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マリーナの当選と発生した大戦
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1914年2月、ダンマークでは女性参政権が認められて初めての総選挙が行われた。
マリーナは見事当選し、政治家の一人となった。
すでにこれまでの実績なども評価されており、早々に外務副大臣の地位についたりしてレーナとともに小さいながらも個別でお祝いをした。
ただ、大戦発生まで残り4カ月というタイミングであり、私たちが何かしら手を出すことは不可能だという結論を出している。
というのは情報局もセルビア王国内におけるユーゴスラビア民主主義を掲げる運動があることは把握しているものの、過激な活動をするようには見えないという結論を出していたからだ。
この状態で、王家のつながりがないわけではないが薄いオーストリア=ハンガリー帝国に対して、なにか通知したところで見向きもしてもらえないだろう。
そして、1914年6月30日
我が家に届いた新聞には、後にサラエボ事件と呼ばれるオーストリア=ハンガリー帝国のフランツ・フェルディナンド大公襲撃されるという見出しが載った。
これに対し、前世と同じくオーストリア=ハンガリー帝国はセルビア王国に対して最後通牒を発信した。
してしまったと言っていい。
これがすべての引き金だ。
ダンマークは中立国、かつ叔父叔母を含め各国に対して冷静な対応を求めた。
こればかりは私の入れ知恵だ。
「ダンマーク国王としてこの度の事件は大変痛ましく遺憾である。だが一人の暴挙による犯罪行為を国同士の争いにしないよう各国政府には冷静な対応を求める」
この声明とともに、イギリスの叔母やロシア、ドイツに対しては兄の妻を通じて冷静な対応をもとめたものの…歴史は変わらなかった。
ロシア政府は動員をかけ、7月28日オーストリア=ハンガリー帝国はセルビア王国に宣戦を布告、動員をかけているロシアに対してドイツは動員解除を要求するも断られたことによりロシアに対して宣戦を布告、ロシアはフランスに対して三国協商を通じた戦線を開くよう要求した。
そして、8月3日にドイツはフランスに宣戦布告、悪手の作戦として知られるシュリーフェンプランによってベルギーとルクセンブルクにドイツは侵攻、中立国であるベルギーの主権を侵害したとしてイギリスもドイツに宣戦布告した。
これらが1カ月の間に怒涛のように起こったのだ。
史実通りといえば史実通りといえる。
ダンマークを通じたイギリスとドイツの関係も一気に破綻したと言っていい。
今回の戦争において直接的な影響をまだ受けていない我が国ではあるが、主権を維持するためと国境付近に塹壕を掘り防衛体制の構築を急いでいた。
これは陸軍がもともと検討していたもので、あえて動員はせずに常備軍による防衛体制として、まずは塹壕の構築、後にそのまま要塞戦とするという作戦とのこと。
「最悪の事態になってしまったニールス…」
「本当に各国がこのような形で戦端を開いてしまうとは思わなかったよ」
今私たちがいる自宅のラジオからはドイツのフランス侵攻についてのニュースが流れている。
イギリス、ドイツとも同じ内容の報道を行っているはずではあるが、それぞれ少々異なる発言があり、やはり自国に都合の良い報道をしていることがわかる。
先日には兄がこのラジオ放送を通じて、ダンマークは中立であり、どこの国への支援もしないと表明している。
とはいえ、商取引をすべてやめるというわけではなく、各国との貿易条約だとか公海規定だとかは生きていますから、これらをまじめに守るつもりなら氷晶石などの入手悪化は起こらないでしょう。
グリーンランドからの船を昔の海賊のように奪うとかがなければ。
「領空侵犯というんだっけ?ドイツもイギリスもダンマークの上空を勝手に飛行していると報道があったよね?」
「えぇ、少し前までなら目に見えないところを飛ばれるとわかりませんでしたけど、今はシェランタワーを含めたレーダー網でどこを何が飛んでいるというのがわかりますからね」
とはいえ、何かが飛んでいるというのがわかるだけで、警告のためにようやっと完成した護衛戦闘機AH-1ヴァルキリアがレーダーに引っ掛かるたびに飛び上がって国籍マークを確認し、モールスで警告文を平打ちしている状態だ。
まぁ全く無視されているのだが。
いろいろな航空機の運用ルールは定めだが、実は領空についての規定は細かく規定されていない。
領土の上は領空だという概念は各国持っているが、領空を侵犯したからと言って罰則などは今のところなかったのである。
これは、どうやって領空内を飛んでいるのか第三者から観測できないからというのも含まれる。
明らかに陸の上を低空で飛んでいればわかるかもしれないが、軍がそんな飛ばし方をするわけがない。
「連日飛行せざるを得ないパイロットたちが大変よ」
「なかなか休暇も取れないのだろう?クリス、パイロットになると言ってもこういうことが起こると大変なことになるんだよ?」
「それでもわたくしは、パイロットになりたいと思っています!」
私たちの言葉を聞いても娘クリスの気持ちは変わらないようだった。
何がそんなに彼女の気持ちを空に向けたのかわからないが…すでにTHIのパイロット訓練コースにちょくちょく顔を出すようになっているという状態だ。
中等教育が終わったらそのままダンマーク航空に就職したいと言っている。
