9 / 35
三人のドローン部
第9話 だって……はずかしいもの
しおりを挟む
キーンコーンカーンコーン……
グラウンドにチャイムが鳴る。下校時間だ。
校長先生は、十分くらい前に部室を出た。職員会議があるらしい。代田くんは、ドローンの練習用に配置した椅子とテーブルを、もともと置いてあった教室のはしっこに戻している。
その間にわたしは、椅子から車椅子に乗り換える。そしてわたしが車椅子に乗ると、代田くんは、わたしが座っていた椅子もかたづける。
ちょうど代田くんが椅子をかたづけた時、わたしのスマホがふるえた。お母さんからだ。校門に、見慣れたオレンジのワゴンが見える。
「じゃ、帰ろうか」
「うん」
代田くんが、車椅子のフックに、わたしのスクールバッグをかけてくれる。そして、自分のスクールバッグも持って、教室の外まで押してくれると、
「じゃ、また明日」
って、あいさつをする。わたしが
「うん」
って、返事をすると、代田くんは、階段がある反対にスタスタと歩いていく。さも、他人ですよってフリをして、偶然、一緒になったんですよって感じで、スタスタと歩いて帰っていく。
だって……はずかしいもの。他の生徒とすれ違ったらはずかしいもの。車椅子を押されているところを知らない人に見られたらはずかしいもの。
「あのふたり、つきあっているの?」
って、へんなウワサがたっちゃうかもしれないもの。そんなことになったら……はずかしい。そ、それに、代田くんに迷惑だ。
わたしは、右手で車椅子にそなえつけられたプロポ……じゃない、コントローラーを前に倒して、車椅子を前進させる。
そして、エレベーターの「下」ボタンを押した。
ドアはすぐに開く。わたしは、「1F」と「閉」ボタンを押した。
チーン
エレベーターが一階についた。わたしは下駄箱をつっきって、そのままグラウンドに出る。シューズは上履きのまま。だってわたしには、外履きはいらないもの。
わたしは、車椅子のコントローラーを前に倒して、無言のままグランドをつっきっていく。
遠くに、校門から出ていく代田くんの姿が見えた。
そしてその先に、わたしの車椅子に気が付いたお母さんが、車を出て後部のバックドアを開けていた。
代田くんは、その様子をチラッと見ながら、学校から出ていった。
グラウンドにチャイムが鳴る。下校時間だ。
校長先生は、十分くらい前に部室を出た。職員会議があるらしい。代田くんは、ドローンの練習用に配置した椅子とテーブルを、もともと置いてあった教室のはしっこに戻している。
その間にわたしは、椅子から車椅子に乗り換える。そしてわたしが車椅子に乗ると、代田くんは、わたしが座っていた椅子もかたづける。
ちょうど代田くんが椅子をかたづけた時、わたしのスマホがふるえた。お母さんからだ。校門に、見慣れたオレンジのワゴンが見える。
「じゃ、帰ろうか」
「うん」
代田くんが、車椅子のフックに、わたしのスクールバッグをかけてくれる。そして、自分のスクールバッグも持って、教室の外まで押してくれると、
「じゃ、また明日」
って、あいさつをする。わたしが
「うん」
って、返事をすると、代田くんは、階段がある反対にスタスタと歩いていく。さも、他人ですよってフリをして、偶然、一緒になったんですよって感じで、スタスタと歩いて帰っていく。
だって……はずかしいもの。他の生徒とすれ違ったらはずかしいもの。車椅子を押されているところを知らない人に見られたらはずかしいもの。
「あのふたり、つきあっているの?」
って、へんなウワサがたっちゃうかもしれないもの。そんなことになったら……はずかしい。そ、それに、代田くんに迷惑だ。
わたしは、右手で車椅子にそなえつけられたプロポ……じゃない、コントローラーを前に倒して、車椅子を前進させる。
そして、エレベーターの「下」ボタンを押した。
ドアはすぐに開く。わたしは、「1F」と「閉」ボタンを押した。
チーン
エレベーターが一階についた。わたしは下駄箱をつっきって、そのままグラウンドに出る。シューズは上履きのまま。だってわたしには、外履きはいらないもの。
わたしは、車椅子のコントローラーを前に倒して、無言のままグランドをつっきっていく。
遠くに、校門から出ていく代田くんの姿が見えた。
そしてその先に、わたしの車椅子に気が付いたお母さんが、車を出て後部のバックドアを開けていた。
代田くんは、その様子をチラッと見ながら、学校から出ていった。
0
あなたにおすすめの小説
隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい
藤永ゆいか
児童書・童話
過去のある出来事から、空手や合気道を習うようになった私。
そして、いつしか最強女子と言われるようになり、
男子が寄りつかなくなってしまった。
中学では恋がしたいと思い、自分を偽って
学校生活を送ることにしたのだけど。
ある日、ひったくり犯を撃退するところを
クラスメイトの男子に見られてしまい……。
「お願い。このことは黙ってて」
「だったら、羽生さん。
俺のボディーガード兼カノジョになってよ」
「はい!?」
私に無茶な要求をしてきた、冴えないクラスメイトの
正体はなんと、大財閥のイケメン御曹司だった!?
* * *
「ボディーガードなんて無理です!」
普通の学校生活を送りたい女子中学生
羽生 菜乃花
×
「君に拒否権なんてないと思うけど?」
訳あって自身を偽る隠れ御曹司
三池 彗
* * *
彗くんのボディーガード兼カノジョになった
私は、学校ではいつも彼と一緒。
彗くんは、私が彼のボディーガードだからそばにいるだけ。
そう思っていたのに。
「可愛いな」
「菜乃花は、俺だけを見てて」
彗くんは、時に甘くて。
「それ以上余計なこと言ったら、口塞ぐよ?」
私にだけ、少し意地悪で。
「俺の彼女を傷つける人は、
たとえ誰であろうと許さないから」
私を守ってくれようとする。
そんな彗くんと過ごすうちに私は、
彼とずっと一緒にいたいと思うようになっていた──。
「私、何があっても彗くんのことは絶対に守るから」
最強女子と隠れ御曹司の、秘密の初恋ストーリー。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
荒川ハツコイ物語~宇宙から来た少女と過ごした小学生最後の夏休み~
釈 余白(しやく)
児童書・童話
今より少し前の時代には、子供らが荒川土手に集まって遊ぶのは当たり前だったらしい。野球をしたり凧揚げをしたり釣りをしたり、時には決闘したり下級生の自転車練習に付き合ったりと様々だ。
そんな話を親から聞かされながら育ったせいなのか、僕らの遊び場はもっぱら荒川土手だった。もちろん小学生最後となる六年生の夏休みもいつもと変わらず、いつものように幼馴染で集まってありきたりの遊びに精を出す毎日である。
そして今日は鯉釣りの予定だ。今まで一度も釣り上げたことのない鯉を小学生のうちに釣り上げるのが僕、田口暦(たぐち こよみ)の目標だった。
今日こそはと強い意気込みで釣りを始めた僕だったが、初めての鯉と出会う前に自分を宇宙人だと言う女子、ミクに出会い一目で恋に落ちてしまった。だが夏休みが終わるころには自分の星へ帰ってしまうと言う。
かくして小学生最後の夏休みは、彼女が帰る前に何でもいいから忘れられないくらいの思い出を作り、特別なものにするという目的が最優先となったのだった。
はたして初めての鯉と初めての恋の両方を成就させることができるのだろうか。
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる