息子は恋人 友情編

zebra

文字の大きさ
16 / 18

二人きり

しおりを挟む
 アヤメは息子を連れてさっさと自分の部屋に入ってしまった。直ぐロックがかけられる音がする。当分出てくることは無いだろう。

 電話を掛けたところで出ないだろうし、セックスの最中だと分かっていて呼び出すほど野暮なつもりはない。

 仕方がないので、アヤメの娘と一緒に自分の部屋に入る。

 少女は部屋に入るなり言った。

 「今日はよろしくお願いします」

 すぐ服を脱ぎだそうとする。

 「待ちなさい」

 下着姿になっている手を止めた。

 「まず、話を伺いましょう」

 「ミドリさんは、母が息子さんの相手をしてくれた代わりにあなたも同じことを引き受けるつもりなのでしょう?だったらそれが弟でなく私であっても、何の問題も無いのではありませんか?」

 「あなたは女性とセックスすることに興味津々なの?」

 「そうです。いけませんか?」

 そういうことだったのか。この母親にそっくりの聡明な美少女は、母親と弟の行動を見てすべて理解したのだ。あの美男子ではあるがあまり賢そうではない弟は帰宅後すぐ顔に出たのだろう。姉の権力を使い。様子が変わったこと追求したのかもしれない。

 「弟も、あなたの息子も、アカネさんの子供たちも、あなたたちに相手にしてもらいました。不公平です。女だからというだけで私だけ対象外にされるなんて」

 少なくとも、今までの様子だけから判断するにこの子の性認識は女性に間違いなさそうだ。服装も話し方も実際の性に違和感を持っている女性とは明らかに違う。自らを女性として認識し、なおかつ女性と交わりたいという願望が強いのかもしれない。

 今回、アヤメがアカネを除外したわけが分かったような気がする。グラマラスな肉体を持ち、常に男性を魅惑し続けてきたアカネにこんなことは理解不能だろう。

 「母とミドリさんはアカネさんの胸を触ったことがあると聞きました。だったら私の気持ちも少しは理解できるのではありませんか。女性が女性の体を求めることだって何の不思議も無いはずです」
 
 「あなたのことは分かりました。でも、私は女性同士でどういうことをするのかまるで知りません。男の子相手とはそこが違います。それで構わないなら、お相手しましょう」

 「ありがとうございます。本当に嬉しいです。ミドリさんに会えてよかった」

 でも、本当に何をすればいいのだろう。

 男の子を相手にする時は単純明快だ。最終的に私の股間の「茂みの中の桜貝の隙間」におちんちんを招き入れることであって、それ以前のことは前儀であり、手段でしかない。手段と目的がはっきりしている。

 女性同士というのは最終的に何を持って「達成された」ことになるのだろうか。どんなに体を合わせたとしても、触れ合ったとしても、それは「前儀」とどう違うのだろうか。私には理解のしようがない。彼女に全てを委ねるしかない。彼女のやりたいことを聞きながら言われた通りにしていくしかないのだろう。

 彼女は嬉しそうに脱ぎ始めた。背中に手を回してブラジャーを外す。乳首の周りが僅かに膨らんでいる程度で、ブラジャーが無くても揺れたりすることは無さそうだが、透けたり擦れたりするのを防ぐため、何より周りの子がつけ始めて自分だけしないという選択肢は無かったのかもしれない。

 パンツも脱いで、全裸になった。股間の茂みはまだ十分に秘園を隠しきれているとは言い難い。「少女から大人へ」変わりつつあるカラダ。

 臍は縦に真っ直ぐ伸びて美しい。

 身長はそこそこあるが、からだ全体はまだまだ子供である。こんな子でも中学生ともなるとそこまで興味が沸くものなのだろうか。

 「ミドリさん」

 「なあに」

 「触って、いいですか?」

 何度も言われた言葉だけども、こんな少女からは初めて。

 「あなた、男の子には興味無いの?」

 「全然無いでです。男の子のカラダなんて気持ち悪い。見るのも嫌です。ましてやあんな棒みたいな物を突っ込まれるなんて。想像するだけでもぞっとします」

 「みんな、その「突っ込まれる」ことでこの世に生まれて来たんだけどね」

 「そうなのかもしれませんが、自分がそうされるのは絶対に嫌です。女の人のカラダの方がはるかにいい。でも、それを言い出したら気持ち悪がられそうで」

 「そう思う人は少なくないでしょうね」

 「そうなんですね」

 「その前に、一度見てみない?」

 「何をですか?」

 「お隣の部屋」

 少女は絶句した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...