外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平

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第三章 行方不明

第47話 ボス戦 氷の守護者2

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 俺は一人でゴブリン二匹を相手取った。

「お待たせ! ありがとう!」

 足の氷を溶かしたアンが戦線に復帰した!
 時間にして一分程度だったと思うが、正直、キツかった。

「アン! 棍棒ゴブリンは、突いて! 牽制して! 倒さなくても良いから!」

「了解!」

 アンが俺の指示通りに戦いだした。
 アンは攻撃の主体を突きにして、棍棒ゴブリンを近づけさせない。
 コンパクトな攻撃で良い動きだ。

 アンはショートソードを振り回して大ぶりになっていた。
 今のアンならそうそう隙は出来ない。
 これでアンと棍棒ゴブリンは膠着状態になる。

 俺はショートソードを持ったゴブリンを相手取っている。
 これまでのゴブリンと違って強いが、俺はスキル【盾術】と【剣術】を持っている。
 強化されたゴブリンが相手でも、十分戦えている。

 それぞれ一対一の安定した状況に持ち込んだ。

 俺がショートソードを持つゴブリンを倒すか、ミレットが氷の守護者を倒せば、アンの援護が出来る。

 俺は息を整えながら、ショートソードを持つゴブリンの攻撃を盾でいなす。
 徐々に呼吸が落ち着いて来た。

「ファイヤーボール!」

 ミレットの勇ましい声がボス部屋に響いた。

 ゴウ! と音を上げ、火球が氷の守護者へ向かう。

「キアアァァァァァ!」

 氷の守護者が悲鳴を上げ、空中でクルリと回転するように苦しみ悶える。

「いいよ! ミレット! 効いてるよ! 続けて!」

「了解です!」

 よーし! よし!
 ミレットが氷の守護者を削り出した。

 このまま戦闘を安定させて――。

「キャア!」

 ミレットが倒れる。
 氷の守護者から反撃を受けた。
 氷の守護者は、氷のつぶてを大量に飛ばし範囲攻撃を仕掛けて来たのだ。

「ミレット!」

 俺はゴブリンを盾で突き飛ばし、隙を見てミレットに駆け寄った。
 ミレットはあちこち怪我をして、血を流している。

「大丈夫です……。今、ポーションを飲むので……。イタタ……」

「わかった。ミレットの近くで戦って、氷の守護者から攻撃が来たら俺が防ぐから!」

「お願いします!」

 ミレットは、魔法薬ポーションを飲んですぐに回復した。
 ミレットは立ち上がりすぐ詠唱を始める。

 俺はミレットの近くで盾を構え、接近して来たゴブリンに備える。
 なかなか楽をさせてもらえない。
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