息子は恋人

夫が留守の日

2日目（後編）

　息子がその気になってくれるように私にできることは何だろう。

　昔の遊女は話し上手、聞き上手だったと聞いたことがある。

　早く、我慢しきれなくなって私のカラダを求めてきて欲しい。それまで待ちきれるだろうか。

　「女の人のカラダのことで、何か聞きたいこと、ある？」

　数秒経って口を開いた。

　「大人の女の人は、ブラジャーをするんだよね」

　「そうね」

　「なんのためにするの？」

　言葉に詰まる。歩くだけで揺れ動くほど大きな人なら必要不可欠だろうけど、残念ながら私の両胸にはそんなボリュームは無い。

　同級生の女子が皆つけ始めたから、というのが正直なところだけど、それでは納得しないだろう。

　恥ずかしいけど、もう一つの理由を正直に話そう。

　「おっぱいの先はね、とても感じやすいところなの。だから大事にしてあげなくちゃならない。分かるわよね」

　息子には、女性のカラダを粗末に扱うような男にはなって欲しくない。もちろん私に対しても同じこと。

  「ママもそうなの？」

　「もちろんよ。ママも女の人なんだから」

　私の中で女性の本能が蘇ってきた。この子に触って欲しくてたまらない。

　無理やりだったら性的虐待なのかもしれないけど、本人が望むなら問題ないだろう。

　「触ってみる？」
　
　息子の顔が明るくなった。よかった。これで何の問題もない。

　「確かめてみて、いいわよ」