6 / 52
6
しおりを挟む
にこにこと笑っているが、こいつ、いつでもとんでもねえ奴である。
大体自宅にいて寝袋とか何してんのこいつ。
そんな視線を感じたのだろう。またにこにこと笑いながら、幼馴染はとんでもない物をぶっこんできた。
「最近ソロキャンプにはまってたから、結構お休みの日は外にいたんだ」
「仕事がある日はちゃんと寝床で寝てるんだろう……?」
「彼女の家でも、いっぱい物が置かれている場所が僕の寝床だったから、お布団たたむの面倒くさくて寝袋一択」
だめだこいつは。依里は早々に常識的な考えを破棄した。こいつに常識的な問題を語ってもだめだ、そんな奴だって知っていたけれども。
依里が半眼で見つめる先の幼馴染は、わーい、布団だ布団だ、と歓声を上げ、ごそごそとその中にもぐりこみだす。
「ねえヨリちゃん。明日の朝ごはん、おれが作ってもいい?」
「材料あんまりないからな?」
「うわあ、腕の振るい甲斐がある気がして来た!」
人生の半分以上を楽しそうに過ごす幼馴染は、ある意味最強に違いない。
そんな事を思いつつ、依里は自分の布団にもぐりこんだ。
やっぱりその間ずっと、隣人のどんちゃん騒ぎは収まる事なく響いている。
依里は耳栓を使って眠るのだが、この幼馴染は大丈夫だろうか。
ちらっと間接照明の灯りを助けに、その顔を確認すると、幼馴染はぐうすかと眠っていた。
「平和な奴」
この騒音を耳栓なしで過ごせるなど最強だ。
そんな事を思いつつ、依里は、眠りについた。
大体自宅にいて寝袋とか何してんのこいつ。
そんな視線を感じたのだろう。またにこにこと笑いながら、幼馴染はとんでもない物をぶっこんできた。
「最近ソロキャンプにはまってたから、結構お休みの日は外にいたんだ」
「仕事がある日はちゃんと寝床で寝てるんだろう……?」
「彼女の家でも、いっぱい物が置かれている場所が僕の寝床だったから、お布団たたむの面倒くさくて寝袋一択」
だめだこいつは。依里は早々に常識的な考えを破棄した。こいつに常識的な問題を語ってもだめだ、そんな奴だって知っていたけれども。
依里が半眼で見つめる先の幼馴染は、わーい、布団だ布団だ、と歓声を上げ、ごそごそとその中にもぐりこみだす。
「ねえヨリちゃん。明日の朝ごはん、おれが作ってもいい?」
「材料あんまりないからな?」
「うわあ、腕の振るい甲斐がある気がして来た!」
人生の半分以上を楽しそうに過ごす幼馴染は、ある意味最強に違いない。
そんな事を思いつつ、依里は自分の布団にもぐりこんだ。
やっぱりその間ずっと、隣人のどんちゃん騒ぎは収まる事なく響いている。
依里は耳栓を使って眠るのだが、この幼馴染は大丈夫だろうか。
ちらっと間接照明の灯りを助けに、その顔を確認すると、幼馴染はぐうすかと眠っていた。
「平和な奴」
この騒音を耳栓なしで過ごせるなど最強だ。
そんな事を思いつつ、依里は、眠りについた。
0
あなたにおすすめの小説
Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?
キミノ
恋愛
職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、
帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。
二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。
彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。
無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。
このまま、私は彼と生きていくんだ。
そう思っていた。
彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。
「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」
報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?
代わりでもいい。
それでも一緒にいられるなら。
そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。
Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。
―――――――――――――――
ページを捲ってみてください。
貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。
【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。
Melty romance 〜甘S彼氏の執着愛〜
yuzu
恋愛
人数合わせで強引に参加させられた合コンに現れたのは、高校生の頃に少しだけ付き合って別れた元カレの佐野充希。適当にその場をやり過ごして帰るつもりだった堀沢真乃は充希に捕まりキスされて……
「オレを好きになるまで離してやんない。」
数合わせから始まる俺様の独占欲
日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。
見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。
そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。
正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。
しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。
彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。
仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。
叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
花里 美佐
恋愛
冷淡財閥御曹司VS失業中の華道家
結婚に興味のない財閥御曹司は見合いを断り続けてきた。ある日、祖母の師匠である華道家の孫娘を紹介された。面と向かって彼の失礼な態度を指摘した彼女に興味を抱いた彼は、自分の財閥で花を活ける仕事を紹介する。
愛を知った財閥御曹司は彼女のために冷淡さをかなぐり捨て、甘く変貌していく。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
それは、ホントに不可抗力で。
樹沙都
恋愛
これ以上他人に振り回されるのはまっぴらごめんと一大決意。人生における全ての無駄を排除し、おひとりさまを謳歌する歩夢の前に、ひとりの男が立ちはだかった。
「まさか、夫の顔……を、忘れたとは言わないだろうな? 奥さん」
その婚姻は、天の啓示か、はたまた……ついうっかり、か。
恋に仕事に人間関係にと翻弄されるお人好しオンナ関口歩夢と腹黒大魔王小林尊の攻防戦。
まさにいま、開始のゴングが鳴った。
まあね、所詮、人生は不可抗力でできている。わけよ。とほほっ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる