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45話:勲章授与と出撃準備
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「ミリアは少し残りなさい」
解散となったが私だけ父に呼び止められた。
「なんでしょうお父様?」
「お前に渡すものがある。他の者は明日の準備を進めてくれ」
ルーナも含め5人が部屋を出ると、父に座るように言われる。
「本当であれば大々的に渡すものなんだがな」
そう言ってえんじ色の肌触りの良い布が張り付けられた小さな箱が渡される。
「開けてみろ」
促されてふたを開ければ、そこには勲章が入っていた。
「軽銀騎士章だ。私ももらったことが無いのだがな」
そこには王国騎士団に入ると貰える騎士章が入っていた。
これは1代限りだが騎士爵を授与される王国騎士が身分を証明するために着ける物だ。
「ミリアはタリム家の私兵扱いなんだが、王家がそれを許さなかった。
緑の悪魔アヤタルだ、当然の受賞なのだが表立ってミリアに授与するわけにはいかないと判断されこっそりと渡された。戦後には正式に発表されるそうだが」
なんとまぁ剣も持ったこともないのに騎士になってしまったらしい。
戦果は大々的に喧伝されているけれど、私の素性は公表されていない。
一部周知の事実みたいなところもあるが、意図的に正体を広めたくはないらしい。
まぁ暗殺されかけたわけだから当然か…
ルーナは、あの暗殺者は私の狙撃を見てアヤタルと判断したのだろうと言っていた。
私は渡された勲章を左胸に取り付ける。
「ミリア、今回の作戦あまり無理をするな。タリム家としては十分すぎるほどの貢献をしているのだから」
「わかりました、お父様」
しかし、騎士爵かぁ…
子爵令嬢で騎士爵持ちになってしまった。
爵位的には子爵のほうが上だけれど、あくまで私は令嬢。
騎士爵のほうが上に来るかな?何とも微妙な感じだ。
発言力的には同等程度かな?
どちらにせよこれから行う現場の指揮官は私だ。
騎士爵ももらったわけでちょうどいいかもしれない。
…部隊の中で一番力が弱いのは私なんだけれど大丈夫だろうか?
とにかく徹底的に準備をして帝国軍を追撃しないと物資不足でせっかくのチャンスも生かせなくなる。
ルーナに一任してそのあたりの準備は全部やってもらったほうが良いかもしれないと考えながら私は部屋に戻った。
*****
「言わんとすることは理解しますが、ミリア様も少しは働いてください」
騎士爵授与のお祝いの言葉もなくルーナに突っ込まれた。
とはいえ、私自身が作戦は理解していても、何を準備すればいいかとなると困ってしまうのだ。
「まず何をすればいいかしら…」
「せめて自分が使うものぐらいは用意してください」
ごもっともである。
着替えや寝具など用意できるものはいくらでもあった。
支給品として砦に届けられた物資は好きに使ってよいとお父様から許可をもらい、水筒だとか着替えも新品をもらう。
水筒の容量も大きくなった。
アルミニウムで作られた水筒だそうで、国で取れる錆びなくて軽い金属で作られている。
それほど高くない温度で溶融することから加工が楽だけど、傷がつきやすいから平民でよく使われていた金属なんだよね。
今までは革袋だったので随分な進歩だと思う。
型崩れしないのでカバンに入れられるし漏れの心配もないようコルクとネジで栓をする形になっている。
なんでもタリムの町で作り始めたらしく、アルミ板を成形したのちロウ付け処理してキャンバスにてカバーがされている。
革ひももついており、カバンに入れる以外に肩から掛けることもできるという。
砦のタリムの兵士たちは既に装備していて水がすぐぬるくなるが漏れの心配もなく扱いやすいという。
そのほかに背負いカバンの中に予備の弾薬箱も4箱入れる。
これぐらいは自分で持たないといけない。
【後書き】
金属性水筒が出てくるのは19世紀ぐらいのようですね。
アルミナ王国では自然アルミニウムが取れます!という設定です。
