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そんな会話をした後、依里は夕食を一緒に、という彼女たちに遠慮して、丁寧にお礼を言い、屋敷を後にした。
あたりはすっかり暗くなっており、高級住宅街は静かなものだ。
柳川に選んでもらった、上質な衣類を身にまとった依里は、不意に踵が痛んだために、行儀悪く舌打ちをしそうになった。
慣れない高いヒールの靴を履いていたからであろう、きっとこれは靴擦れだ。
自宅とは大違いの場所である。こんな事ならさっさとタクシーなりなんなりを、呼んで速やかに帰るべきであった。
それか、彼女たちが家まで送る、という申し出をありがたく受け取っておくべきであっただろう。
だがしかし、依里は自宅まで来てもらうわけにはいかなかった。何故か。
それはあの、天才的な才能を持っているのだが、それ以外はポンコツまっしぐらな幼馴染と、同居しているからである。
水葉さんの恋は応援してもいいと思っている。彼女は良い女性だ。そして幼馴染も、どうしようもない部分が多々あるものの、人間としてはそれはもう、善良だ。
二人がうまくかみ合うのならば、それはそれで結構な事である。
しかし、男女のルームシェアは、どうしたって邪推されがちなのだ。
本人たちに一切合切、色めいた関係がなくとも、他人は簡単にそう言った事を考えるのだ。
そんな物で、水葉さんにも、薫子さんにも疑われたくないのだ。
……いいやそもそも、今日の時点で、奴が今までは、日常的に女性の家に転がり込み、何かと女性の世話を焼き、家に上げてもらっていた事を、言うべきだったか?
そうしたら、もしかしたら、幼馴染の情から同居している現在は改善され、晴美も一人の家を持てたのではなかろうか。
そこまで考えた後に、いいやそれは奴にとって無理であろう、と依里は判断した。
何と言っても奴は、他人に自分の飯を食わせる事を、何よりも、と言ってもいいくらい好む男なのだ。
そんな男が、一人暮らしなんて、相当なストレスがかかるはずだ。
でもまあ、聞いてみるのもありか?
そんな事をいくつも考え、依里が靴擦れした箇所を庇いながら、慎重に歩いていた時だ。
彼女の背後から、ぶろろろろ、となんだか郵便局のバイク的な音が聞こえてきたのは。
通るのだろう、と依里は何となく歩道から、ヘッドライトの明かりを見ていたわけだったが、乗っていた人間を見て目を丸くした。
「おいおいおい……」
「あっれえ、どうしたの? ヨリちゃんだ!」
何と、そのバイクにまたがっていたのは、先ほどまで話題に上がっていた男、晴美である。
こいつこんな所で何してんだ、と依里がいぶかる顔になると、彼はにこにこと笑った。
「今ねえ、こっちに宅配しに来たの」
「宅配」
まて、ホテルはデリバリーやっているのか。そんな事を思った依里に、晴美はとっておきの笑顔で言う。
「おれの個人的な趣味だよ! この辺にねえ、和食だいすきなおじいちゃんがいるんだ。そのおじいちゃんったら、お医者様に、塩分とりすぎって怒られて、減塩指導されちゃって、ホテルに来られなくなっちゃったっていうものだから」
晴美はとびっきりの笑顔で言う。何も問題のない、と言いたそうな顔だ。
「おれが宅配されていくの! それでおじいちゃんのでっかいお家で、おじいちゃんのために減塩ご飯作って、家に帰るんだよ」
なるほど……と言いたかったが、それはありなのか。それは副業なのか、それともホテルのサービスの一環なのか。
依里はいまいちわからなかった。
だが、晴美はにこにことした笑顔を見せている。
「減塩料理って面白いねえ、出汁とか塩のグラムの正確さとか、とっても楽しくお勉強してる」
「……それで、今から料理作りに行くの」
「ううん、終わったから帰るの。おじいちゃん六時にお夕飯って決めてるから、六時に間に合うように仕上げるんだ」
「はあ」
ただいまの時刻は六時半である。
こいつの事だ、片付けまで完ぺきにこなして、帰路についたのだろう。
だが出張料理人を、毎日行っているのだろうか。
「毎日出張しているの?」
