いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

文字の大きさ
56 / 185

変態

 朝になり、3バカトリオは私の出した大量のパンと飲み物を配って回ってくれている。
 私は、ひたすら外で苗を出しまくる。ルイ君、ダンドンさんは耕運機でひたすら畑作りをしてくれている。
 昨夜、避難所の1階に寄って食べ物の補充をしようと思い、見たら半分なくなっていた。恐ろしいペースで消えている。ハゼドンが昨日持って来た野菜や果物、肉や卵は、ほとんど夜のオーガ達のご飯に使ってしまったと言っていた。
 
 せっせと苗を出していると、男のリーダーの1人、ワーガがやってきて片膝をついて頭を下げる。
「陽菜様、俺は何をさせていただいたらよろしいですか??あなたの下僕として俺を使ってください。」
 青い顔をピンクに染めて足に擦り寄ってくる。
「ぎゃーーーー!!やめて!!普通に働いてくれたらいいです!!」

 何か変なものに目覚めたらしい。怖い。
「そう言わずに……。そんなに嫌がられると………はぁはぁ……嬉しいですぅー。」
 ひぃーーーーー!!!変態だ!
 とりあえず、こいつから逃げたい。

「この大きな木の苗を持って、1番遠くの畑の端に、スコップで穴を掘って植えて来てください!いいですか、1番遠く!はい、スコップ。」
「ありがたき幸せ。行ってまいります!」
 ビュンっ!!と音がするスピードで大木とスコップを担いで消えていった………。
 やばい奴だった。出来るだけ関わらないようにしよう。美形の変態って、想像以上に恐怖だ!

 車で、ルイ君達が広げている畑の端まで行き、そこに苗を出していく。

 田んぼも作らねば!麦や蕎麦も作ろう。とにかく沢山作ろう!!
 休憩所も出しておかなければ…。色々と考えていると砂煙が近づいてくる………嫌な予感がする。
 逃げなきゃ!と思った時には目の前に変態がいた……。
「陽菜様、植えてまいりました。ご褒美に蹴ってください。はぁはぁ。」
「………。いや、蹴らないし。私、変態嫌いだから!」
「………おおお、その目!その目がたまらん……。虫けらを見るようだ……はぁはぁ……。」

 ダメだ。何しても喜ぶ。怖すぎる!できるだけ淡々と関わろう。
「次は、この木をさっきの隣りに植えて来てください。」
「ふふふ、喜んで!!行ってまいります。」
 ビュン!と消えた。恐ろしい変態パワーだ。

 他のオーガ達も手伝いに出てきてくれたので、3バカトリオに教えてもらいながら野菜の苗を植えていく。
 私はひたすら休憩所と苗をこれでもか!と出しておく。
 それから牧場も作っておこう。動物達も増えて来てるからここでも飼ってもらおう。
 乳牛を食べたりしないか心配だけど………。しっかりと言っておけば大丈夫だろう。

 昼になり、私とルイ君とダンドンさんは帰る事にする。次は動物を連れて来なきゃね!

 3バカトリオは、ここに残って畑仕事や料理などを教えてくれるそうだ。

 変態が来る前に、とっとと出発だ!
 交代で運転しながらご飯を食べ夜にはハルー村に着くようにしたい。

 ん?サイドミラーに何か写っている。こっちに向かっているように見える。
「ルイ君!スピード出していいよ!」
 嫌な予感がする。
「は、陽菜……、追いつかれる。」
 80キロで走ってる車に追いつくなんて、流石に無理だろう~。と安心していたら、車の横を並走するワーガと目が合う……。

 はぁー、もぅダメだ。この変態には勝てない。
 車を止めてもらい、乗せる。さすがにずっと走らせるわけにはいかないしね。
「陽菜様~!陽菜様が行かれる所なら何処へでもついて行きます!!」
「はぁー、もぅ勝手にしてください。」
 変態ワーガはニッコニコだ。
 
 夜にハルー村へ着いた。夜ご飯にを食べに食堂に行くと、何人かいた女性陣がワーガを見て目をハートにさせていた。
 見た目はねぇ~。そりゃもう整っててカッコイイけど……残念な変態だからなぁ~。

 ワーガは、目をキラキラさせて食べ物を見ている。好きなだけ食べていいよと言うとテーブルいっぱいにご馳走を並べている。
「陽菜様!一緒に食べましょう!!」
「……はぁー、分かりました。」
 あまりの食べっぷりに、周りは目が点になっている。

 お酒を飲ませたらどうなるんだろう……。ちょっと好奇心で酎ハイを勧めてみた。とりあえずオーガ達は、食べる事に夢中すぎてお酒を飲む事はなかった。

 日本の鬼は、お酒大好きで強いイメージがあるから、やっぱり強いのかなぁ??
  
 一口飲んで甘くて美味しいと言ったと思ったら、急にほっぺが真っ赤になって目が据わっている。
 一口で酔っ払いの出来上がり…。酔うとどうなるんだ??変態がパワーアップしたらどうしよう……。

 普通に、テーブルに持って来た料理をパクパクと全て食べる。
 あれ?酔ってないのかな?

「陽菜様~。俺、眠くなっちゃいました~。」
 あぁすぐに寝ちゃうタイプか?仕方ないなぁ、空いてるアパートにでも放り込んで寝てもらおう。
「家に連れて行くから、歩ける?」
「陽菜様~、手を繋いでくださ~い。1人では歩けません~。おてて~!」
 あっ、めんどくさいタイプの酔っ払いだ。飲ますんじゃなかった!!
「はいはい。行きますよー!」

 仕方なく手を引っ張って車に乗せる。1番近いアパートの空いてる部屋に連れて行き、布団を敷いて帰ろうとしたらワーガが駄々をこねだした!めんどくさいーー!

「陽菜様~、とんとんしてくれなきゃ寝れません~!」
 イラッとしながら、相手は酔っ払い、相手は酔っ払いとぶつぶつ言いながら雑にとんとんする。

 満面笑みを浮かべている。
「陽菜様~、ありがとう~。俺、陽菜様の役に立ちますからね~………すぅーすぅー……」
 くぅー!顔だけは良いから、こんな可愛い事言われたらキュンとしちゃうじゃないか!!

 いや、騙されるな!相手は変態だ!少しでも隙を見せたらダメだ!!

 さ、帰って寝よう……。今日も疲れた……。特に変態のせいで!!!
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

異世界に来たからといってヒロインとは限らない

あろまりん
ファンタジー
※ようやく修正終わりました!加筆&纏めたため、26~50までは欠番とします(笑)これ以降の番号振り直すなんて無理! ごめんなさい、変な番号降ってますが、内容は繋がってますから許してください!!!※ ファンタジー小説大賞結果発表!!! \9位/ ٩( 'ω' )و \奨励賞/ (嬉しかったので自慢します) 書籍化は考えていま…いな…してみたく…したいな…(ゲフンゲフン) 変わらず応援して頂ければと思います。よろしくお願いします! (誰かイラスト化してくれる人いませんか?)←他力本願 ※誤字脱字報告につきましては、返信等一切しませんのでご了承ください。しかるべき時期に手直しいたします。      * * * やってきました、異世界。 学生の頃は楽しく読みました、ラノベ。 いえ、今でも懐かしく読んでます。 好きですよ?異世界転移&転生モノ。 だからといって自分もそうなるなんて考えませんよね? 『ラッキー』と思うか『アンラッキー』と思うか。 実際来てみれば、乙女ゲームもかくやと思う世界。 でもね、誰もがヒロインになる訳じゃないんですよ、ホント。 モブキャラの方が楽しみは多いかもしれないよ? 帰る方法を探して四苦八苦? はてさて帰る事ができるかな… アラフォー女のドタバタ劇…?かな…? *********************** 基本、ノリと勢いで書いてます。 どこかで見たような展開かも知れません。 暇つぶしに書いている作品なので、多くは望まないでくださると嬉しいです。

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい

寿明結未(ことぶき・あゆみ)
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。 ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。 ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。 時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。 だから――。 「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」 異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ! ============ 小説家になろうにも上げています。 一気に更新させて頂きました。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい

木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。 下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。 キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。 家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。 隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。 一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。 ハッピーエンドです。 最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。

攻略. 解析. 分離. 制作. が出来る鑑定って何ですか?

mabu
ファンタジー
平民レベルの鑑定持ちと婚約破棄されたらスキルがチート化しました。 乙ゲー攻略?製産チートの成り上がり?いくらチートでもソレは無理なんじゃないでしょうか? 前世の記憶とかまで分かるって神スキルですか?