2 / 92
第一章 王都から追放
第2話 国王の陰謀
しおりを挟む
セバスチャンが王宮に使いを出すと、『すぐに参内せよ』と返事が来た。
俺は急いで王宮へ向かった。
ルナール王国の王都パリシイ。
ルナール王国は、大陸でも一二を争う強国で、王都パリシイは『薔薇の都』と呼ばれる。
各貴族は地方に領地を持っているが、王都パリシイに王都屋敷を持つ。
王都は何かと便利なので、王都に住む貴族が多い。
俺が参内する王宮は、今代の王様が新しく建設したソレイユ宮殿。
太陽が住まう宮殿という意味で名付けられたそうだ。
薔薇の都に建つ壮麗なソレイユ宮殿で、ルナール王国貴族たちは夜な夜な華やかな社交を繰り広げているらしい。
なぜ、『らしい』なのかというと、我がエトワール伯爵家は父がギャンブルで借金を作ったので社交界に参加するお金がないからだ。
俺は伯爵家の子供だが、王宮に来るのは初めてだ。
「はぁ……」
俺は人に聞こえないように小さくため息をつく。
初めて参内したソレイユ宮殿は、美しい宮殿だった。
白い壁に金の装飾が施され、床は白と黒の大理石が交互に敷き詰められている。
あちこちに大きな絵が飾られ宮殿の風景を一層華やかにしている。
さぞ高名な画家の手による絵なのだろう。
目にも鮮やかな赤い制服を身につけた侍従に案内されて、俺はソレイユ宮殿の廊下を歩き続ける。
広大なソレイユ宮殿は、今も拡張工事の真っ最中で庭園やら劇場やらを造営しているらしい。
どれだけ金をかけるんだ!
俺は、あちこちに当て布を繕ったツギハギのある子供用のボロイ貴族服を身にまとい、すり切れた革靴をはき、栄養不足の小さな体で侍従の後を必死になって追った。
贅を尽くしたソレイユ宮殿の中で、俺の身なりは非常にみすぼらしく見えるだろう。
「あの……。どこまで歩くのでしょうか?」
もう、十五分以上歩かされている。
俺は歩き疲れてきた。
侍従は前を向いたまま俺に答える。
「太陽神の間まで、あと五分ほどです」
「太陽神の間?」
「はい。国王陛下が貴族の方々を謁見する場所です」
侍従の口ぶりは、『そんなことも知らないのか!』といった雰囲気で、あからさまに俺をバカにしていた。
俺は腹が立つよりも情けなさが先立ち、侍従の口調を咎めることが出来なかった。
そりゃ、伯爵の息子なのに、王宮に来たことがないなんて、バカにされても仕方がない。
息を切らせて侍従の後をついて歩き、太陽神の間にたどり着いた。
太陽神の間は、バスケットボールが出来そうな広い部屋だった。
神々しい天井画に、金色に輝く豪勢なシャンデリア。
壁は赤い布が貼付けられ、金色の飾り付けが施されている。
国王の力を否応なく見せつけられた気分だ。
その国王は、豪奢な太陽の間の一番奥で、これまた豪奢な赤と金色に彩られた玉座に足を組んで座っていた。
国王ルドヴィク十四世陛下だ。
年齢は二十四才。
短めに整えられた金色の髪に、きれいな顔立ち。
しかし、目つきは鋭い。
何者も寄せ付けない冷たい眼差しだ。
ひざまずく俺をゴミのように見つめ、やがて口を開いた。
ザラリとした嫌な声だ。
「エトワール伯爵家のノエル? はて、舞踏会で見かけた記憶がないが?」
「……」
俺は答えられずにいた。
『父がギャンブルで金を使い果たし、社交界に参加するための費用がありませんでした』
などと答えられるわけがない。
俺が黙って下を向いていると、部屋の横に控えていた壮年の男が進み出た。
でっぷりとした体格とゆったりした服にもっさりした黒髪……。
宰相マザランだ。
宰相マザランは、よく響く声でゆったりと話し始めた。
「陛下。亡くなったエトワール伯は、賭博に夢中になっておりました。借金も相当な額であったとか……。ゆえにエトワール伯爵家は貧しく、社交をする費えがなかったのでしょう」
「なんと! 真か!?」
「事実にございます。領地も! 領地の税収も! 借金のカタに差し押さえられております!」
「怪しからん! ルナール王国貴族にあるまじき行いだ! 宰相! エトワール伯爵家の存続を許しても良いのか?」
「大問題でございます! 臣も疑問に思います」
「ふーむ……」
雲行きが怪しくなってきた。
コレは不味い!
