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「なぁリヴィア。今日もオリヴィアに会わしてくれないの?」
最近ロンは口を開けばこれだ。
「オリヴィアは貴方に会いたくないそうだよ」
「嘘だぁ」
本当です。と心の中で返答する。
「ねぇ…リヴィアとオリヴィアは兄妹なんだよね?」
「そうだよ」
「──デキてたりしないよな?なんか──二人の叶わぬ恋の為に逃避行して来たとか──」
叶わぬ恋の逃避行──胸が痛い。
そんないいものではない。そんなロマンスある話ではない。
ただ──捨てられただけだ──飽きられた玩具の様に。
いけない──今はロンが見ている。
「──そうですよ。だからオリヴィアは諦めてください」
嘘でも諦めてくれるなら何でもいいと肯定してみる。
ロンが胡乱な目でリディアを見る。
「リヴィアはオリヴィアのどこが好きなの?」
オリヴィアの好きなところ?
どうしよう。答えられない。
ここは嘘でも言わないといけないのに──
「やっぱりリヴィアはオリヴィアに恋はしてないよ。寧ろ本当は妹を蔑ろにしている気さえしてくる」
ロンが少し怒っている。
オリヴィアを思って怒ってくれるのは嬉しいけれど──前回、オリヴィアの断りなくキスし、オリヴィアの意思を蔑ろにした人物に言われたくない。
「貴方に妹の話をしたくないだけです」
「ねぇ。オリヴィアは俺と隊長がいたらどちらを好きになると思う?」
「もう!いい加減にしてください!僕は仕事で忙しいんです。貴方も帰ってギルフォードと一緒に仕事をしてください」
「今の質問に答えてくれたら帰るから」
ロンが本気で言っているのが分かった。
だから──
「オリヴィアは誰も好きにならないよ」
「誰も?」
「誰も」
「何故?」
「さぁ、答えたから帰ってください」
「帰りたいけど、仕事があるんだ」
仕事?
「リヴィアを王宮で専属のアロマセラピストとして在住することを陛下が望んでいる」
「それは──」
「リヴィアが王か神様でもない限り、王の勅命は絶対だよ」
「いつから?」
「すぐにでも。けれど──王妃様の計らいで猶予は持たせて貰えると思う」
「分かった。ロン──もう少しだけいてもいいよ。もう一杯お茶を入れてあげるね」
「何?なんでそんなに機嫌いいの?」
「王宮になんて名誉だしね。ギルフォードにもお礼を言いたいから出来れば来て欲しいって伝えてくれる?」
明日用に焼いたスコーンもつけてあげる。
クリームチーズとロンのくれた蜂蜜を添えよう。
「じゃあオリヴィアはどうするの?一緒に行くの?」
「そうだね」
「じゃあ毎日、オリヴィアに会えるかなー?」
嬉しそうに笑うロンにリディアも微笑む。
「ロン。貴方にはもっと素敵な人が、出会いがあるよ」
不貞腐れたロンがスコーンを指で割りチーズを塗る。
「兄君は俺では認めてくれないのか?」
曖昧に濁す。
「リディアの王宮入りが嬉しいのはオリヴィアに会いたいのもあるけれど、俺はリヴィアにも毎日会えるのが嬉しいんだよ」
とってつけたようにリディアにもゴマをするなぁ。
けれどそれも可愛いと思ってしまう。
「──僕もロンが好きだよ。食べ終わったら手のマッサージしてあげるよ」
びっくりした。ロンが意外にも照れるから。
一口でスコーンを食べ手を出す。
体温で温めたクリームをジワリと馴染ませて、ゆっくりと押し込む。
「……けどオリヴィアはあげないけどね」
そう付け足すとまた不貞腐れる。
けれど指は素直に触らせてくれる。
「あぁ、本当に帰らないとダメだ。けれど今度からはリヴィアは王宮住みだからもっと気軽に会えるな」
そう微笑むロンにまたねと手を振る。
──もうここにはいられない。
ギルフォードの顔を一目見たら、ここを去ろう。
何処へ行こうか?
新しい出会いがオリヴィアを慰めてくれるだろうか?
……シィ様──私はどこまで逃げればいいのだろう。
──それとも私は逃げすぎてしまったのだろうか?
