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第三章 ノエル南部に立つ!
第57話 国際都市を目指して(三章最終話)
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ダークエルフのエクレールが、戻ってきた!
シューさんを護衛に応接室へ行くと、エクレールと小さな女の子がいた。
「エクレール! お帰り! そちらは妹さんかな? 元気になったの?」
「ああ。隣にいるのが、妹のショコラだ。主のおかげで妹の具合はすっかり良くなった。ありがとう。さあ、ショコラ。主にお礼を言いなさい」
エクレールの足にしがみついてモジモジしているダークエルフの女の子。
人見知りなのかな? お姉ちゃんにひっついているのが、何とも微笑ましい。
「あの……お薬……ありがとうございました……」
「どういたしまして。元気になって良かったね!」
俺は執事のセバスチャンに頼んで妹のマリーを呼んできてもらった。
妹のマリーとショコラちゃんは、年回りが近そうだ。
妹のマリーは、護衛のネコネコ騎士みーちゃんを連れて、すぐにやって来た。
「お兄様。お呼びでしょうか?」
「マリー。こちらは、エクレールの妹ショコラさんだよ。屋敷の中を案内してあげて」
マリーは、同世代の女の子を見つけて嬉しそうに目を輝かせた。
「私はマリーよ! よろしくね!」
「ショ……ショコラです……」
「ドライフルーツは知ってる?」
「大好きです!」
「私はドライフルーツを作っているの。見せてあげるわ! 行きましょう!」
マリーとショコラちゃんは、手をつないでパタパタと走って行った。
「護衛は任せるニャ!」
すぐにネコネコ騎士のみーちゃんが二人を追いかける。
あの調子なら大丈夫そうだ。身分差はあるけれど、二人が良い友だちになってくれると良いな。
「ご覧の通り。もう、走ることが出来る。本当にありがとう」
「良かったね! 俺もショコラちゃんの元気な姿を見れて嬉しいよ」
「約束通り。ノエル殿を主に仰ごう。以後よろしく! ところで、相談があるのだが……」
応接ソファーに腰掛けエクレールの話を聞く。
驚いたことに、国王の手先がダークエルフの里に退去を命じたそうだ。
「あの国王……正気か!?」
下手をすると、反乱になりかねない。
爪の先ほどの領地でも自分の物にしたいという意地汚さを感じ、俺は国王が一層嫌いになった。
「それで族長の御婆様から頼みなのだが……。我らの移住を許してもらえないだろうか?」
「えっ!? ダークエルフの一族が、俺の領地に移住したいってこと!?」
「そうだ。どうだろうか?」
おお! こんなところに領民が!
俺は大喜びで、エクレールの手を握ってブンブンと振った。
「大歓迎だよ! 人が少なくて困っていたんだ! ぜひ、一族で引っ越しておいでよ! 俺に出来る支援は何でもするよ!」
「そ……、そうか!」
エクレールは、俺の勢いにちょっとビックリしていたが、移住が受け入れられてホッとした表情をした。
俺が落ち着いたとこで、エクレールは話をエルフのシューさんにふった。
「余計な心配かもしれないが、そちらのエルフの里は大丈夫か?」
「わからない。けど、心配……」
振り向くと、シューさんは腕を組み眉根を寄せて考え込んでいる。
俺はシューさんに声を掛けた。
「シューさん。よかったら、エルフの皆さんも移住してください。歓迎しますよ」
「ありがとう。手紙を書いてみる……。ダークエルフと同じ状況だったら不味い……」
俺は、ふとある考えがよぎった。
これはチャンスかもしれない。
国王はあちこちで人族以外の種族に退去を伝えているかもしれない。
これは住民を大量に確保するチャンスだ。
この国には様々な種族がいる。
エルフ、ダークエルフ、獣人、ドワーフ……俺の知らない種族だっているかもしれない。
彼らを我がエトワール伯爵領に誘ってみよう!
「セバスチャン! 他の種族も苦境にあるかもしれない。我が領地に誘う方法はないだろうか?」
「左様でございますね……。冒険者ギルドに依頼してはいかがでしょう? 手紙を届けてもらうなり、冒険者を派遣してもらうなり、何か方法を考えてくれると思います」
「よし!」
領民確保に困っていたが、道筋が見えてきた。
引退した冒険者と退去を言い渡され困っている種族を受け入れる。
国際都市――様々な種族が共存する町にエトワール伯爵領を発展させよう!
シューさんを護衛に応接室へ行くと、エクレールと小さな女の子がいた。
「エクレール! お帰り! そちらは妹さんかな? 元気になったの?」
「ああ。隣にいるのが、妹のショコラだ。主のおかげで妹の具合はすっかり良くなった。ありがとう。さあ、ショコラ。主にお礼を言いなさい」
エクレールの足にしがみついてモジモジしているダークエルフの女の子。
人見知りなのかな? お姉ちゃんにひっついているのが、何とも微笑ましい。
「あの……お薬……ありがとうございました……」
「どういたしまして。元気になって良かったね!」
俺は執事のセバスチャンに頼んで妹のマリーを呼んできてもらった。
妹のマリーとショコラちゃんは、年回りが近そうだ。
妹のマリーは、護衛のネコネコ騎士みーちゃんを連れて、すぐにやって来た。
「お兄様。お呼びでしょうか?」
「マリー。こちらは、エクレールの妹ショコラさんだよ。屋敷の中を案内してあげて」
マリーは、同世代の女の子を見つけて嬉しそうに目を輝かせた。
「私はマリーよ! よろしくね!」
「ショ……ショコラです……」
「ドライフルーツは知ってる?」
「大好きです!」
「私はドライフルーツを作っているの。見せてあげるわ! 行きましょう!」
マリーとショコラちゃんは、手をつないでパタパタと走って行った。
「護衛は任せるニャ!」
すぐにネコネコ騎士のみーちゃんが二人を追いかける。
あの調子なら大丈夫そうだ。身分差はあるけれど、二人が良い友だちになってくれると良いな。
「ご覧の通り。もう、走ることが出来る。本当にありがとう」
「良かったね! 俺もショコラちゃんの元気な姿を見れて嬉しいよ」
「約束通り。ノエル殿を主に仰ごう。以後よろしく! ところで、相談があるのだが……」
応接ソファーに腰掛けエクレールの話を聞く。
驚いたことに、国王の手先がダークエルフの里に退去を命じたそうだ。
「あの国王……正気か!?」
下手をすると、反乱になりかねない。
爪の先ほどの領地でも自分の物にしたいという意地汚さを感じ、俺は国王が一層嫌いになった。
「それで族長の御婆様から頼みなのだが……。我らの移住を許してもらえないだろうか?」
「えっ!? ダークエルフの一族が、俺の領地に移住したいってこと!?」
「そうだ。どうだろうか?」
おお! こんなところに領民が!
俺は大喜びで、エクレールの手を握ってブンブンと振った。
「大歓迎だよ! 人が少なくて困っていたんだ! ぜひ、一族で引っ越しておいでよ! 俺に出来る支援は何でもするよ!」
「そ……、そうか!」
エクレールは、俺の勢いにちょっとビックリしていたが、移住が受け入れられてホッとした表情をした。
俺が落ち着いたとこで、エクレールは話をエルフのシューさんにふった。
「余計な心配かもしれないが、そちらのエルフの里は大丈夫か?」
「わからない。けど、心配……」
振り向くと、シューさんは腕を組み眉根を寄せて考え込んでいる。
俺はシューさんに声を掛けた。
「シューさん。よかったら、エルフの皆さんも移住してください。歓迎しますよ」
「ありがとう。手紙を書いてみる……。ダークエルフと同じ状況だったら不味い……」
俺は、ふとある考えがよぎった。
これはチャンスかもしれない。
国王はあちこちで人族以外の種族に退去を伝えているかもしれない。
これは住民を大量に確保するチャンスだ。
この国には様々な種族がいる。
エルフ、ダークエルフ、獣人、ドワーフ……俺の知らない種族だっているかもしれない。
彼らを我がエトワール伯爵領に誘ってみよう!
「セバスチャン! 他の種族も苦境にあるかもしれない。我が領地に誘う方法はないだろうか?」
「左様でございますね……。冒険者ギルドに依頼してはいかがでしょう? 手紙を届けてもらうなり、冒険者を派遣してもらうなり、何か方法を考えてくれると思います」
「よし!」
領民確保に困っていたが、道筋が見えてきた。
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