爵位継承がダメなのか?
「お、お待ち下さい! 確かに父はギャンブルに熱中しましたが、私は賭け事に興味はございません。陛下と王国のために一生懸命お仕えいたします!」
俺は必死に訴えた。
しかし、国王ルドヴィク十四世陛下は、興味なさそうにそっぽを向いている。
「もう良い! エトワール伯爵家は取り潰すことに――」
「陛下、お待ち下さい」
宰相マザランが柔和な笑顔で、国王ルドヴィク十四世陛下を止めた。
「ノエル殿は、まだ十三才になったばかり。さらに妹御は八才。放り出すのはあまりに哀れと存じます」
俺は『おや?』と思った。
先ほどまで、俺に対して批判的だった宰相マザランが、急に俺を弁護し始めたのだ。
国王ルドヴィク十四世陛下は、宰相マザランの言葉に耳を傾ける。
「ふむ……。しかし、王国貴族が賭博で借金をして首が回らなくなるなど醜聞も甚だしい。当人が死んだからといって、許されることではないぞ?」
「そこで臣に提案がございます。エトワール伯爵領を返上させるのです。ノエル殿が領地を返上することで、王国と陛下から許しを得る。いかがでございましょう?」
「なるほど、なるほど。考慮に値するな」
領地を返上だと!?
とんでもない話になって来た!
そもそもルナール王国は、貴族の力が強い国なのだ。
ルナール国王家はルナール王国の中で、もっとも有力な貴族、もっとも力のある貴族といった位置づけで、各地域の貴族が独自に政治を行っている。
貴族は王国の危機に際して『兵を出す義務』があるだけだ。
王家は各貴族家の領地や爵位を承認する存在で、領地を与える立場ではない。
領地を返上するなどという話自体がおかしいのだ。
俺は、すぐに抗議した。
「お待ち下さい! 我が領地は先祖が命がけで得た領地です!」
「しかし、今は借金のカタに差し押さえられておりますなぁ」
「グッ……」
宰相マザランの指摘に、俺は言葉に詰まる。
そして強烈な違和感を覚えた。
何かがおかしい。
宰相マザランは、俺のエトワール伯爵家を批判したかと思うと、俺を若年だとかばい、そして『借金のカタに領地が差し押さえられている』と、また立場を批判する側に入れ替えた。
宰相マザランは、敵なのか味方なのか、よくわからない。
そもそも爵位継承を願い出たら、その日のうちに参内が許されたのもおかしい。
国王の謁見スケジュールは混み合っているので、有力貴族で数日、長ければ数ヶ月は待たされると聞いたことがある。
それに、謁見したらしたで、エトワール伯爵家の内情について暴露されてしまう。
なぜ、詳しく知っている?
いつ調べた?
何もかもが不自然……。
この違和感は何だ?
玉座に座る国王ルドヴィク十四世陛下は、肘掛けに寄りかかり頬杖をついてニヤニヤと笑っている。
「あっ……」
国王ルドヴィク十四世陛下の表情を見て、俺は悟った。
父を毒殺したのは、ルドヴィク十四世陛下と宰相マザランだ。
ルドヴィク十四世陛下は、エトワール伯爵家の領地が欲しいのだ。
エトワール伯爵家の領地は、王都の北方にあり交易路の要所……。
狙われていたのか!