民間機であればまだ安心だとは思うが、有事の際駆り出されることは間違いないと思っています。
できれば娘をそんなところへ行かせたくないのだけれど…私のように好きなように生きてほしいと思っているのです。
マリーナは見事当選し、政治家の一人となった。
すでにこれまでの実績なども評価されており、早々に外務副大臣の地位についたりしてレーナとともに小さいながらも個別でお祝いをした。
ただ、大戦発生まで残り4カ月というタイミングであり、私たちが何かしら手を出すことは不可能だという結論を出している。
というのは情報局もセルビア王国内におけるユーゴスラビア民主主義を掲げる運動があることは把握しているものの、過激な活動をするようには見えないという結論を出していたからだ。
この状態で、王家のつながりがないわけではないが薄いオーストリア=ハンガリー帝国に対して、なにか通知したところで見向きもしてもらえないだろう。
そして、1914年6月30日
我が家に届いた新聞には、後にサラエボ事件と呼ばれるオーストリア=ハンガリー帝国のフランツ・フェルディナンド大公襲撃されるという見出しが載った。
これに対し、前世と同じくオーストリア=ハンガリー帝国はセルビア王国に対して最後通牒を発信した。
してしまったと言っていい。
これがすべての引き金だ。
ダンマークは中立国、かつ叔父叔母を含め各国に対して冷静な対応を求めた。
こればかりは私の入れ知恵だ。
「ダンマーク国王としてこの度の事件は大変痛ましく遺憾である。だが一人の暴挙による犯罪行為を国同士の争いにしないよう各国政府には冷静な対応を求める」
この声明とともに、イギリスの叔母やロシア、ドイツに対しては兄の妻を通じて冷静な対応をもとめたものの…歴史は変わらなかった。
ロシア政府は動員をかけ、7月28日オーストリア=ハンガリー帝国はセルビア王国に宣戦を布告、動員をかけているロシアに対してドイツは動員解除を要求するも断られたことによりロシアに対して宣戦を布告、ロシアはフランスに対して三国協商を通じた戦線を開くよう要求した。
そして、8月3日にドイツはフランスに宣戦布告、悪手の作戦として知られるシュリーフェンプランによってベルギーとルクセンブルクにドイツは侵攻、中立国であるベルギーの主権を侵害したとしてイギリスもドイツに宣戦布告した。
これらが1カ月の間に怒涛のように起こったのだ。
史実通りといえば史実通りといえる。
ダンマークを通じたイギリスとドイツの関係も一気に破綻したと言っていい。
今回の戦争において直接的な影響をまだ受けていない我が国ではあるが、主権を維持するためと国境付近に塹壕を掘り防衛体制の構築を急いでいた。
これは陸軍がもともと検討していたもので、あえて動員はせずに常備軍による防衛体制として、まずは塹壕の構築、後にそのまま要塞戦とするという作戦とのこと。
「最悪の事態になってしまったニールス…」
「本当に各国がこのような形で戦端を開いてしまうとは思わなかったよ」
今私たちがいる自宅のラジオからはドイツのフランス侵攻についてのニュースが流れている。
イギリス、ドイツとも同じ内容の報道を行っているはずではあるが、それぞれ少々異なる発言があり、やはり自国に都合の良い報道をしていることがわかる。
先日には兄がこのラジオ放送を通じて、ダンマークは中立であり、どこの国への支援もしないと表明している。
とはいえ、商取引をすべてやめるというわけではなく、各国との貿易条約だとか公海規定だとかは生きていますから、これらをまじめに守るつもりなら氷晶石などの入手悪化は起こらないでしょう。
グリーンランドからの船を昔の海賊のように奪うとかがなければ。
「領空侵犯というんだっけ?ドイツもイギリスもダンマークの上空を勝手に飛行していると報道があったよね?」
「えぇ、少し前までなら目に見えないところを飛ばれるとわかりませんでしたけど、今はシェランタワーを含めたレーダー網でどこを何が飛んでいるというのがわかりますからね」
とはいえ、何かが飛んでいるというのがわかるだけで、警告のためにようやっと完成した護衛戦闘機AH-1ヴァルキリアがレーダーに引っ掛かるたびに飛び上がって国籍マークを確認し、モールスで警告文を平打ちしている状態だ。
まぁ全く無視されているのだが。
いろいろな航空機の運用ルールは定めだが、実は領空についての規定は細かく規定されていない。
領土の上は領空だという概念は各国持っているが、領空を侵犯したからと言って罰則などは今のところなかったのである。
これは、どうやって領空内を飛んでいるのか第三者から観測できないからというのも含まれる。
明らかに陸の上を低空で飛んでいればわかるかもしれないが、軍がそんな飛ばし方をするわけがない。
「連日飛行せざるを得ないパイロットたちが大変よ」
「なかなか休暇も取れないのだろう?クリス、パイロットになると言ってもこういうことが起こると大変なことになるんだよ?」
「それでもわたくしは、パイロットになりたいと思っています!」
私たちの言葉を聞いても娘クリスの気持ちは変わらないようだった。
何がそんなに彼女の気持ちを空に向けたのかわからないが…すでにTHIのパイロット訓練コースにちょくちょく顔を出すようになっているという状態だ。
中等教育が終わったらそのままダンマーク航空に就職したいと言っている。
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