息子は恋人

zebra

文字の大きさ
18 / 19
夫が留守の日

2日目(前篇)

しおりを挟む
 出勤してから考えてみた。

 あの子は私を「女」として見てくれているのだろうか。それとも、「母」でしか無くて、私の性欲に付き合ってくれているにすぎないのだろうか。もしそうだとすれば、息子に「その気」になってもらうためには綿密な作戦を建てる必要がある。

 自分の胸を見る。こちらは息子のお気に入りなことは間違いないのだけど。それはもちろん嬉しいことだけど、私としては「女」の部分にも注目して欲しい。

 「なんだか今日はつまらない顔しているわね」

 ぎょっとした。あの女だ。

 「なんでもない」

 この女にだけは気をつけなければ。何を探られるか分かったものではない。

 言葉に注意しながら返事をする。

 「まあ、色々あるのよ」

 「旦那さんとしばらくご無沙汰なのかな。いろいろ工夫すれば男なんて性欲の塊だからすぐのってくるわよ」

 「のって」というのはどういう意味か。この女のことだから「乗って」かもしれない。この女の方こそ性欲の塊みたいなもの。気をつけなくちゃ。


 夜になった。昨日と同じようなことをするのもつまらない。

 息子に声を掛ける。

 「今日は着たままでいいから。これ持って」

 渡したのは、数本の筆。触って心地いいと思えるいろいろな種類を購入しておいた。

 「ママ、仰向けになるから、これであなたが思うように触れてみて」

 息子の前で脱いでいく。さあ、どんな筆を使ってどんなことをしてくれるだろうか。今から心臓が高鳴っている。

 生まれたままの姿になって、ベッドに仰向けに横たわる。息子は物欲しそうな顔をしているが、今日は応じないつもり。相手の女性が何時もその気になってくれるとは限らない。時には我慢させることを教えるのも立派な性教育。

 息子は私のカラダを眺めている。今日が初めてというわけでもないのに、興味を持ち続けてくれているのは嬉しい。

 「ママは体を触られると気持ちいいの?」

 「誰もというわけじゃないわよ。本当に好きな人に触られるなら気持ちいいのよ。それはどの女の人でも同じだと思うわ」

 そうでない人もいるのかもしれないが、息子にそんな知識は無い方がいい。女性の意思を尊重するようになってほしいから。
 
 「あなたのことは大好きだから、何をしてくれても気持ちいいのよ。今日はどんなことをしてくれるのかなあ。ママは楽しみよ」

 息子は太い筆を手に取った。いよいよ始めるつもりらしい。私の鼓動も高まってくる。息子にもこの気持ち、伝わっているのだろうか。

 黙って私のカラダを見ている。焦らされている気にならないでもないけど、この時間もまたいい。

 その直後、私の真ん中に微風が流れた。

 何が起きたのか分からなかった。息子が握った筆が私の顔の真上にあった。

 息子は、私の臍の上から胸の谷間に筆を走らせたのだ。あまりに速いので微風のように感じたのだ。

 「ママのおっぱいの先っぽ、起き上がったよ」

 あまりの快感に勃起してしまったらしい。

 自分でも顔が赤くなるのが分かった。

 「やだ、恥ずかしい」

 「おっぱい、撫でた方がいい?」
 
 「だめ」

 これ以上されたら、私の方が我慢できなくなってしまう。息子に我慢を教えるつもりだったのに、これでは本末転倒だ。

 「分かった。今日はこれでおしまいだね」

 「それもダメ」

 「じゃあ、これからどうするの?」

 観念した。やはり本能には勝てない。

 起き上がって、手招きする。

 「こっちにいらっしゃい」

 息子の服に手を掛ける。

 特に嫌がるでもなく、されるままになっている。

 「ごめんね。今日はママのためにお願いするわね」

 「いいよ」
 
 「ありがとう」

 息子の服を脱がしていき、パンツも下ろす。

 股間が目に入った。私を誘うように揺れている。

 「触ってもいい?」
 
 「いいよ」

 硬くなってはいなかった。私はその気になっているのに、それが何とも悔しい。柔らかいままだとコンドームを被せることもできない。

 ここで、セックスまで進むことを前提に考えていることに気付いて恥ずかしくなる。私のカラダが息子の全てを求めている。

 心の中で念じながら口の中に入れる。

 「大きくなあれ、硬ーくなあれ」

 願いが通じたのか、少しづつ変化してきた。ここまでくれば大丈夫。

 口から出して、被せる。

 「ママ、僕のおちんちん、そんなに好きなの?」

 今更隠しても仕方がない。

 「あなたのことが全部好きよ。カラダも、心も」

 「そうなんだ」

 「だから、今日はあなたもママのことを愛してちょうだい。出来る範囲でいいから」

 「今度も筆、使った方がいい?」

 「任せるわ。あなたの好きなようにやって」

 息子は少し考えて、筆を取った。

 「こっちにいらっしゃい」

 息子の手を取って、ベッドに上がる。これからどんなふうに愛してくれるのだろうか。

 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...