宰相マザランが俺に近づき肩に手を置いた。
口元は笑っているが、目は笑っていない。
「ノエル殿。陛下に忠誠を示すのです」
「し……しかし、領地を返上しては、私も妹も住むところを失います」
「代替地は私が陛下にお願いいたしましょう」
「代替地……」
やられた……!
代替地など簡単に見つかるはずはない。
エトワール伯爵家を陥れる陰謀が仕組まれていたのだ。
だが、今になって陰謀に気が付いても遅い。
陛下と宰相が描いた絵の通りになっているのだろう。
宰相マザランが、俺の肩に置いた手にグッと力を込めた。
「ここが肝心ですぞ!」
俺に選択肢はない。
俺は内心の激情を抑え、顔の表情を消して、父の敵である陛下と宰相が望む言葉を口にした。
「領地を返上いたします……」
「ウム! 良いだろう! ノエル! オマエの爵位継承を認めよう。以後、ノエルはエトワール伯爵を名乗るが良い」
「ありがたき幸せ……」
――屈辱。
俺は湧き上がる怒りを必死で抑えた。
いっそこの場で、国王につかみかかりたい。
頭を下げる俺に、国王ルドヴィク十四世は、続けて言葉を投げつけてきた。
「ああ、それから、王都から出て行け」
「は?」
「エトワール伯爵家は王国貴族の恥だから王都から追放する! ――と言っているのだ」
「そ、そんな! ご無体な!」
元々父の借金が原因で、他の貴族家とは疎遠になっていたが、追放されては絶縁だ。
完全に社交界、貴族の世界からはじき出されてしまう!
信じられない思いだった。
これは国王の貴族に対する裏切りだ!
貴族家当主を毒殺し、領地を取り上げ、王都から追放する。
ルドヴィク十四世に国王の資格はない!
俺は無言で立ち上がると、国王ルドヴィク十四世と宰相マザランに背を向けた。
拳を握りしめ立ち去る俺の背中に国王ルドヴィク十四世が無慈悲に告げた。
「まあ、捨て扶持にどこか辺境をくれてやる。今日中に王都から出て行け!」
俺は急いで王宮へ向かった。
ルナール王国の王都パリシイ。
ルナール王国は、大陸でも一二を争う強国で、王都パリシイは『薔薇の都』と呼ばれる。
各貴族は地方に領地を持っているが、王都パリシイに王都屋敷を持つ。
王都は何かと便利なので、王都に住む貴族が多い。
俺が参内する王宮は、今代の王様が新しく建設したソレイユ宮殿。
太陽が住まう宮殿という意味で名付けられたそうだ。
薔薇の都に建つ壮麗なソレイユ宮殿で、ルナール王国貴族たちは夜な夜な華やかな社交を繰り広げているらしい。
なぜ、『らしい』なのかというと、我がエトワール伯爵家は父がギャンブルで借金を作ったので社交界に参加するお金がないからだ。
俺は伯爵家の子供だが、王宮に来るのは初めてだ。
「はぁ……」
俺は人に聞こえないように小さくため息をつく。
初めて参内したソレイユ宮殿は、美しい宮殿だった。
白い壁に金の装飾が施され、床は白と黒の大理石が交互に敷き詰められている。
あちこちに大きな絵が飾られ宮殿の風景を一層華やかにしている。
さぞ高名な画家の手による絵なのだろう。
目にも鮮やかな赤い制服を身につけた侍従に案内されて、俺はソレイユ宮殿の廊下を歩き続ける。
広大なソレイユ宮殿は、今も拡張工事の真っ最中で庭園やら劇場やらを造営しているらしい。
どれだけ金をかけるんだ!
