世界最強の魔王が転生したら!!〜普通を生きたい魔王〜

冬城レイ

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第一章

15歳になりました《元・魔王》です

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 シアを助けてから、もう9年が経った。

「学院、楽しんできてね……たまには、顔出してね?」

 そう、母に言われた。
 今日から、俺は王都にある《ヴァンネス魔法・剣技学院》へと入学する。
 もちろん、シアも一緒に。

「分かっています。お母さん」
「それなら、良いんだけど……ねぇ……」
「あ、ああ。ノア、ちゃんと帰ってこいよ。お父さんが悲しむからな!」
「分かっています。お父さん」

 後ろから、シアが駆け寄って来た。

「ノア!行こうよ!」
「そうだね。では、行ってきます」

 そう言い、指を鳴らすと、景色が変わった。

「学院に到着しましたよ。シア」
「めまいがぁぁぁ……」
「あ、ワープは慣れてないと、めまいするの忘れてた」
「それ先に言って……」

 俺は、シアを、背負いながら、学院の門をくぐった。

 その時だった。

「そこの君!」
「あ、俺、ですか?」
「そうだ」

 ん……?
 こいつ、何処かで、見たことあるような……

「お名前を教えてもらっても……?」
「ああ。私は、学院の生徒指導員のカニルだ」

 カニル……しかも獣人……尾が3本……
 元、俺の配下の一人じゃん。
 こんなところで、生徒指導とは……危険すぎやしないか。

「そ、それで、俺になんのようで……」
「こっちに来い」

 手を引っ張られ、学院の細道へ。

「なんですか! 俺、なにかしましたか?」
「いや……その……君は……魔王様ですか……?」

 感づかれていたか……
 ここで、正体をバラすのも、手ではあるが……いやでも、地味に殺気が放たれている。
 数千年の間に、なにか変わったのであれば、ここで、正体をバラすのは、ハイリスク。
 シアも居るから、ここでは……

「《スリープ》」

 俺が何かを言おうとした時より早く、カニルがシアの頭に手をかざし、言った。

「はぁ……最初から、バレていたのか」
「ええ、バレていましたよ。魔王様」
「さすがは、四天王の一人か……」

 カニルはニコッ、と笑った。

「裏切るつもりはないのか?」
「ありません」
「ならいい。これから、よろしく頼む。くれぐれも、他の奴らにバレないよう、頼む」
「御意」

 ■

「ふぁああーなんかよく眠れた気がする~」
「そうかー」

 実際に寝てたのよ、あなた。

 その時。

「皆さん、こんにちは。このクラスを担当する、カニルだ」

 まさかの、カニルが担任だった。

「よろしく頼む」

 カニルはこっちを向く。

 こりゃ、また、普通とはいかないようだ……

 ■

 休み時間。

 適当に廊下を歩いていると……

「シアちゅあ~ん」
「ちょッ! 近寄らないでください!」

 聞き慣れた声が、曲がり角の奥から聞こえてきた。

 こっそり、見てみると、数人のクラスメイトが、シアを囲み、リーダーっぽいクラスメイトが、シアにナンパをしていた。なんとダサい行為なんだ。
 取り巻きを使うとは……

「はい、そこまでー」

 俺は、そう言い、リーダーっぽいクラスメイトの前まで行く。

「ノア!」
「チッ……なんだよテメェ!」
「シアの幼馴染だが」
「関係ねぇ! さっさと、こいつをボコせッ!」

 取り巻きたちが、俺を殴ろうとするが、魔力結界ではじく。

「なッ! 君は、少し、強さを知らないとだめだよね」

 俺は、リーダーっぽいクラスメイトの背後に回り、蹴り飛ばす。
 その瞬間、クラスメイトは、窓を突き破り、空に消えていった。

「空の旅へ」

 その一言が、この出来事のめになった。

「ノア! ありがと!」
「別に。当然のことを……あ……」

 後に、この出来事が、ノアを厄介な方へ、導いていく。

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