「違うよ? おじいちゃんとってもグルメだから、好きな洋食屋さんの味とか、中華屋さんの味とかがあって、それはおれじゃ満足させられない味だし、おじいちゃんお抱えの料理人さんもいるから、そっちの人がやる事もそれなり」
「なのにお前が宅配されるのか」
「うん。おじいちゃん、週に二回はおれのお夕飯が食べたいんだって」
にこにこ、としている晴美の顔は、楽しい事をし終わった満足げな顔でもある。
「料理人さんたちが、専属になってほしいって言うけど、おじいちゃんそれはだめだって言うんだ。ハル坊がやりたい事をやれって」
そうだ、晴美はじじばばにたいそう可愛がられる奴である。そのおじいちゃんという、おそらくお金持ちも、そんな晴美の子供っぽく、そして美味しいというと、それだけで幸せそうに笑いかけて来る人間性を、好ましいと思ったに違いない。
そんな晴美は帰るところだという。
そのため依里はこう言った。
「先に帰ってて」
「何で? 乗りなよ」
「いや、それに乗っちゃだめだろう」
「大丈夫だよ、これ普通自動二輪だから」
「そうなの?」
「うん! おじいちゃんに買ってもらった。おじいちゃん、何が欲しいって聞くから、二人乗りが出来る運転が楽なバイクって言ったら、じゃあ買ってやろうって」
貢がれてるな、こいつ。
だが双方が、納得しているなら、いいのか。
依里は、乗って乗って、と言いたそうな顔で見つめて来る晴美に、息を一つ吐き出した。
「二人乗りに自信があるんだろうな」
「ベトナムでは四人乗りに挑戦したよ!」
「するなそんな物!」
「だってその時、おれ以外皆徒歩だったんだもの。大丈夫、捕まらなかったから!」
「胸張っていい事じゃない!」
依里は突っ込んだ物の、本人はだから大丈夫、二人位余裕、と言いたそうだ。
それを信じる事にして、依里は後部座席にまたがった。
綺麗な衣装で、乗る事にいささかためらいはあったものの、靴擦れを悪化させる方が、後々嫌な目に合うため、とりあえずの選択であった。
「じゃあ直帰ね! おれここからうちまでの道はちゃんと覚えたんだよ」
「お前が道を覚えていられる事に、感動だ」
「大丈夫、迷ってもスマホ君がナビしてくれる!」
言いつつ晴美は、バイクのメーター付近に設置したスマホスタンドあるスマホを操作し、やっぱり郵便屋さんの排気音を響かせて、慣れた調子で走り出した。
あたりはすっかり暗くなっており、高級住宅街は静かなものだ。
柳川に選んでもらった、上質な衣類を身にまとった依里は、不意に踵が痛んだために、行儀悪く舌打ちをしそうになった。
慣れない高いヒールの靴を履いていたからであろう、きっとこれは靴擦れだ。
自宅とは大違いの場所である。こんな事ならさっさとタクシーなりなんなりを、呼んで速やかに帰るべきであった。
それか、彼女たちが家まで送る、という申し出をありがたく受け取っておくべきであっただろう。
だがしかし、依里は自宅まで来てもらうわけにはいかなかった。何故か。
それはあの、天才的な才能を持っているのだが、それ以外はポンコツまっしぐらな幼馴染と、同居しているからである。
水葉さんの恋は応援してもいいと思っている。彼女は良い女性だ。そして幼馴染も、どうしようもない部分が多々あるものの、人間としてはそれはもう、善良だ。
二人がうまくかみ合うのならば、それはそれで結構な事である。
しかし、男女のルームシェアは、どうしたって邪推されがちなのだ。
本人たちに一切合切、色めいた関係がなくとも、他人は簡単にそう言った事を考えるのだ。
そんな物で、水葉さんにも、薫子さんにも疑われたくないのだ。
……いいやそもそも、今日の時点で、奴が今までは、日常的に女性の家に転がり込み、何かと女性の世話を焼き、家に上げてもらっていた事を、言うべきだったか?
そうしたら、もしかしたら、幼馴染の情から同居している現在は改善され、晴美も一人の家を持てたのではなかろうか。
そこまで考えた後に、いいやそれは奴にとって無理であろう、と依里は判断した。
何と言っても奴は、他人に自分の飯を食わせる事を、何よりも、と言ってもいいくらい好む男なのだ。
そんな男が、一人暮らしなんて、相当なストレスがかかるはずだ。
でもまあ、聞いてみるのもありか?
