私がエロ小説を書き始めるようになった理由

金曜スペシャル（3）

　「北欧　性快楽地帯」というテーマが放送されたことがある。

　詳しいことは調べていないが、北欧では売春などが公認されている地域もあるらしい。そういうところに、取材スタッフが客として潜入し、カバンに仕込んだ隠しカメラで撮影しながら取材するというもの。

　「売春」と言う言葉はこのとき初めて知った。

　隠しカメラが一人の街娼を映し出す。レポーターと共に部屋に入っていく。ベッド全体が映る場所に置かれる。

　女性が裸になってベッドに仰向けになる。服を脱いだレポーターが覆いかぶさる。

　「この女性は、10年以上仕事をしているそうです。年齢は30代半ばでここでは年上の方。子供もいて、母親がこういう仕事をしていることを認識できるようになる前に辞めなければならないだろうとのことでした」

　同様の潜入レポートが数件続く。相手の女性は、学生、会社員の副業など様々。撮影しているのが見つかってしまうこともあったらしい。

　別の映像。

　様々なヌードショーの映像が流れる。当時の私はこんなものが存在していることすら知らなかったが、日本で言うストリップショーのようなもののようだ。

　但し、音楽に合わせて脱いでいくわけではなく、観客に「脱がさせて」いくものやなどが紹介された。

　そのうちの一つを挙げる。

　スケートリンクで男女のスケーターがダンスをしている。フィギュアスケートの「アイスダンス」のようなものだが、違うのは、滑りながらお互いの着ているものを脱がせていくということ。

　男女ともすべて脱がせて全裸になると、リンクから上がり、そこに置かれたベッドの上で絡み始めるのである。