だ消えろ」
「わかったよ。消えればいいんだろ? 消えれば、さ」
松本亮を睨みつけ、俺の飯が、酒が、と、ブツブツ言いながら、関根さんは逃げるように奥へ引っ込んでいった。
「悪いな。騒がしくて」
「いえ」
「食べながら話そうか」
「はい……いただきます」
突如火が消えたような静寂。ぴちっと氷の中の空気が爆ぜる音とともに緊張がぶり返した。
0
あなたにおすすめの小説
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
極上エリートは溺愛がお好き
藤谷藍
恋愛
(旧題:強引社長とフラチな溺愛関係!? ー密通スキャンダルなんてお断り、ですー)
素顔は物凄く若く見えるベイビーフェイスの杉野紗奈は、メガネをかけて化粧をすると有能秘書に早変わり。いわゆる化粧映えのする顔で会社ではバリバリの仕事人間だが、家ではノンビリドライブが趣味の紗奈。妹の身替りとして出席した飲み会で、取引会社の羽泉に偶然会ってしまい、ドッキリ焦るが、化粧をしてない紗奈に彼は全然気付いてないっ!
ホッとする紗奈だが、次に会社で偶然出会った不愛想の塊の彼から、何故か挨拶されて挙句にデートまで・・・
元彼との経験から強引なイケメンは苦手だった紗奈。でも何故か、羽泉からのグイグイ来るアプローチには嫌悪感がわかないし、「もっと、俺に関心を持て!」と迫られ、そんな彼が可愛く見えてしまい・・・
そして、羽泉は実はトンデモなくOOたっぷりなイケメンで・・・
過去の恋の痛手から、一目惚れしたことに気付いていない、そんな紗奈のシンデレラストーリーです。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる