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008 ロン
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「隊長ー。オリヴィア知ってます?」
ギルフォード隊長の表情が一変する。
やはり隊長はオリヴィアを知っていた。
「会ったのか?」
その返事に違和感を覚えた。
「どんな方だった?私はまだ一度もお会いしていないんだ」
「隊長──会ったことないんですか?」
「そう言ってるだろう?なんでも人目を憚る方らしい」
「そうですか」
先日オリヴィアは今から隊長が来るとか言っていたけれど、あれは俺から逃げる為の嘘か。
「で、どんな感じの方だ?リヴィアと同じように黒髪なのか?」
「内緒です」
隊長がコチラを見るが微笑みで隠す。
「だって──隊長にはあの女神様がいるでしょう?俺も彼女に一瞬で恋したんです。今なら隊長の気持ちが分かりますよ。できれば独り占めしたい──そういうもんでしょう?──ということで隊長ー!さっきの話俺に進めさせてください」
「──ダメだ」
「何故です?」
「王妃も悩まれている。まだ決定ではない」
「けれど陛下が要望されているんですよね?リヴィアの王宮入りを。では決まったようなものじゃないですか」
「……リヴィアはそれを望んでいない」
「望んだように物事が運ぶ人なんてそれこそ陛下くらいですよ。いや、陛下でさえ多くの事が望み通りではない。そう考えると望み通りに進むのなんてこの世で神様くらいですよ」
「そうリヴィアに伝えるのか?」
俺の言葉に不満そうに答える。
「──俺だってあの店がないともう癒されないけれど──王宮ならもっとリヴィアに会えるし、オリヴィアも一緒に来るかもしれない。もし来れないようなら、1人は危険だし……俺の奥さんになって欲しいなぁ」
「ロン、それは完全に自分の為だ。リヴィアの気持ちはどうなる⁈」
「──隊長ももしオリヴィアが隊長の女神様だったならどうします?彼女を手に入れる術があるならなんだってするんじゃないです?ましてや王宮上がりなんて栄進もいいところで、悲しむ人より喜ぶ人が普通だ」
「普通ならな。けれどリヴィアは違う。彼は──いつも寂しそうに空を見上げている」
「空なんて王宮からでも見上げれます。まして王宮の方がもっと空に近い」
「ロン──」
「隊長。確かに俺は非道な事を言っているけれど、隊長は近衛隊の隊長だ。陛下の為の兵士だ。誰の願いを優先するのが最善か理解している筈だ」
そこで黙らないで欲しい。
俺は間違ったことは言ってない。
オリヴィアはきっと隊長が恋した女性だろう。
けれど俺も──オリヴィアに恋をした。
隊長の知らない彼女の瞳の色を知っている。
グレーの美しい瞳はリディアと同じ──気品と神秘さを兼ね備えた瞳だ。
高過ぎず落ち着いた透明な声。
滑らかな陶器のような肌。
細く絹を束ねたような艶やかな髪も。
柔らかく誘うような唇なのに強情に唇を開かない。
ロンと名を呼ばれた時、まるで自分の名前が特別に思えた。
──彼女に優しくしたい。
好かれたい。
あの唇を開いて俺を受け入れて欲しい。
けれど──
もし──俺と隊長が並べは彼女はどっちを選ぶのだろうか?
隊長は優しい。愛する女には尚更にだろう。
優しさや誠実さで俺が隊長に勝てる気がしない。
なら──俺は先に彼女を手に入れる。
強引にだろうと。
勢いに流され、俺の腕の中に落ちてくるように──
ギルフォード隊長の表情が一変する。
やはり隊長はオリヴィアを知っていた。
「会ったのか?」
その返事に違和感を覚えた。
「どんな方だった?私はまだ一度もお会いしていないんだ」
「隊長──会ったことないんですか?」
「そう言ってるだろう?なんでも人目を憚る方らしい」
「そうですか」
先日オリヴィアは今から隊長が来るとか言っていたけれど、あれは俺から逃げる為の嘘か。
「で、どんな感じの方だ?リヴィアと同じように黒髪なのか?」
「内緒です」
隊長がコチラを見るが微笑みで隠す。
「だって──隊長にはあの女神様がいるでしょう?俺も彼女に一瞬で恋したんです。今なら隊長の気持ちが分かりますよ。できれば独り占めしたい──そういうもんでしょう?──ということで隊長ー!さっきの話俺に進めさせてください」
「──ダメだ」
「何故です?」
「王妃も悩まれている。まだ決定ではない」
「けれど陛下が要望されているんですよね?リヴィアの王宮入りを。では決まったようなものじゃないですか」
「……リヴィアはそれを望んでいない」
「望んだように物事が運ぶ人なんてそれこそ陛下くらいですよ。いや、陛下でさえ多くの事が望み通りではない。そう考えると望み通りに進むのなんてこの世で神様くらいですよ」
「そうリヴィアに伝えるのか?」
俺の言葉に不満そうに答える。
「──俺だってあの店がないともう癒されないけれど──王宮ならもっとリヴィアに会えるし、オリヴィアも一緒に来るかもしれない。もし来れないようなら、1人は危険だし……俺の奥さんになって欲しいなぁ」
「ロン、それは完全に自分の為だ。リヴィアの気持ちはどうなる⁈」
「──隊長ももしオリヴィアが隊長の女神様だったならどうします?彼女を手に入れる術があるならなんだってするんじゃないです?ましてや王宮上がりなんて栄進もいいところで、悲しむ人より喜ぶ人が普通だ」
「普通ならな。けれどリヴィアは違う。彼は──いつも寂しそうに空を見上げている」
「空なんて王宮からでも見上げれます。まして王宮の方がもっと空に近い」
「ロン──」
「隊長。確かに俺は非道な事を言っているけれど、隊長は近衛隊の隊長だ。陛下の為の兵士だ。誰の願いを優先するのが最善か理解している筈だ」
そこで黙らないで欲しい。
俺は間違ったことは言ってない。
オリヴィアはきっと隊長が恋した女性だろう。
けれど俺も──オリヴィアに恋をした。
隊長の知らない彼女の瞳の色を知っている。
グレーの美しい瞳はリディアと同じ──気品と神秘さを兼ね備えた瞳だ。
高過ぎず落ち着いた透明な声。
滑らかな陶器のような肌。
細く絹を束ねたような艶やかな髪も。
柔らかく誘うような唇なのに強情に唇を開かない。
ロンと名を呼ばれた時、まるで自分の名前が特別に思えた。
──彼女に優しくしたい。
好かれたい。
あの唇を開いて俺を受け入れて欲しい。
けれど──
もし──俺と隊長が並べは彼女はどっちを選ぶのだろうか?
隊長は優しい。愛する女には尚更にだろう。
優しさや誠実さで俺が隊長に勝てる気がしない。
なら──俺は先に彼女を手に入れる。
強引にだろうと。
勢いに流され、俺の腕の中に落ちてくるように──
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