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同族殺し(正大 継之介
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「こんな派手なことして、着地した部屋に『獲物』がいなかったら、どうするつもりだったんだい、継之介?」
ビルに到着した公人は、燃える男にも喚く女性にも興味を示していないかのように俺に言った。ガラスが割れる音で逃げられていたかもしれないと。
……まあ、確かに潜入した後のことは考えていなかったのは事実だが。
ビルから飛び移って突入する行為をやってみたいという一心での行為だった。〈悪魔〉と対峙するにあたり、軽率な行動と言われればそれまでである。
クールな相棒の視線に、俺はお道化て笑う。
「結果的に見つけたんだから結果オーライだろ? それに公人と俺がいれば逃げられないさ」
「やれやれ。まあ、そういうことにしておいてあげるよ」
「サンキュー、公人」
俺は公人に礼を言いながら、完全に腰を抜かしてしまった女性に近寄る。「〈悪魔〉が二人も……」と声を漏らし、俺から逃げようとするが、砕けた腰で出来ることなどたかが知れている。
胸ポケットに掛けられていた黒と赤のボールペンを俺に投げてくるが、こんなのは痛みにもならない。
「大丈夫か? 早く離れた方が良い」
女性の前に立った俺は、手を差し出して立てるかと質問したが返事はない。顔を強張らせ、堪えていた涙を流した。
そんなに拒絶しなくてもいいのにな。
女性をなんとかして立たせてあげたいが、強引に起こすのは失礼だよな。
と、悩む俺に公人が言う。
「本当に継之介は甘いねぇ。深夜に会社に忍び込み、玉の輿を狙って股を開く女性を気遣うなんて……」
「……それとこれとは話が違うだろうが」
誰が何を思って身を売ろうが、俺は別にどうでもいい。
だが、彼女は俺達が来なければ殺されていた。それを見過ごせないし、今だって彼女に手を差し伸べたのは、これから起こるであろう戦いで怪我を負うかもしれないから。
彼女が体を売ることと命を見捨てることは別問題だ。
そんな中――部屋の中心で燃えていた炎が消えた。
全てを燃やし尽くして消えたのならば良かったのだが、流石にそう上手くはいかないらしい。
炎の中から現れた男の姿は――人間の姿ではなかった。
全身は濃い緑色。
その肌には、無数の細かい突起物が突き出していた。
突き出るようにして浮かぶ眼球すらも突起物で覆われ、その中心にある黒目だけが小さく凹む。
それはまさに、化物と――〈悪魔〉と呼ぶに相応しい醜い姿だった。
これが男の――明石(あかし) 伊織(いおり)の本来の姿だった。
姿を変えた明石(あかし) 伊織(いおり)が言う。
「お、お前らか……。〈プレイヤー〉っていうのは……」
ギョロリと眼球を動かして睨む〈悪魔〉に、俺と公人は答えた。
「ご名答。俺達がお前を倒す〈プレイヤー〉だ。ま、偉そうに言えないんだけどな」
「わざわざそんなことを言わなくてもいいでしょって。それより――隠れて人を犯し、喰らっていた罪を反省して、僕達に倒されるがいいさ」
それが――目の前の犯した〈悪魔〉の罪だ。
俺達の前にいる〈悪魔〉は、殺した人間に姿を化ける能力を持っていた。つまり、俺が燃やした明石(あかし) 伊織(いおり)の姿は〈悪魔〉が擬態した姿に過ぎない。
楽して有名な人間になりたい。
その欲望をこの〈悪魔〉は叶えたのだ。
一流企業に勤めで容姿の良い人間の姿を借り、女性を好きなだけ犯した後に喰らう。
それが、こいつの手口だった。
「ふざけるな! お前らなんかに俺がやられるか!!」
大きな口を開いて〈悪魔〉が喚く。
いや、違う。
奴は喚いたフリをしたんだ。
開いた口から銃弾の如く速度で伸びる舌を突き出した。それは人体を貫くほどの威力があるのだろう。
それは真っ直ぐ俺に伸びるが――
「これなら、見切れないほどじゃーないな」
〈並行世界〉に来た時――俺達の身体は強化された。
自身を『神』と名乗る存在に見初められて。
あんなやつのことを思い出したくもないし、ましてや、嫌いな相手に貰った力なんて嫌悪感さえ抱く。
しかし、その力のお陰で、こうして化物と戦えるのだから、悪いことばかりではないと、力を使う度に自分に言い聞かせていた。
俺は、自身に向けて放たれた化け物の舌を掴む。
軌道が変化すれば見切ることは難しかっただろうが、一度、口から放った舌を曲げるのは不可能らしい。
掴んだ舌を振り回して〈悪魔〉を地面に叩きつけた。
「終わりだ!」
背を地面に付けた昆虫のように両足を動かして態勢を立て直そうとするが、既に瀕死に近いダメージを負ったのか、徐々に動きが小さくなっていく。
「……トドメといこうか」
右の拳に炎を集中させる。
俺の力は発火させるだけでなく、自在に炎を操ることが出来るというものだ。
直で炎を纏った俺の攻撃は威力を増す。
だが――俺がその拳を振るうことはなかった。
俺が動くよりも先に、天井が崩れて『なにか』が落ちてきた。
崩壊した天井と落下してきたモノの衝撃で煙が舞う。何が起こったのかと右の拳に纏った炎を消して唖然とする俺に公人が叫ぶ。
「今のは――人だった!!」
落ちてきたのは人間だったと公人。
離れた場所で、俺と〈悪魔〉の戦いを見守っていたからこそ、落下してきた物体の形状を把握できたようだ。
いや、仮に公人の言う通りに人だったとしても――天井を突き破って現れるなんて、それはまるで俺達のようではないか。
もしくは〈悪魔〉か。
少なくとも普通の人間であることはない。
煙が晴れ、相手の姿が目に映った。
その姿に俺は再度、炎を纏って公人に忠告する。
「公人!!」
「分かってる。気は抜かないよ」
落ちてきた人影は――人ではなかった。
青い鱗に覆われた化物――竜人と呼ぶべき姿をしていた。そいつは、右腕で俺と戦っていた〈悪魔〉を貫いていた。
〈悪魔〉が〈悪魔〉を殺していた。
仲間同士の殺し合いを――俺はこの世界で初めて見た。その悍ましい光景に一瞬呑まれそうになるが、仲間割れにせよ、目の前に〈悪魔〉が要る以上、戦いは終わっていない。
身構える俺に竜人の〈悪魔〉が言う。
「全ての〈ポイント〉は僕のモノだ。次も狙うようなら容赦はしない――これは警告だよ」
青い鱗の〈悪魔〉は、それだけ言い残すと一瞬で姿を消した。
その場に残ったのは、一匹の〈悪魔〉の死体と、恐怖で意識を飛ばした女性だけだ。
「公人……。今のは一体何だったんだ?」
「分からない。ただ、一つ言えることは――僕達が〈ポイント〉を得られなかったということだけだ」
僕たちは目的を達せられなかったんだ。
そう呟く幼馴染の声が――荒れたオフィスに虚しく響いた。
ビルに到着した公人は、燃える男にも喚く女性にも興味を示していないかのように俺に言った。ガラスが割れる音で逃げられていたかもしれないと。
……まあ、確かに潜入した後のことは考えていなかったのは事実だが。
ビルから飛び移って突入する行為をやってみたいという一心での行為だった。〈悪魔〉と対峙するにあたり、軽率な行動と言われればそれまでである。
クールな相棒の視線に、俺はお道化て笑う。
「結果的に見つけたんだから結果オーライだろ? それに公人と俺がいれば逃げられないさ」
「やれやれ。まあ、そういうことにしておいてあげるよ」
「サンキュー、公人」
俺は公人に礼を言いながら、完全に腰を抜かしてしまった女性に近寄る。「〈悪魔〉が二人も……」と声を漏らし、俺から逃げようとするが、砕けた腰で出来ることなどたかが知れている。
胸ポケットに掛けられていた黒と赤のボールペンを俺に投げてくるが、こんなのは痛みにもならない。
「大丈夫か? 早く離れた方が良い」
女性の前に立った俺は、手を差し出して立てるかと質問したが返事はない。顔を強張らせ、堪えていた涙を流した。
そんなに拒絶しなくてもいいのにな。
女性をなんとかして立たせてあげたいが、強引に起こすのは失礼だよな。
と、悩む俺に公人が言う。
「本当に継之介は甘いねぇ。深夜に会社に忍び込み、玉の輿を狙って股を開く女性を気遣うなんて……」
「……それとこれとは話が違うだろうが」
誰が何を思って身を売ろうが、俺は別にどうでもいい。
だが、彼女は俺達が来なければ殺されていた。それを見過ごせないし、今だって彼女に手を差し伸べたのは、これから起こるであろう戦いで怪我を負うかもしれないから。
彼女が体を売ることと命を見捨てることは別問題だ。
そんな中――部屋の中心で燃えていた炎が消えた。
全てを燃やし尽くして消えたのならば良かったのだが、流石にそう上手くはいかないらしい。