俺は、あちこちに当て布を繕ったツギハギのある子供用のボロイ貴族服を身にまとい、すり切れた革靴をはき、栄養不足の小さな体で侍従の後を必死になって追った。
贅を尽くしたソレイユ宮殿の中で、俺の身なりは非常にみすぼらしく見えるだろう。
「あの……。どこまで歩くのでしょうか?」
もう、十五分以上歩かされている。
俺は歩き疲れてきた。
侍従は前を向いたまま俺に答える。
「太陽神の間まで、あと五分ほどです」
「太陽神の間?」
「はい。国王陛下が貴族の方々を謁見する場所です」
侍従の口ぶりは、『そんなことも知らないのか!』といった雰囲気で、あからさまに俺をバカにしていた。
俺は腹が立つよりも情けなさが先立ち、侍従の口調を咎めることが出来なかった。
そりゃ、伯爵の息子なのに、王宮に来たことがないなんて、バカにされても仕方がない。
息を切らせて侍従の後をついて歩き、太陽神の間にたどり着いた。
太陽神の間は、バスケットボールが出来そうな広い部屋だった。
神々しい天井画に、金色に輝く豪勢なシャンデリア。
壁は赤い布が貼付けられ、金色の飾り付けが施されている。
国王の力を否応なく見せつけられた気分だ。
その国王は、豪奢な太陽の間の一番奥で、これまた豪奢な赤と金色に彩られた玉座に足を組んで座っていた。
国王ルドヴィク十四世陛下だ。
年齢は二十四才。
短めに整えられた金色の髪に、きれいな顔立ち。
しかし、目つきは鋭い。
何者も寄せ付けない冷たい眼差しだ。
ひざまずく俺をゴミのように見つめ、やがて口を開いた。
ザラリとした嫌な声だ。
「エトワール伯爵家のノエル? はて、舞踏会で見かけた記憶がないが?」
「……」
俺は答えられずにいた。
『父がギャンブルで金を使い果たし、社交界に参加するための費用がありませんでした』
などと答えられるわけがない。
俺が黙って下を向いていると、部屋の横に控えていた壮年の男が進み出た。
でっぷりとした体格とゆったりした服にもっさりした黒髪……。
宰相マザランだ。
宰相マザランは、よく響く声でゆったりと話し始めた。
「陛下。亡くなったエトワール伯は、賭博に夢中になっておりました。借金も相当な額であったとか……。ゆえにエトワール伯爵家は貧しく、社交をする費えがなかったのでしょう」
「なんと! 真か!?」
「事実にございます。領地も! 領地の税収も! 借金のカタに差し押さえられております!」
「怪しからん! ルナール王国貴族にあるまじき行いだ! 宰相! エトワール伯爵家の存続を許しても良いのか?」
「大問題でございます! 臣も疑問に思います」
「ふーむ……」
雲行きが怪しくなってきた。
コレは不味い!
爵位継承がダメなのか?
「お、お待ち下さい! 確かに父はギャンブルに熱中しましたが、私は賭け事に興味はございません。陛下と王国のために一生懸命お仕えいたします!」
俺は必死に訴えた。
しかし、国王ルドヴィク十四世陛下は、興味なさそうにそっぽを向いている。
「もう良い! エトワール伯爵家は取り潰すことに――」
「陛下、お待ち下さい」
宰相マザランが柔和な笑顔で、国王ルドヴィク十四世陛下を止めた。
「ノエル殿は、まだ十三才になったばかり。さらに妹御は八才。放り出すのはあまりに哀れと存じます」
俺は『おや?』と思った。
先ほどまで、俺に対して批判的だった宰相マザランが、急に俺を弁護し始めたのだ。
国王ルドヴィク十四世陛下は、宰相マザランの言葉に耳を傾ける。
「ふむ……。しかし、王国貴族が賭博で借金をして首が回らなくなるなど醜聞も甚だしい。当人が死んだからといって、許されることではないぞ?」
「そこで臣に提案がございます。エトワール伯爵領を返上させるのです。ノエル殿が領地を返上することで、王国と陛下から許しを得る。いかがでございましょう?」
「なるほど、なるほど。考慮に値するな」
領地を返上だと!?
とんでもない話になって来た!
