もふもふにゃんこ ゴマくんの冒険記

戸田 猫丸

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第4部〜決戦・vsライム編〜

第11話〜星光団の守護機神、登場〜

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「ついに、この時が来たのだ!」
 
 広場に着陸した巨大円盤から聞こえてきたその声の主は――ライムだった。

「ライム、あなた……」

 母ちゃんがまた、悲しげな顔を見せた。
 着陸した巨大円盤が再び浮かび上がる。底にあるハッチがゆっくりと開いた。同時に、またライムの声が街に響き渡る。

「改良版“ワームホール”を使って、ニャンバラ空軍を呼んだ。これより、邪魔な建物は全て破壊する。そして私たちの思い通りの新しい理想郷ユートピアを、ここに築かせてもらう。行け、【飛行戦艦ウラヌス】、【飛行戦艦ネプチューン】!」

 巨大円盤のハッチから、2機の飛行戦艦が現れた。2機ともカドが丸い長四角形で、ボディのあちこちに砲台が装備されている。唸るようなエンジンの音とともに、円盤が飛び交う夜空へと飛び立った。
 次の瞬間、飛び立った2機の戦艦からミサイルやレーザーが一斉に放たれた。あまりの眩しさに、ボクは思わず顔を覆った。次に見た時には、街の建物が瓦礫へと変わっていた。土埃と煙が立ち込める。
 ニャンて事しやがるんだ。許せねえ……。絶対ぶっ潰してやる、ライム!!

「敵は飛行部隊だ。僕たちも戦闘機に乗って戦おう。【守護機神】を呼ぶぞ!」
「応!」

 ソールさんたちの声。戦闘機だと!? そんニャ物もあるのか。

「【守護神アポロ】!」

 ソールさんが天に向かって剣を掲げ、叫んだ。すると。
 夜空にキラリと光が現れた。それは流れ星のように飛んでくる。
 とんがった形をした、白色のボディの戦闘機だ。
 ひとりでに飛んできた戦闘機はソールさんの近くの地面に降り立って、ひとりでに楕円形の扉が開く。
 ソールさんに続き、母ちゃん、マーズさん、マーキュリーさん、ヴィーナスさんも、剣や杖とかのそれぞれの武器を空に向けて掲げていた。

「【守護神アルテミス】!」
「【守護神アレス】!」
「【守護神ヘルメス】!」
「【守護神アフロディーテ】!」

 夜空からまたしても4機の、それぞれ形の違った戦闘機が現れた。
 凄まじい風が吹きつけて、4機の戦闘機が地上に降り立つ。
 ソールさんたちはそれぞれの戦闘機へと向かった。

「ゴマくんは、ムーンの【アルテミス】に、スピカさんはヴィーナスの【アフロディーテ】に乗ってくれ! 準備ができたら、みんな僕の【アポロ】について来るんだ!」
「フォ……フォボスさんは私の【ヘルメス】に。ダイモスさんは、マーズの【アレス】に! い……急いでね!」

 母ちゃんに「ゴマ、こっちです!」と言われて案内される。母ちゃんの乗り込む戦闘機“アルテミス”は、紫色の三日月形のボディに、小型の砲台らしきものが4つ、ついていた。
 楕円形の扉から、中に入る。操縦席には、訳の分からねえ機械やらがゴチャゴチャとついていた。操縦席に座った母ちゃんが、ピッピッピッとボタンを押している。

「母ちゃん、ベルト締めたぜ!」
「では、行きますよ! “アルテミス”発進です!」

 “アルテミス”は、スゥーッと、真っ直ぐ上方向に飛び立った。他の戦闘機――ソールさんの“アポロ”、マーズさんの“アレス”、マーキュリーさんの“ヘルメス”、ヴィーナスさんの“アフロディーテ”――も、同じように飛び立つのが見える。
 ニャハハ、コイツはすげえ体験だぜ。帰ったらルナの奴に自慢してやろう。

 空中戦、開始だ!
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