炎の中から現れた男の姿は――人間の姿ではなかった。
全身は濃い緑色。
その肌には、無数の細かい突起物が突き出していた。
突き出るようにして浮かぶ眼球すらも突起物で覆われ、その中心にある黒目だけが小さく凹む。
それはまさに、化物と――〈悪魔〉と呼ぶに相応しい醜い姿だった。
これが男の――明石(あかし) 伊織(いおり)の本来の姿だった。
姿を変えた明石(あかし) 伊織(いおり)が言う。
「お、お前らか……。〈プレイヤー〉っていうのは……」
ギョロリと眼球を動かして睨む〈悪魔〉に、俺と公人は答えた。
「ご名答。俺達がお前を倒す〈プレイヤー〉だ。ま、偉そうに言えないんだけどな」
「わざわざそんなことを言わなくてもいいでしょって。それより――隠れて人を犯し、喰らっていた罪を反省して、僕達に倒されるがいいさ」
それが――目の前の犯した〈悪魔〉の罪だ。
俺達の前にいる〈悪魔〉は、殺した人間に姿を化ける能力を持っていた。つまり、俺が燃やした明石(あかし) 伊織(いおり)の姿は〈悪魔〉が擬態した姿に過ぎない。
楽して有名な人間になりたい。
その欲望をこの〈悪魔〉は叶えたのだ。
一流企業に勤めで容姿の良い人間の姿を借り、女性を好きなだけ犯した後に喰らう。
それが、こいつの手口だった。
「ふざけるな! お前らなんかに俺がやられるか!!」
大きな口を開いて〈悪魔〉が喚く。
いや、違う。
奴は喚いたフリをしたんだ。
開いた口から銃弾の如く速度で伸びる舌を突き出した。それは人体を貫くほどの威力があるのだろう。
それは真っ直ぐ俺に伸びるが――
「これなら、見切れないほどじゃーないな」
〈並行世界〉に来た時――俺達の身体は強化された。
自身を『神』と名乗る存在に見初められて。
あんなやつのことを思い出したくもないし、ましてや、嫌いな相手に貰った力なんて嫌悪感さえ抱く。
しかし、その力のお陰で、こうして化物と戦えるのだから、悪いことばかりではないと、力を使う度に自分に言い聞かせていた。
俺は、自身に向けて放たれた化け物の舌を掴む。
軌道が変化すれば見切ることは難しかっただろうが、一度、口から放った舌を曲げるのは不可能らしい。
掴んだ舌を振り回して〈悪魔〉を地面に叩きつけた。
「終わりだ!」
背を地面に付けた昆虫のように両足を動かして態勢を立て直そうとするが、既に瀕死に近いダメージを負ったのか、徐々に動きが小さくなっていく。
「……トドメといこうか」
右の拳に炎を集中させる。
俺の力は発火させるだけでなく、自在に炎を操ることが出来るというものだ。
直で炎を纏った俺の攻撃は威力を増す。
だが――俺がその拳を振るうことはなかった。
俺が動くよりも先に、天井が崩れて『なにか』が落ちてきた。
崩壊した天井と落下してきたモノの衝撃で煙が舞う。何が起こったのかと右の拳に纏った炎を消して唖然とする俺に公人が叫ぶ。
「今のは――人だった!!」
落ちてきたのは人間だったと公人。
離れた場所で、俺と〈悪魔〉の戦いを見守っていたからこそ、落下してきた物体の形状を把握できたようだ。
いや、仮に公人の言う通りに人だったとしても――天井を突き破って現れるなんて、それはまるで俺達のようではないか。
もしくは〈悪魔〉か。
少なくとも普通の人間であることはない。
煙が晴れ、相手の姿が目に映った。
その姿に俺は再度、炎を纏って公人に忠告する。
「公人!!」
「分かってる。気は抜かないよ」
落ちてきた人影は――人ではなかった。
青い鱗に覆われた化物――竜人と呼ぶべき姿をしていた。そいつは、右腕で俺と戦っていた〈悪魔〉を貫いていた。
〈悪魔〉が〈悪魔〉を殺していた。
仲間同士の殺し合いを――俺はこの世界で初めて見た。その悍ましい光景に一瞬呑まれそうになるが、仲間割れにせよ、目の前に〈悪魔〉が要る以上、戦いは終わっていない。
身構える俺に竜人の〈悪魔〉が言う。
「全ての〈ポイント〉は僕のモノだ。次も狙うようなら容赦はしない――これは警告だよ」
青い鱗の〈悪魔〉は、それだけ言い残すと一瞬で姿を消した。
その場に残ったのは、一匹の〈悪魔〉の死体と、恐怖で意識を飛ばした女性だけだ。
「公人……。今のは一体何だったんだ?」
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