見上げた空はいつもと同じ──穏やかだ。
最近ロンは口を開けばこれだ。
「オリヴィアは貴方に会いたくないそうだよ」
「嘘だぁ」
本当です。と心の中で返答する。
「ねぇ…リヴィアとオリヴィアは兄妹なんだよね?」
「そうだよ」
「──デキてたりしないよな?なんか──二人の叶わぬ恋の為に逃避行して来たとか──」
叶わぬ恋の逃避行──胸が痛い。
そんないいものではない。そんなロマンスある話ではない。
ただ──捨てられただけだ──飽きられた玩具の様に。
いけない──今はロンが見ている。
「──そうですよ。だからオリヴィアは諦めてください」
嘘でも諦めてくれるなら何でもいいと肯定してみる。
ロンが胡乱な目でリディアを見る。
「リヴィアはオリヴィアのどこが好きなの?」
オリヴィアの好きなところ?
どうしよう。答えられない。
ここは嘘でも言わないといけないのに──
「やっぱりリヴィアはオリヴィアに恋はしてないよ。寧ろ本当は妹を蔑ろにしている気さえしてくる」
ロンが少し怒っている。
オリヴィアを思って怒ってくれるのは嬉しいけれど──前回、オリヴィアの断りなくキスし、オリヴィアの意思を蔑ろにした人物に言われたくない。
「貴方に妹の話をしたくないだけです」
「ねぇ。オリヴィアは俺と隊長がいたらどちらを好きになると思う?」
「もう!いい加減にしてください!僕は仕事で忙しいんです。貴方も帰ってギルフォードと一緒に仕事をしてください」
「今の質問に答えてくれたら帰るから」
ロンが本気で言っているのが分かった。
だから──
「オリヴィアは誰も好きにならないよ」
「誰も?」
「誰も」
「何故?」
「さぁ、答えたから帰ってください」
「帰りたいけど、仕事があるんだ」
仕事?
「リヴィアを王宮で専属のアロマセラピストとして在住することを陛下が望んでいる」
「それは──」
「リヴィアが王か神様でもない限り、王の勅命は絶対だよ」
「いつから?」
「すぐにでも。けれど──王妃様の計らいで猶予は持たせて貰えると思う」
「分かった。ロン──もう少しだけいてもいいよ。もう一杯お茶を入れてあげるね」
「何?なんでそんなに機嫌いいの?」
「王宮になんて名誉だしね。ギルフォードにもお礼を言いたいから出来れば来て欲しいって伝えてくれる?」
明日用に焼いたスコーンもつけてあげる。
クリームチーズとロンのくれた蜂蜜を添えよう。
「じゃあオリヴィアはどうするの?一緒に行くの?」
「そうだね」
「じゃあ毎日、オリヴィアに会えるかなー?」
嬉しそうに笑うロンにリディアも微笑む。
「ロン。貴方にはもっと素敵な人が、出会いがあるよ」
不貞腐れたロンがスコーンを指で割りチーズを塗る。
「兄君は俺では認めてくれないのか?」
曖昧に濁す。
「リディアの王宮入りが嬉しいのはオリヴィアに会いたいのもあるけれど、俺はリヴィアにも毎日会えるのが嬉しいんだよ」
とってつけたようにリディアにもゴマをするなぁ。
けれどそれも可愛いと思ってしまう。
「──僕もロンが好きだよ。食べ終わったら手のマッサージしてあげるよ」
びっくりした。ロンが意外にも照れるから。
一口でスコーンを食べ手を出す。
体温で温めたクリームをジワリと馴染ませて、ゆっくりと押し込む。
「……けどオリヴィアはあげないけどね」
そう付け足すとまた不貞腐れる。
けれど指は素直に触らせてくれる。
「あぁ、本当に帰らないとダメだ。けれど今度からはリヴィアは王宮住みだからもっと気軽に会えるな」
そう微笑むロンにまたねと手を振る。
──もうここにはいられない。
ギルフォードの顔を一目見たら、ここを去ろう。
何処へ行こうか?
新しい出会いがオリヴィアを慰めてくれるだろうか?
……シィ様──私はどこまで逃げればいいのだろう。
──それとも私は逃げすぎてしまったのだろうか?
見上げた空はいつもと同じ──穏やかだ。
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