21 / 90
21 手紙
しおりを挟む
クロモの頭の上からギャンギャン言われ、クロは仕方なく人間の姿になり、桃の手伝いに行った。
「あっ、クロちゃんおはよう~。畑から大根とほうれん草取って来て!」
「はいはい。」
「あっ、クロモ様、サクラちゃんにも林檎を食べさせる?」
「サクラ、どうする?今のままでもいいが、林檎を食べるとサクラもクロのように人間の姿になれるかもしれんぞ。」
「サクラは、あるじ様と桃様のお役にたちとうございます!人間の姿になれるのなら、是非に!!」
「そーか、分かった。サクラは本当に良くできた妹だな。」
クロモは、サクラの小さな頭を指で撫でる。
サクラはとっても嬉しそうに目を閉じている。
桃は、ちょっと変な気持ちになり、モヤモヤする。それが嫌で林檎を取りに行った。
ご飯の前に、サクラに林檎をすりおろして食べさせると、人間の姿になった。クロより一回り小さな可愛い女の子だ。
「サクラは、あるじ様の眷族として、精一杯務めさせていただきます。桃様のお手伝いもさせてくださいませ。」
「もちろん!!サクラちゃん、一緒にお料理したり機織りしたりしようね!!」
「はい!!」
なんだかんだで4人分のご飯を用意して、4人揃っての朝食になった。
賑やかな朝食に、桃は小梅を思い出して泣きそうになってしまった。
まだ両親が生きていた頃、こうやって4人で楽しく朝ご飯を食べた。こんな夢を見た、とか、今日の予定なんかも話し合い、こんなご馳走じゃなかったけど、すごく幸せな時間だった。
後片付けをクロとサクラに任せて、桃はクロモに呼ばれ、外に出た。
「桃、俺は村の様子を蜘蛛を通して見る事ができる。それは、前に話したな?毎晩、村の様子をみている。」
「はい。知ってる。」
「それでな、さっき桃は泣きそうな顔をしていた。違うか?」
「えへへへ、バレました?」
「小梅の事を思い出したんじゃないか?」
「……はい。」
「実はな、小梅は爺様の所でとても大切に育てられている。だが、桃と一緒だ。夜になると寂しくて泣いているんだ。」
「……っ!!」
「俺は、それを見るのが辛い。桃は村に帰る事はできないし、小梅をここに呼ぶ事もできない。昨夜、小梅に蜘蛛を使って話しかけた。桃、ひらがなを覚えただろう?だから手紙を書け。俺が運んで、爺様の所の蜘蛛に渡してやる。小梅にも、手紙を書けるように紙や鉛筆を渡す。どうだ?」
「クロモ様、あっ、ありがとう!!ぅえっ、うっうっ。」
「泣くな。寂しい思いをさせて悪いな。」
「そ、そんな、こっ事ない。私にはクロモ様がいるし、寂しくない。でも、小梅は……。」
「そうだな。だが心配するな。俺がしっかりと見守っているし、爺様の家族にも可愛がられているぞ。」
「うん!!私、手紙を書くよ。あっ、そーだ、あいうえお表も作って一緒に持って行ってもらったら小梅も覚えやすいよね!それも作る!!」
「今日は、機織りはいいから小梅に手紙を書くといい。これは、手紙を書く紙だ。桃の花の絵が透かしに入ってて桃にピッタリだ。」
「ありがとうクロモ様!!」
桃は部屋に走って行った。
ご飯の用意は、まだまだ桃が教えなければ無理だが、洗濯や洗い物などはクロとサクラがしてくれる。それに畑の世話や掃除なども2人が頑張ってくれるそうだ。
背が低い2人なので、洗濯物を干したり高い所の物を取ったりは出来ず、クロモは2人の為に木を組み合わせ、クロモの糸でしっかりと縛り踏み台を作った。
桃が手紙に夢中なので、クロモが鶏の世話をしようとオスとメスだけの囲いの中に入って卵を回収しようとすると、オスとメスの二羽が片言を話している。
ん?こいつらには神力を注いだりしてないぞ?
良く見ると、林檎の芯の欠片が餌箱に入っている。
「桃、林檎、皮くれた。」
「林檎、芯、食べた。」
「話せる。」
「話せる。」
どんだけだよ!!林檎凄すぎるだろ!!
