君と暮らす事になる365日

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にこにこと笑っているが、こいつ、いつでもとんでもねえ奴である。
大体自宅にいて寝袋とか何してんのこいつ。
そんな視線を感じたのだろう。またにこにこと笑いながら、幼馴染はとんでもない物をぶっこんできた。

「最近ソロキャンプにはまってたから、結構お休みの日は外にいたんだ」

「仕事がある日はちゃんと寝床で寝てるんだろう……?」

「彼女の家でも、いっぱい物が置かれている場所が僕の寝床だったから、お布団たたむの面倒くさくて寝袋一択」

だめだこいつは。依里は早々に常識的な考えを破棄した。こいつに常識的な問題を語ってもだめだ、そんな奴だって知っていたけれども。
依里が半眼で見つめる先の幼馴染は、わーい、布団だ布団だ、と歓声を上げ、ごそごそとその中にもぐりこみだす。

「ねえヨリちゃん。明日の朝ごはん、おれが作ってもいい?」

「材料あんまりないからな?」

「うわあ、腕の振るい甲斐がある気がして来た!」

人生の半分以上を楽しそうに過ごす幼馴染は、ある意味最強に違いない。
そんな事を思いつつ、依里は自分の布団にもぐりこんだ。
やっぱりその間ずっと、隣人のどんちゃん騒ぎは収まる事なく響いている。
依里は耳栓を使って眠るのだが、この幼馴染は大丈夫だろうか。
ちらっと間接照明の灯りを助けに、その顔を確認すると、幼馴染はぐうすかと眠っていた。

「平和な奴」

この騒音を耳栓なしで過ごせるなど最強だ。
そんな事を思いつつ、依里は、眠りについた。
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