あれが熱して溶かすだけで使えるのかといわれると微妙なんですがそういうことにしておいてください。
解散となったが私だけ父に呼び止められた。
「なんでしょうお父様?」
「お前に渡すものがある。他の者は明日の準備を進めてくれ」
ルーナも含め5人が部屋を出ると、父に座るように言われる。
「本当であれば大々的に渡すものなんだがな」
そう言ってえんじ色の肌触りの良い布が張り付けられた小さな箱が渡される。
「開けてみろ」
促されてふたを開ければ、そこには勲章が入っていた。
「軽銀騎士章だ。私ももらったことが無いのだがな」
そこには王国騎士団に入ると貰える騎士章が入っていた。
これは1代限りだが騎士爵を授与される王国騎士が身分を証明するために着ける物だ。
「ミリアはタリム家の私兵扱いなんだが、王家がそれを許さなかった。
緑の悪魔アヤタルだ、当然の受賞なのだが表立ってミリアに授与するわけにはいかないと判断されこっそりと渡された。戦後には正式に発表されるそうだが」
なんとまぁ剣も持ったこともないのに騎士になってしまったらしい。
戦果は大々的に喧伝されているけれど、私の素性は公表されていない。
一部周知の事実みたいなところもあるが、意図的に正体を広めたくはないらしい。
まぁ暗殺されかけたわけだから当然か…
ルーナは、あの暗殺者は私の狙撃を見てアヤタルと判断したのだろうと言っていた。
私は渡された勲章を左胸に取り付ける。
「ミリア、今回の作戦あまり無理をするな。タリム家としては十分すぎるほどの貢献をしているのだから」
「わかりました、お父様」
しかし、騎士爵かぁ…
子爵令嬢で騎士爵持ちになってしまった。
爵位的には子爵のほうが上だけれど、あくまで私は令嬢。
騎士爵のほうが上に来るかな?何とも微妙な感じだ。
発言力的には同等程度かな?
どちらにせよこれから行う現場の指揮官は私だ。
騎士爵ももらったわけでちょうどいいかもしれない。
…部隊の中で一番力が弱いのは私なんだけれど大丈夫だろうか?
とにかく徹底的に準備をして帝国軍を追撃しないと物資不足でせっかくのチャンスも生かせなくなる。
ルーナに一任してそのあたりの準備は全部やってもらったほうが良いかもしれないと考えながら私は部屋に戻った。
*****
「言わんとすることは理解しますが、ミリア様も少しは働いてください」
騎士爵授与のお祝いの言葉もなくルーナに突っ込まれた。
とはいえ、私自身が作戦は理解していても、何を準備すればいいかとなると困ってしまうのだ。
「まず何をすればいいかしら…」
「せめて自分が使うものぐらいは用意してください」
ごもっともである。
着替えや寝具など用意できるものはいくらでもあった。
支給品として砦に届けられた物資は好きに使ってよいとお父様から許可をもらい、水筒だとか着替えも新品をもらう。
水筒の容量も大きくなった。
アルミニウムで作られた水筒だそうで、国で取れる錆びなくて軽い金属で作られている。
それほど高くない温度で溶融することから加工が楽だけど、傷がつきやすいから平民でよく使われていた金属なんだよね。
今までは革袋だったので随分な進歩だと思う。
型崩れしないのでカバンに入れられるし漏れの心配もないようコルクとネジで栓をする形になっている。
なんでもタリムの町で作り始めたらしく、アルミ板を成形したのちロウ付け処理してキャンバスにてカバーがされている。
革ひももついており、カバンに入れる以外に肩から掛けることもできるという。
砦のタリムの兵士たちは既に装備していて水がすぐぬるくなるが漏れの心配もなく扱いやすいという。
そのほかに背負いカバンの中に予備の弾薬箱も4箱入れる。
これぐらいは自分で持たないといけない。
【後書き】
金属性水筒が出てくるのは19世紀ぐらいのようですね。
アルミナ王国では自然アルミニウムが取れます!という設定です。
あれが熱して溶かすだけで使えるのかといわれると微妙なんですがそういうことにしておいてください。
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