山神様への嫁入り

みーか

文字の大きさ
33 / 90

33 我慢

しおりを挟む
 小梅に、ちゃんと仕事ができた事や、サクラに教わった事などを書いた手紙を持って、風呂上がりにクロモの部屋に行くとそのまま押し倒されて、思いっきり愛された。
 部屋に戻って日記を書いたりしていると、クロモが一緒に寝ようとやってきて、布団の中でパジャマのボタンを外していく。

「ク、クロモ様、さっきも仕事した……あ………。」
「サクラから聞いただろ?何度もする事が大切なんだ。」
「ん………でも……。」
「嫌か?」
「……ぃやじゃない。」
「じゃあ、いただきます!!」

 桃が寝てしまうと、クロモは自分の部屋に行き少し反省していた。

 ちょっと飛ばし過ぎかな。今までの我慢の分、抑えられなくなってるしなぁ。
 しかも子が出来たらしばらくはおあずけだからなぁ~。

 この調子だと案外早くそうなりそうだ。

 子が宿れば、桃の体も変化して不老不死になるし、普通の人間より子が早く腹の中で育つそうだ。
 5ヶ月で子は産まれ、乳を飲ませるのも一月ほどだと聞いた。

 その間は、男が我慢する時間なんだそうだ。前山神は、嫁が沢山いたから順番に妊娠、出産で我慢は最初の2人くらいだったと言っていたが、桃は初めての嫁だし、桃以外の嫁をもらう気もない。
 山神の子は、村にいる子どもに合わせて成長するらしいので、最初の子は、源に合わせた女の子だろう。かなりのスピードで大きくなり、次の嫁入りには村に行く事になる。
 その次は小梅に合わせて2年後の嫁入りには15歳に成長する。
 その後は、まだ赤ちゃんだからあまり変わりなく成長するんじゃないだろうか。
 これで村も少しづつ人が増えていく。本来なら血の繋がりがあるもの同士が結婚するのは良くないと言われているが、クロモも神だし、桃も神に近い存在になるからあまり問題ない。できれば避けた方がいいらしいが、人が居ないから仕方ない。山神の子は、子宝に恵まれ、ますます村が盛えていく。

 なら、子が宿る前に半年我慢できるくらいしておきたい。子育て期間も入れたら、更に我慢の時間が増えるかもしれない。

 ちょっと蜘蛛の姿にも慣れてくれたし、かなり愛されてると思う。

 悶々としながら朝になり、桃を起こしに行き、寝顔を見たら我慢なんて無理だと朝から桃への愛を爆発させた。

 朝食の席のクロとサクラの視線が痛いが、仕方ないじゃないか!!桃が可愛いんだから!!!

 食後に鶏達を見に行くと鶏達にもジトーっとした目で見られた。

「ヒヨコ、卵、我慢。」
「そーだそーだ!山神だけズルい。」
「嫁、大変!」
「なんでお前達まで知ってるんだよ!」
「嫁と山神からのオーラでわかる。」
「マジか!!」
「マジ、マジ!!」
「おい、片言じゃなくスラスラ喋っている奴がいるぞ!」
「そりゃあ、俺と嫁は、毎日林檎をゲットしてるからな!俺達がいたからこれだけ増えたんだ。感謝しろ、山神!」
「………クロの態度のデカさは、お前からの遺伝だな。はぁー。」
「もぅあの子は、山神の眷族。私達とは別の種族です。」
「まぁ確かにな。それにしても子沢山過ぎないか?」
「おいおい、孫やひ孫でいるんだぞ!こんなもんだろ~。」
「………はぁ~。」

 クロモは、山に薪になる木を取りに行き、今日も夜になるのを楽しみに冬支度を頑張っていた。

 村では、桃が嫁となった事で、いつもより野菜がよく育ち、今年の冬は安心して過ごせると皆んな喜んでいた。……源以外は。

 小梅に手紙を届け、いそいそと桃の部屋に行くと、桃が困った顔をして待っていた。

「どーした?」
「あの、クロモ様。私、なんだか昼頃から眠くて眠くて。今夜はもぅ寝てもいい?」
「あ、あぁ。もちろん。おやすみ、桃。」
「ごめんね。おやすみなさい。」

 強がって平気なふりをしていたクロモだが、かなりガッカリしていた。夜を楽しみにいていただけに、落ち込んで桃の部屋を出て元の姿になり、少し溜まっていた日記や村の見守りをして風呂に入って掃除をして、まだ渡していない『こんにちは赤ちゃん』の本をペラペラとめくる。

 ん?赤ちゃんが産まれる前に揃えておきたい物?
 あぁ、なるほど。確かに準備は必要だな。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...