「卵、どぞ!」
「力、ある。2つ、産む。」
うわーー。鶏に占領される日が来るかもしれない。
「あっ、クロちゃんおはよう~。畑から大根とほうれん草取って来て!」
「はいはい。」
「あっ、クロモ様、サクラちゃんにも林檎を食べさせる?」
「サクラ、どうする?今のままでもいいが、林檎を食べるとサクラもクロのように人間の姿になれるかもしれんぞ。」
「サクラは、あるじ様と桃様のお役にたちとうございます!人間の姿になれるのなら、是非に!!」
「そーか、分かった。サクラは本当に良くできた妹だな。」
クロモは、サクラの小さな頭を指で撫でる。
サクラはとっても嬉しそうに目を閉じている。
桃は、ちょっと変な気持ちになり、モヤモヤする。それが嫌で林檎を取りに行った。
ご飯の前に、サクラに林檎をすりおろして食べさせると、人間の姿になった。クロより一回り小さな可愛い女の子だ。
「サクラは、あるじ様の眷族として、精一杯務めさせていただきます。桃様のお手伝いもさせてくださいませ。」
「もちろん!!サクラちゃん、一緒にお料理したり機織りしたりしようね!!」
「はい!!」
なんだかんだで4人分のご飯を用意して、4人揃っての朝食になった。
賑やかな朝食に、桃は小梅を思い出して泣きそうになってしまった。
まだ両親が生きていた頃、こうやって4人で楽しく朝ご飯を食べた。こんな夢を見た、とか、今日の予定なんかも話し合い、こんなご馳走じゃなかったけど、すごく幸せな時間だった。
後片付けをクロとサクラに任せて、桃はクロモに呼ばれ、外に出た。
「桃、俺は村の様子を蜘蛛を通して見る事ができる。それは、前に話したな?毎晩、村の様子をみている。」
「はい。知ってる。」
「それでな、さっき桃は泣きそうな顔をしていた。違うか?」
「えへへへ、バレました?」
「小梅の事を思い出したんじゃないか?」
「……はい。」
「実はな、小梅は爺様の所でとても大切に育てられている。だが、桃と一緒だ。夜になると寂しくて泣いているんだ。」
「……っ!!」
「俺は、それを見るのが辛い。桃は村に帰る事はできないし、小梅をここに呼ぶ事もできない。昨夜、小梅に蜘蛛を使って話しかけた。桃、ひらがなを覚えただろう?だから手紙を書け。俺が運んで、爺様の所の蜘蛛に渡してやる。小梅にも、手紙を書けるように紙や鉛筆を渡す。どうだ?」
「クロモ様、あっ、ありがとう!!ぅえっ、うっうっ。」
「泣くな。寂しい思いをさせて悪いな。」
「そ、そんな、こっ事ない。私にはクロモ様がいるし、寂しくない。でも、小梅は……。」
「そうだな。だが心配するな。俺がしっかりと見守っているし、爺様の家族にも可愛がられているぞ。」
「うん!!私、手紙を書くよ。あっ、そーだ、あいうえお表も作って一緒に持って行ってもらったら小梅も覚えやすいよね!それも作る!!」
「今日は、機織りはいいから小梅に手紙を書くといい。これは、手紙を書く紙だ。桃の花の絵が透かしに入ってて桃にピッタリだ。」
「ありがとうクロモ様!!」
桃は部屋に走って行った。
ご飯の用意は、まだまだ桃が教えなければ無理だが、洗濯や洗い物などはクロとサクラがしてくれる。それに畑の世話や掃除なども2人が頑張ってくれるそうだ。
背が低い2人なので、洗濯物を干したり高い所の物を取ったりは出来ず、クロモは2人の為に木を組み合わせ、クロモの糸でしっかりと縛り踏み台を作った。
桃が手紙に夢中なので、クロモが鶏の世話をしようとオスとメスだけの囲いの中に入って卵を回収しようとすると、オスとメスの二羽が片言を話している。
ん?こいつらには神力を注いだりしてないぞ?
良く見ると、林檎の芯の欠片が餌箱に入っている。
「桃、林檎、皮くれた。」
「林檎、芯、食べた。」
「話せる。」
「話せる。」
どんだけだよ!!林檎凄すぎるだろ!!
「卵、どぞ!」
「力、ある。2つ、産む。」
うわーー。鶏に占領される日が来るかもしれない。
0
あなたにおすすめの小説
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる