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勇者物語に首を突っ込む編
048-隠蔽工作
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今私は王都よりだいぶ西にある町のビートムの宿にいます。慣れない場所で眠ったせいかなんだかスッキリしない。目をこすりながら朝食をいただいていると、他の宿泊客の話し声が聞こえる。
「今日も森の迷宮に行くのか?」
「もちろんだよ!今日こそ最深部にたどり着き守護者を倒して聖剣を引き抜き勇者になるんだ!」
「おまえ勇者ってガラでもないだろ……絶対抜けないだろ」
「試してみなきゃわからんだろ!」
守護者……聖剣?
頭の中を整理する。森の迷宮は私が昨日行ったところに間違いない……守護者……聖剣……嫌な予感しかしない!これは面倒なことになったのでは?頭の中の前世の記憶を引っ張り出す。
勇者といえば人民の期待を背負い強敵に少数で挑む勇敢な若者……こう思うと大変立派な人だけど私がおもうところは違う。ろくな支援を受けられず少数で強敵を倒せと放り出される可愛そうな人だ。
確実に面倒事を頼まれるに決まっている!さっさと返してきましょ!
残りの朝食を急いで食べ街を出る。地図を確認して方向を定めて飛んで行き森の迷宮の剣を拾った広場に戻ってきた。
「誰もいませんわね……今のうちに……」
私はリュックから牛男を引っ張り出し戦闘の痕跡がある辺りに転がしておいた。後はこれね……綺麗なグレーのクレイモアを引っ張り出し刺さっていた岩に戻す。
無理やり引き抜いたからか、穴が大きくなっていてグラグラ動くので仕方がなく別の場所に突き刺してグラグラしない事を確認する。あの振り心地……もったいない……でも仕方がないわ……早くこの場から離れないと……
今回は方向を覚えていたのでビートムの方へ飛び森の迷宮を抜けた。これで一安心ね!さて森に来たついでに狩りにでも行きましょ!
魔物の気配を探りながら森を探索する。なにかネバっとしたものが足にかかりその直後ガサガサと樹木の枝を揺らす音と共にネバネバの主が現れた。
足を広げたら2mほどありそうな大きな蜘蛛だ。茶色く太い8本の脚には体毛がびっしり生えていて複眼をこちらに向け鋭い牙の付いたアゴをギチギチと鳴らしている。
「イヤー!気持ち悪い!」
嫌だ絶対触りたくない!何アレ!でも武器もないどうしましょう……あたりを見回すと足元に拳ほどの大きさの石を見つける。これだ!石を拾い上げ蜘蛛の頭に向って思い切り投げつける。
豪腕から放たれた石は見事に蜘蛛の頭部に命中し軽々と貫き木の幹にめり込みやっと止まる。
「ふぅ……これ持ち帰りたくないわ……でも……お金は必要よね……」
リュクの口を開き触らないように注意しながらリュックに魔力を流して吸い込む。触らないで済みました、このリュックがなかったらと思うとゾッとしますね。
とりあえず午前の狩りはこれぐらいでいいかな?町へ帰りましょう。リュックから蜘蛛を早く出したいので、帰り道を急ぐ。町につくとさっそく[解体屋]に蜘蛛を持ち込み査定をお願いした。「お?ハラは傷ついてないな?こいつの糸は良い織物ができるんだ!」解体屋のおじさんがそう言って120ラドで買い取ってくれました。
ギルドでお金を受けると受付嬢さんから「おめでとうございますランクがEに上がりました」と嬉しい報告を受けました。ニコニコ顔でギルドを出ると純白に金の飾り細工が施された見事な鎧姿の男性とアリッサのローブとどことなく似たローブを着ている女性が私の前に立ちはだかりました。戦士と回復術士のコンビかな?
「ほら!リーシャーこの人だよ!」
「またその話?アロイーンってほんとバカ!」
仲良さそうですね~この鎧の人がアロイーンでローブの人がリーシャーって名前なのね。
「赤い髪でミノタウロス倒して、死体をリュックに入れて、聖剣を抜いて振り回した後に聖剣を持ったまま空を飛んでいった人!」
「こんな貴族の令嬢みたいな子があのミノタウロスと戦えるわけ無いでしょ?それに森の迷宮の上空では魔法は妨害されて使えないんだから飛べるわけ無いでしょ!」
「いやでもホントに見たんだって!」
「あなたもこのバカに何か言ってやってよ!」
うわぁああ!最初から最後までガッツリ見られてる!
「そっそうですわ!私はまだ駆け出しの冒険者で先ほどEランクに上がったばかりなのですよ!」
「え?本当にあなた冒険者なの?」
「ほら!剣も持ってるじゃんアレでミノタウロスの首を切り落とそうとして剣が折れたの見たんだよ!」
そっそんなところまで!まずいわ!物的証拠がここに!
「女の子がバスタードソードを折れるほど振り回せるわけないじゃない!」
「見せてもらえばわかるだろ!ほら物的証拠だよ!」
「ごめんなさいね、このバカいい出したら聞かないの……見せてもらえば納得すると思うから……お願い!」
うん!見せられるわけ無いですわ!逃げましょう!一歩後ろへと下がる。
「あ!まて!」
鎧男は手を伸ばし腕をつかもうとしてきた!腕を掴まれそうになり危険と判断した無意識が鎧男の手を捻り上げて足払いをして制圧してしまった。
「あっしまった……」
「えええ!?」
「ほら!ほら!スゲー強いって言ったじゃん!」
押さえつけられながら鎧男が喚いている。
「ヒトチガイデス!ソレデハサヨウナラ!」
手を離して逃げようと試みます。
「待って!待ってください!アロイーンが言ってたことは本当なの…‥ですか?」
「だから本当だって」
うわーローブの子が急に敬語になってるし……これはもう観念したほうが……いや!剣と牛男は戻してきたのだから大丈夫!自分の目で聖剣が岩に刺さっているのを確認させればいいのよ!
「私は聖剣なんてもってないし牛男の死体も持っていません。もう一度森の迷宮の岩に聖剣があるかご自分の目で確かめてみたらいいじゃないですか!」
考え込む鎧男……お願い諦めて!
「そうだ!君にも来てもらえばいいんだ!」
「何言ってるのアロイーン正気なの?」
何がどうなったらその結論に……断る理由……えーっと理由……そうだ!
「私は迷宮には行けませんわ!」
「何故です!?」
「武器を持っていませんもの!」
「え?バスタードソード見えてるけど……もしかして本当に折れてるの?」
私のバカあああああ!私はふと記憶が蘇った。[お嬢は嘘に向いていないです]たしかにファーダの言ったとおりだ……
「え?あ……その……」
バレてしまっては仕方がない……いや!剣が折れている事実は断る理由としてはまだ生きている!私は「ご覧のとおりです」と鞘から折れたバスタードソードを見せもう一度、同行することをハッキリとお断りした。
「剣なら買ってあげるから!一緒に来てよ!」
「え?本当ですの?」
「アロイーンが出すなら私は構わないわ」
剣がもらえる?ほしい!また3週間素手で狩りするのはいやだし……いったいどうしたらいいの!
「今日も森の迷宮に行くのか?」
「もちろんだよ!今日こそ最深部にたどり着き守護者を倒して聖剣を引き抜き勇者になるんだ!」
「おまえ勇者ってガラでもないだろ……絶対抜けないだろ」
「試してみなきゃわからんだろ!」
守護者……聖剣?
頭の中を整理する。森の迷宮は私が昨日行ったところに間違いない……守護者……聖剣……嫌な予感しかしない!これは面倒なことになったのでは?頭の中の前世の記憶を引っ張り出す。
勇者といえば人民の期待を背負い強敵に少数で挑む勇敢な若者……こう思うと大変立派な人だけど私がおもうところは違う。ろくな支援を受けられず少数で強敵を倒せと放り出される可愛そうな人だ。
確実に面倒事を頼まれるに決まっている!さっさと返してきましょ!
残りの朝食を急いで食べ街を出る。地図を確認して方向を定めて飛んで行き森の迷宮の剣を拾った広場に戻ってきた。
「誰もいませんわね……今のうちに……」
私はリュックから牛男を引っ張り出し戦闘の痕跡がある辺りに転がしておいた。後はこれね……綺麗なグレーのクレイモアを引っ張り出し刺さっていた岩に戻す。
無理やり引き抜いたからか、穴が大きくなっていてグラグラ動くので仕方がなく別の場所に突き刺してグラグラしない事を確認する。あの振り心地……もったいない……でも仕方がないわ……早くこの場から離れないと……
今回は方向を覚えていたのでビートムの方へ飛び森の迷宮を抜けた。これで一安心ね!さて森に来たついでに狩りにでも行きましょ!
魔物の気配を探りながら森を探索する。なにかネバっとしたものが足にかかりその直後ガサガサと樹木の枝を揺らす音と共にネバネバの主が現れた。
足を広げたら2mほどありそうな大きな蜘蛛だ。茶色く太い8本の脚には体毛がびっしり生えていて複眼をこちらに向け鋭い牙の付いたアゴをギチギチと鳴らしている。
「イヤー!気持ち悪い!」
嫌だ絶対触りたくない!何アレ!でも武器もないどうしましょう……あたりを見回すと足元に拳ほどの大きさの石を見つける。これだ!石を拾い上げ蜘蛛の頭に向って思い切り投げつける。
豪腕から放たれた石は見事に蜘蛛の頭部に命中し軽々と貫き木の幹にめり込みやっと止まる。
「ふぅ……これ持ち帰りたくないわ……でも……お金は必要よね……」
リュクの口を開き触らないように注意しながらリュックに魔力を流して吸い込む。触らないで済みました、このリュックがなかったらと思うとゾッとしますね。
とりあえず午前の狩りはこれぐらいでいいかな?町へ帰りましょう。リュックから蜘蛛を早く出したいので、帰り道を急ぐ。町につくとさっそく[解体屋]に蜘蛛を持ち込み査定をお願いした。「お?ハラは傷ついてないな?こいつの糸は良い織物ができるんだ!」解体屋のおじさんがそう言って120ラドで買い取ってくれました。
ギルドでお金を受けると受付嬢さんから「おめでとうございますランクがEに上がりました」と嬉しい報告を受けました。ニコニコ顔でギルドを出ると純白に金の飾り細工が施された見事な鎧姿の男性とアリッサのローブとどことなく似たローブを着ている女性が私の前に立ちはだかりました。戦士と回復術士のコンビかな?
「ほら!リーシャーこの人だよ!」
「またその話?アロイーンってほんとバカ!」
仲良さそうですね~この鎧の人がアロイーンでローブの人がリーシャーって名前なのね。
「赤い髪でミノタウロス倒して、死体をリュックに入れて、聖剣を抜いて振り回した後に聖剣を持ったまま空を飛んでいった人!」
「こんな貴族の令嬢みたいな子があのミノタウロスと戦えるわけ無いでしょ?それに森の迷宮の上空では魔法は妨害されて使えないんだから飛べるわけ無いでしょ!」
「いやでもホントに見たんだって!」
「あなたもこのバカに何か言ってやってよ!」
うわぁああ!最初から最後までガッツリ見られてる!
「そっそうですわ!私はまだ駆け出しの冒険者で先ほどEランクに上がったばかりなのですよ!」
「え?本当にあなた冒険者なの?」
「ほら!剣も持ってるじゃんアレでミノタウロスの首を切り落とそうとして剣が折れたの見たんだよ!」
そっそんなところまで!まずいわ!物的証拠がここに!
「女の子がバスタードソードを折れるほど振り回せるわけないじゃない!」
「見せてもらえばわかるだろ!ほら物的証拠だよ!」
「ごめんなさいね、このバカいい出したら聞かないの……見せてもらえば納得すると思うから……お願い!」
うん!見せられるわけ無いですわ!逃げましょう!一歩後ろへと下がる。
「あ!まて!」
鎧男は手を伸ばし腕をつかもうとしてきた!腕を掴まれそうになり危険と判断した無意識が鎧男の手を捻り上げて足払いをして制圧してしまった。
「あっしまった……」
「えええ!?」
「ほら!ほら!スゲー強いって言ったじゃん!」
押さえつけられながら鎧男が喚いている。
「ヒトチガイデス!ソレデハサヨウナラ!」
手を離して逃げようと試みます。
「待って!待ってください!アロイーンが言ってたことは本当なの…‥ですか?」
「だから本当だって」
うわーローブの子が急に敬語になってるし……これはもう観念したほうが……いや!剣と牛男は戻してきたのだから大丈夫!自分の目で聖剣が岩に刺さっているのを確認させればいいのよ!
「私は聖剣なんてもってないし牛男の死体も持っていません。もう一度森の迷宮の岩に聖剣があるかご自分の目で確かめてみたらいいじゃないですか!」
考え込む鎧男……お願い諦めて!
「そうだ!君にも来てもらえばいいんだ!」
「何言ってるのアロイーン正気なの?」
何がどうなったらその結論に……断る理由……えーっと理由……そうだ!
「私は迷宮には行けませんわ!」
「何故です!?」
「武器を持っていませんもの!」
「え?バスタードソード見えてるけど……もしかして本当に折れてるの?」
私のバカあああああ!私はふと記憶が蘇った。[お嬢は嘘に向いていないです]たしかにファーダの言ったとおりだ……
「え?あ……その……」
バレてしまっては仕方がない……いや!剣が折れている事実は断る理由としてはまだ生きている!私は「ご覧のとおりです」と鞘から折れたバスタードソードを見せもう一度、同行することをハッキリとお断りした。
「剣なら買ってあげるから!一緒に来てよ!」
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