息子は恋人 友情編

zebra

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 アヤメにメールを入れる。すぐ返事が来た。もう「済ませて」寛いでいたようだ。ひょっとしたら裸のままかもしれない。

 ホテルに備え付けのガウンを着て、もう一つを少女に渡す。

 「行きましょう」

 ホテルの廊下は道路と同じだ。ガウン姿というのは本来はマナー違反だけど、隣の部屋だから勘弁してもらおう。誰か通りかかっても通報されることもないだろうし。

 ノックをする。

 「どうぞ。開いてるわよ」

 入ると、二人とも私たちと同じようにガウンを着ていた。多分下には何も着ていない。

 時間の無駄なので単刀直入に切り出す。

 「あなた、この子に性教育をしてこなかったでしょう。うちの子、教材に使っていいから、今すぐここでやって」

 「いいわよ。それくらいの体力は残してあるから」

 息子にも言い含める。

 「いいわよね。これだけやってもらったのだから、あなたも協力しなさいね」

 「分かった」

 アヤメが話し出す。

 「あなた、お父さんも、弟も裸をまともに見たこと無いわよね。分からないでもないわよ。男の人のカラダなんて決してきれいなものじゃないから。あなたが男の人の体に興味が無くても構わない。そういう人は世の中にたくさんいます。それは本人の自由。

 でも、どういうものかくらいは分かっておく必要があるわ。ミドリの子も教材になってくれるって言うから、今からきちんと見ておきなさい」

 「分かったわ」

 アヤメが私に目配せした。私も目で答える。

 以前、私は自分のカラダを息子の性教育のために使ったけど、まさかこんなに早く息子が教材になる日が来るとは思っていなかった。でも、同年配の女性の前で経験しておけば恋人と初めてやるときも緊張せずに済むだろう。

 「見せてあげて」

 息子は少女の前でガウンの帯を解いて、私に手渡した。思った通り、下には何も着ていなかった。

 少女は露骨に嫌な顔をした。目を背けようとする。

 それは想定済み。

 「しっかりと見なさい。どんなに嫌なものでも、見る必要があるものはあります。世界中の誰でも、男女が裸で体を交えることによって生まれたものなのよ。あなたがどうしてもいやなのなら自分自身がやる必要は無いけど、どういうものなのかは知っておく必要があるの」

 しばらく沈黙の後、娘は言った。

 「ミドリさん、約束は守ってくれますよね」

 「もちろんです。最後まで見終わったら間違いなく「あなたのカラダ」を愛してあげます」

 「カラダ」という言葉をあえて強調した。「あなたを愛してあげる」では適当なことをやって誤魔化されるのではという疑われないためである。こういうことは、彼女に不信感を持たせるような曖昧な表現は避けてストレートに言ったほうが間違いない。

 息子はベッドに仰向けになったアヤメのガウンを脱がせていく。さすがと言うべきか手慣れた感じで手際がいい。

 生まれた時の姿になったアヤメはベッドの上から娘に言う。

 「きちんと見ておくのよ」

 忘れないように、息子にコンドームを渡す。いつものことだから覚えているだろうけど、少女に印象付ける為である。

 息子は頷くと、こちらも手慣れた手つきで包皮をずらして装着した。息子がこちらに「うまくできたでしょ」というサインを送ったような気がする。

 息子は、ベッドに上がるとアヤメの上に体を載せてアヤメの口に唇を合わせた。この子は前儀に時間をかけるのが好きなので、いきなり挿入したりはしない。

 アヤメも顎を上げて応じている。きっとお互いの口の中を舌が行き交っているのだ。

 流し接吻を終えると、息子は唇をアヤメの喉に這わせ始めた。このままアヤメの全身を舐めていくつもりらしい。

 アヤメもわかっているらしく、恍惚の表情を浮かべている。もはや娘が見ていることなど頭の中に無く、自分と息子だけの世界に入っているのだろう。

 息子の動きが止まる。

 口を開いたかと思うと、そのまま左の乳首に吸い付いた。

 見えないけど、舌が忙しく動き回っている様子が伝わってくる。

 アヤメは口を半開きにして唇の間に糸を引き、言葉にならない声を上げる。

 息子の股間を見た。袋を被せられたその部分は想像以上に大きくなっている。あんな大きなものが私の中に挿入されていたのかと今更ながら思う。

 「うっ」

 少女は気分が悪くなったらしく、口元に手をやる。

 「仕方がないわね。トイレに行ってらっしゃい」

 嘔吐する音が聞こえてくるが、アヤメと息子は乗っているところだから中断することはできるのだろうか。

 「待ってあげること、できる?」

 アヤメが肘をついて上半身を持ちあげた。

 「ごめんね。ここまで繊細だとは思っていなかったわ」

 「可愛い子じゃない。自分の母親が自分と同じくらいのことセックスしているところを見せつけられたら、ああなってもおかしくなかったかも。あなたの娘なのだから、この後どうするかはあなたが判断してちょうだい」

 「見せるのは、今日はここまでにしましょう。(息子に向かって)あなたさえ良ければこのまま続けたいけど」

 「このままアヤメの相手、してくれる?」

 「いいよ」

 「あの子がトイレから出てきたら、私たちは戻るわね。後は二人で好きなように」

 娘が出てきた。

 アヤメが声を掛ける。

 「あなたには早すぎたみたいだから、これ以上見るのはやめておきなさい。もう少し大人になるまで待つ必要がありそうね」

 「このまま見る」

 「大丈夫なの?」

 「ミドリさんとの約束だから」

 「覚悟はあるのね」

 「うん」

 「なら、好きにしなさい。その代り、またさっきみたいになったら今日はこれで終わりだからね。しっかりと見ておくのよ」

 息子の方を向いた。

 「ごめんなさいね。せっかく乗っていたところだったのにね。続けてもらえるかしら」

 アヤメがベッドに体を横たえ、その上に息子のカラダが重なった。

 相変わらず娘は気持ち悪いものを見るような目つきである。言っておく必要がありそうだ。

 「分かっているでしょうけど、あなたもこうやって生まれて来たんだからね。隠すことでもなければ恥ずかしいことでもないのよ。このことを知っておく必要があるわね」

 その後は本当に気分が悪そうだったが、最後まで見届けた。少女にも意地があるのだろう。

 「約束は守ってもらえますよね」

 「守りますよ。部屋に戻りましょう」




 

 

 
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