異世界では人間以外が日本語でした

みーか

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45 貴族

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『ぎゃーー、目が!!』
『ハックション!!』
『ゴホッゴホッ……の、喉…。』
『く、くそ!撃て!!』

 しばらく銃声が響き渡っていたが、静かになった。

 大丈夫かな?誰も傷ついてないか??

「トーマスさん、大丈夫?」
「私は大丈夫。兵士の方達は?」
「ちょっと覗いてみる。」
「気をつけて。」
「うん。」

 しっかりと閉めらていた窓の木の扉をそっと開けて外の様子を見た。

 銃弾は全部透明な膜に弾き返されてアニマ国の兵士は無事だ。

 これも、トーマスさんがニーン国で色々と作っていた道具の一つだ。本当にあの時トーマスさんと一緒に逃げて良かった。トーマスさんがいなければ、今も沢山の犠牲者が出ていたと思う。

『くそー!!撤退だ!』

 ふぅ~。とりあえず今回はなんとかなった。

 ん?帰って行かない人達が数人いるぞ?

 ほとんど山の中に入って行ったのを確認して、戻って来た人もいる。

「トーマスさん、あれ!」
「ん?こっちに近づいて来てないかい?」
「本当だ。」
「何か言ってる?」
「え?」

 よく見ると、両手をあげて何か叫んでる。

「コインさん、スピーカーの音聞こえるようにして!」
「わかった。」

『頼む、助けてくれ!』
『私達は、無理矢理連れて来られたんだ。』
『私達も貴族だが、ニーン国の兵士にわからないようにアニマ国の人達を大切にしてきたんだ。』
『信じてもらえないかもしれないが、ここに残った我々はアニマ国と仲良くしたいと思ってきた。』
『アニマ国との友好を勧め、私の娘は王に連れて行かれた。』
『他にも家族を捕えられたり、奴隷にされた人もいる。それが怖くて何も出来なくなってしまったんだ。』
『本当に申し訳ない。』

 それを通訳して、兵士に伝える。

「どうする?シオン決めてくれ!」
「えっ?俺が決めるの?」
「それが1番いいだろう。」
「あぁ。」
「そうだな。」

「トーマスさん、あの人達の事知ってる?」
「いや、私は城の中にずっといたので貴族の顔は知らないんだよ。」
「そうか。よし、俺ちょっと行って話してくる。」
「えっ、シオン君1人じゃ危ないよ。」
「大丈夫。ほら、トーマスさんが作ってくれたコレがあるから!」
「でもね、もしもの事があったら困るよ。」
「んー、じゃあコインさんと一緒に行ってくる。」
「わかった。」

 トーマスさんに作ってもらった前世のスタンガンのような物と、唐辛子の粉末を詰め込んだ水鉄砲を持ってコインさんとニーン国の貴族の人達の所までゆっくりと近づいた。

『俺はシオン。ニーン国の人間だ。でも、アニマ国に来てアニマ国に助けてもらったんだ。』
『あ、あの、私が代表で話してもかまわないだろうか?』
『わかった。』
『本当に、ここにいる人達はアニマ国との友好を願っていた人達だ。都合の良い事を言ってるのはわかってる。願うだけで何もできなかったし、人質を取られ逆らう事もせず私達が助けられた人はほんの数人だ。それも、奴隷として買い取り少しマシな暮らしを用意するくらいしか出来なかった。』
『わかった信じよう。』
『ありがとう。』
『で、助けてほしいってどういう事?』
『実は君達がニーン国から人を逃してから、ニーン国は大変なんだ。』

 どうやら、俺達が魔力を持って逃げてからも国王は贅沢を続け、贅沢に慣れた貴族達も何も考えずにやりたい放題。魔力が尽きそうになり、平民達に食糧を出させようとしたが、ほとんどの人がアニマ国に逃げていて人がいない。さらに貴族同士の食料の奪い合い、料理人は食材を持って逃げ出してしまい、料理を作った事がない貴族達は、たとえ野菜があってもそのまま食べる事しかできず、こんな不味い物食えるか!と怒り捨ててしまっているようだ。
 救いようがないな!

 ここに残った人達は、使用人や奴隷を大切にしていたので残ってくれた人もいるし、なんとかなったらしいが、それを理解してない他の貴族達が使用人を連れて行ってしまったり、料理を奪いにきたりしたそうだ。
 だから、使用人達を兵士に紛れるようにして、自分達も目をつけられていたから、兵士としてアニマ国を攻めるように言われたらしい。この機会を逃したら二度と逃げ出せないと思って、こっそり連絡を取り合って計画を立てた。

『わかった。受け入れようと思う。』

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