そんな事をいくつも考え、依里が靴擦れした箇所を庇いながら、慎重に歩いていた時だ。
彼女の背後から、ぶろろろろ、となんだか郵便局のバイク的な音が聞こえてきたのは。
通るのだろう、と依里は何となく歩道から、ヘッドライトの明かりを見ていたわけだったが、乗っていた人間を見て目を丸くした。
「おいおいおい……」
「あっれえ、どうしたの? ヨリちゃんだ!」
何と、そのバイクにまたがっていたのは、先ほどまで話題に上がっていた男、晴美である。
こいつこんな所で何してんだ、と依里がいぶかる顔になると、彼はにこにこと笑った。
「今ねえ、こっちに宅配しに来たの」
「宅配」
まて、ホテルはデリバリーやっているのか。そんな事を思った依里に、晴美はとっておきの笑顔で言う。
「おれの個人的な趣味だよ! この辺にねえ、和食だいすきなおじいちゃんがいるんだ。そのおじいちゃんったら、お医者様に、塩分とりすぎって怒られて、減塩指導されちゃって、ホテルに来られなくなっちゃったっていうものだから」
晴美はとびっきりの笑顔で言う。何も問題のない、と言いたそうな顔だ。
「おれが宅配されていくの! それでおじいちゃんのでっかいお家で、おじいちゃんのために減塩ご飯作って、家に帰るんだよ」
なるほど……と言いたかったが、それはありなのか。それは副業なのか、それともホテルのサービスの一環なのか。
依里はいまいちわからなかった。
だが、晴美はにこにことした笑顔を見せている。
「減塩料理って面白いねえ、出汁とか塩のグラムの正確さとか、とっても楽しくお勉強してる」
「……それで、今から料理作りに行くの」
「ううん、終わったから帰るの。おじいちゃん六時にお夕飯って決めてるから、六時に間に合うように仕上げるんだ」
「はあ」
ただいまの時刻は六時半である。
こいつの事だ、片付けまで完ぺきにこなして、帰路についたのだろう。
だが出張料理人を、毎日行っているのだろうか。
「毎日出張しているの?」
「違うよ? おじいちゃんとってもグルメだから、好きな洋食屋さんの味とか、中華屋さんの味とかがあって、それはおれじゃ満足させられない味だし、おじいちゃんお抱えの料理人さんもいるから、そっちの人がやる事もそれなり」
「なのにお前が宅配されるのか」
「うん。おじいちゃん、週に二回はおれのお夕飯が食べたいんだって」
にこにこ、としている晴美の顔は、楽しい事をし終わった満足げな顔でもある。
「料理人さんたちが、専属になってほしいって言うけど、おじいちゃんそれはだめだって言うんだ。ハル坊がやりたい事をやれって」
そうだ、晴美はじじばばにたいそう可愛がられる奴である。そのおじいちゃんという、おそらくお金持ちも、そんな晴美の子供っぽく、そして美味しいというと、それだけで幸せそうに笑いかけて来る人間性を、好ましいと思ったに違いない。
そんな晴美は帰るところだという。
そのため依里はこう言った。
「先に帰ってて」
「何で? 乗りなよ」
「いや、それに乗っちゃだめだろう」
「大丈夫だよ、これ普通自動二輪だから」
「そうなの?」
「うん! おじいちゃんに買ってもらった。おじいちゃん、何が欲しいって聞くから、二人乗りが出来る運転が楽なバイクって言ったら、じゃあ買ってやろうって」
貢がれてるな、こいつ。
だが双方が、納得しているなら、いいのか。
依里は、乗って乗って、と言いたそうな顔で見つめて来る晴美に、息を一つ吐き出した。
「二人乗りに自信があるんだろうな」
「ベトナムでは四人乗りに挑戦したよ!」
「するなそんな物!」
「だってその時、おれ以外皆徒歩だったんだもの。大丈夫、捕まらなかったから!」
「胸張っていい事じゃない!」
依里は突っ込んだ物の、本人はだから大丈夫、二人位余裕、と言いたそうだ。
それを信じる事にして、依里は後部座席にまたがった。
綺麗な衣装で、乗る事にいささかためらいはあったものの、靴擦れを悪化させる方が、後々嫌な目に合うため、とりあえずの選択であった。
「じゃあ直帰ね! おれここからうちまでの道はちゃんと覚えたんだよ」
「お前が道を覚えていられる事に、感動だ」
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