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本編
国王様は仕立て屋に行きます
しおりを挟むガチャッ
「いらっしゃいませ」
父様がドアを開けると3ピーススーツを綺麗に着こなした青年が出迎えた。
あのルートだろうか?
随分、、でかくなったな、うん。
、、、俺が小さくなっただけだろうか?
「予約していたアールステットだが。オーダーしたものは出来ているだろうか?」
「はい、少々お待ちくださいませ。」
そう言って後ろの部屋へと消えていった。
きっと保管場所などがあるのだろう。
店内は初めてみたな、
ぐるっと一周見渡すとあるものに目が止まった。
1着の3ピーススーツがショーケースに飾ってあったのだ。
それは、俺が国王の時に作ってもらったスーツだった。
当時は少年に注文、など前代未聞だったろうしプレッシャーもすごかっただろうが、ルートは見事やってくれた。
一度公共の場で俺が着用したが、これはルートが初めて自分の考えで作ったものだ。なんだか俺が持ってはいけないような気がしてルートに返したのだ。
いつか大きくなったら着るとかしてくれればいいな~くらいの気持ちで送り返したが、こんなに店の真ん中にしかもショーケースに入れられて飾られるとは思わなかったな。
「はは…。」
ソフィアから乾いた笑いが出てしまった。
すると父様がそれに気づき近くに来て話す。
「ソフィ、これはなソフィが産まれる前にこの国の王だった人が一度着たものだよ。この店は王も認める場所と言うことだ。私は息子達に無事、いい学園生活を送ってもらいたい。縁担ぎのようなものかな。」
wow
俺、そんな崇められてるのか?
別に俺は神でもなんでもないのに。
「あ、あはは。」
おかげで本日2回目の乾いた笑いをしてしまった。
「すみません、お待たせ致しました。」
「ああ、大丈夫だ。ソフィ、着てみてくれ。」
「はい、」
少し緊張しながらルートの方へと近づく。
先ほどはルートも俺も父様でしっかり見えてなかっただろうから、初対面みたいな感じだ。
「…!!!」
俺の顔をすごく驚いた顔を先に見せた。
え、なに。さっきからほんと。俺なんか変か?
「えと、よろしくお願いします。」
「っ、あ、はい。こちらへどうぞっ。」
先程の真面目そうな雰囲気とは打って変わり、ルートはソワソワとしているように見えた。
何かしてしまっただろうかと心配になりながらも試着室に続く。
「あの…、ソフィア様は前国王のご親戚だったりするのでしょうか?」
ルートは店内を見ている父様に聞こえないような小さな声で俺に問いかけた。
「い、いや。特にそのような話は聞いたことがありません。」
「そうですか……」
やばい、なにでバレたんだ?
見た目は全然違うじゃないか、態度だって全く違う…つもりだし。どの点でそう思ったのだろうか。
「な、なぜでしょうか?」
「あの…、なんとなくというのもありますがその赤い瞳はお客様の中でも見たことがないので…」
え、ちょっと待って。赤い瞳ってそんなレアなのか?
確かに俺は見たことないが、世界は広いし皆に言われたこともなかったから普通だと思ってた。
……もしかして門番たちもこの瞳を見て驚いたのだろうか?そりゃあ、全く見ない中でこんな子供が同じ瞳を持っていたら驚くわな。うんうん。
「あ、あははー。そんな前国王と同じ瞳の色なんて知らなかったです!そんなすごい方と同じなんてとても恐れ多いですね。」
…恥ずかしい!!自分で言うの恥ずかしすぎる。
別に凄くもなんともないし。ただの国王だから。
顔に出てしまってはいけないので心の中で冷静になれよと唱えつつそう答える。
「……」
そんな俺を考えるように見つめていたルートには気づかなかった。
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