そもそもルナール王国は、貴族の力が強い国なのだ。
ルナール国王家はルナール王国の中で、もっとも有力な貴族、もっとも力のある貴族といった位置づけで、各地域の貴族が独自に政治を行っている。
貴族は王国の危機に際して『兵を出す義務』があるだけだ。
王家は各貴族家の領地や爵位を承認する存在で、領地を与える立場ではない。
領地を返上するなどという話自体がおかしいのだ。
俺は、すぐに抗議した。
「お待ち下さい! 我が領地は先祖が命がけで得た領地です!」
「しかし、今は借金のカタに差し押さえられておりますなぁ」
「グッ……」
宰相マザランの指摘に、俺は言葉に詰まる。
そして強烈な違和感を覚えた。
何かがおかしい。
宰相マザランは、俺のエトワール伯爵家を批判したかと思うと、俺を若年だとかばい、そして『借金のカタに領地が差し押さえられている』と、また立場を批判する側に入れ替えた。
宰相マザランは、敵なのか味方なのか、よくわからない。
そもそも爵位継承を願い出たら、その日のうちに参内が許されたのもおかしい。
国王の謁見スケジュールは混み合っているので、有力貴族で数日、長ければ数ヶ月は待たされると聞いたことがある。
それに、謁見したらしたで、エトワール伯爵家の内情について暴露されてしまう。
なぜ、詳しく知っている?
いつ調べた?
何もかもが不自然……。
この違和感は何だ?
玉座に座る国王ルドヴィク十四世陛下は、肘掛けに寄りかかり頬杖をついてニヤニヤと笑っている。
「あっ……」
国王ルドヴィク十四世陛下の表情を見て、俺は悟った。
父を毒殺したのは、ルドヴィク十四世陛下と宰相マザランだ。
ルドヴィク十四世陛下は、エトワール伯爵家の領地が欲しいのだ。
エトワール伯爵家の領地は、王都の北方にあり交易路の要所……。
狙われていたのか!
宰相マザランが俺に近づき肩に手を置いた。
口元は笑っているが、目は笑っていない。
「ノエル殿。陛下に忠誠を示すのです」
「し……しかし、領地を返上しては、私も妹も住むところを失います」
「代替地は私が陛下にお願いいたしましょう」
「代替地……」
やられた……!
代替地など簡単に見つかるはずはない。
エトワール伯爵家を陥れる陰謀が仕組まれていたのだ。
だが、今になって陰謀に気が付いても遅い。
陛下と宰相が描いた絵の通りになっているのだろう。
宰相マザランが、俺の肩に置いた手にグッと力を込めた。
「ここが肝心ですぞ!」
俺に選択肢はない。
俺は内心の激情を抑え、顔の表情を消して、父の敵である陛下と宰相が望む言葉を口にした。
「領地を返上いたします……」
「ウム! 良いだろう! ノエル! オマエの爵位継承を認めよう。以後、ノエルはエトワール伯爵を名乗るが良い」
「ありがたき幸せ……」
――屈辱。
俺は湧き上がる怒りを必死で抑えた。
いっそこの場で、国王につかみかかりたい。
頭を下げる俺に、国王ルドヴィク十四世は、続けて言葉を投げつけてきた。
「ああ、それから、王都から出て行け」
「は?」
「エトワール伯爵家は王国貴族の恥だから王都から追放する! ――と言っているのだ」
「そ、そんな! ご無体な!」
元々父の借金が原因で、他の貴族家とは疎遠になっていたが、追放されては絶縁だ。
完全に社交界、貴族の世界からはじき出されてしまう!
信じられない思いだった。
これは国王の貴族に対する裏切りだ!
貴族家当主を毒殺し、領地を取り上げ、王都から追放する。
ルドヴィク十四世に国王の資格はない!
俺は無言で立ち上がると、国王ルドヴィク十四世と宰相マザランに背を向けた。
拳を握りしめ立ち去る俺の背中に国王ルドヴィク十四世が無慈悲に告げた。
「まあ、捨て扶持にどこか辺境をくれてやる。今日中に王都から出て行け!」
226
あなたにおすすめの小説
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる