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邪竜物語に首を突っ込む編
086-おもてなし?
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ガオゴウレンさんの屋敷は港からすぐ近くにあった。
それは石垣と木板と瓦屋根で構成された塀に囲まれいた。塀越しに見える建物は2階建てで私達が住んでいた建物のような西洋風の上げ下げ窓ではなく、身長よりも大きな引き違い窓だった。その外観はまるで老舗旅館のようだ。
「大きなお屋敷ですわね、まるで旅館みたい」
圧倒的な外観に思わず声が漏れる。
「ハハハ!よくわかったなこの屋敷は元旅館だ、鎖国以降は客がいなくなった代わりに来るのは敵になったのでなガオゴウ家が武士の位を受け港周辺を守ることになったのだ」
「そんな歴史があったのですね」
「うむ、殿に謁見する地方武士のために今でも宿泊施設としての機能は残してある。なので遠慮なく宿泊してくれて良いぞ」
そう言うとレンさんは建物をちらっと見上げた。
「旅館の方は姉上が取り仕切っている……2年会っていないので少々不安だ」
「お姉さんがいらしたんですね、どんな方なんですか?」
「一言で表すなら”苛烈”だな……身内や従業員に対してはかなり厳しい……だが客や他人にはものすごく優しいからマルレたちは大丈夫だろう」
ひぇ~身内に厳しく他人に優しいってことは仲良くなればなるほどお小言が増えて行くタイプですわねちょっと怖いかも……
そんな話を聞いてちょっと緊張しながら屋敷の中へと入る。
「おかえりなさいレン、留学ご苦労さまでした」
そこには黒字に金で扇子と鞠の柄の和服をきた笑顔の素敵な美人がいた。にこやかで優しい感じは獅子のようなレンさんとはあまり似ていないが、レンさんと似たウェーブの掛かった長い金髪はくるりと後頭部でまとめる夜会巻きにされていて、そこには緑の葉がアクセントになっている大きな牡丹の簪がさしてあった。
厳しい姿が想像できないぐらいすごくいい人にしか見えなかった。
「姉上……ただいま戻りました。こちらは推薦で連れてきた二人です家で寝泊まりすることになっていますのでよろしくお願いします」
「マルレリンドですよろしくお願いします」
「アリッサですよろしくお願いします」
私達はペコリと頭を下げた。
「これはご丁寧にどうも、レンの姉のサキです。こちらこそよろしくおねがいしますね」
レンさんのお姉さんはサキさんというのですねやっぱりすごく優しそうないい人にしか見えません。
「姉上、私は父上に報告があるので後は頼みます」
「わかりました。もてなしは任せてねお二人はこちらへどうぞ」
わぁ~老舗旅館でおもてなし!すごい楽しみ!靴を脱ぎスリッパのような草履に履き替えてサキさんのあとに付いていった。
私達があてがわれた部屋はすごかった。大きな窓からはドーン海正面に見えるオーシャンビューで部屋は畳張りで懐かしいイ草の香りが心地よい。
「昼食までごゆっくりしてくださいね」
サキさんが扉を締めて気配が遠のくのを感じると二人は溜まってたものが一気に吹き出した。
「いやった~!完全に日本よ!景色!建物!服!そしてこれ!」
私は机の上に置いてある急須と湯呑を指差し、すぐに急須に茶葉と湯を入れた。
「ああ!お姉ちゃん緑茶好きだったもんね!」
鼻歌交じりで緑茶を楽しんで居ると無地の桜色の着物を着た仲居さんらしき人が昼食の準備ができたと呼びに来た。
私達は仲居さんの言うがまま部屋にあった浴衣のような服に着替えて食事を摂る部屋に案内された。
案内された部屋は建物の角に当たる場所で素敵な日本庭園が一望できた。建物の角なのに柱がなかった。景色を邪魔するものが一切ないので綺麗に庭が見渡せる。
席が4っ用意されていたので景色が見づらい出入り口に近いところへと座った。どうやら後二人来るのかな?
腰を下ろした直後にサキさんが部屋へ入ってきた。
「あら、お客様なのだからこちらへどうぞ」と私達を景色が見やすい席に誘導してくれたので遠慮なく席を移った。仲居さんに座布団を一つ下げさせて座布団を少し横に動かしてサキさんは私達の正面の中央に座った。身内に厳しいと言ったのを思い出し3人なのに座布団を4っ用意した仲居さんが叱られなければいいなとふと思った。
この後出てくる食事にワクワクが止まらない!半分気が抜けた状態でレンさんと初めて会ったのは盗賊退治のときだったとか私は3年生で魔道具研究科にだったことなどを話していたら遂に食事が運ばれて来ました!
お吸い物!焼き魚!煮物!卵焼き!炊き込みご飯!私は心の中で叫んだ!
いやあああああああっったああああああああああ!
私は叫ぶ心を抑え、「いただきます」といって、器を手にとった後に箸を持ちお吸い物に口をつけた。良質な出汁の旨味を感じる……今までずっと食べてきたコンソメとは違う魂が求める味!次は炊き込みご飯だシャキシャキした筍が美味しい、そして焼き魚!脂が乗りに乗っていて噛むたびに油の旨味が口に広がる。そして煮物!煮崩れが一切なく具を一つ一つ別の鍋で煮る料亭の技法だと見ただけでわかる。もちろん美味しい!そして最後に卵焼きで箸休め……
ローテーションでぐるぐると食べ勧めてあっという間に完食してしまいました。
ふと視線を上げるとサキさんがじーっと私を見ていた。
私は慌てて「申し訳ないです。お話もせずに……美味しすぎて一気に食べてしまいましたわ」とその場を取り繕ったが「いいのよ喜んでいただいたようで嬉しいわ」と言ってくれてスッと緊張がほぐれました。
サキさんとアリッサが食事を終えるまでお庭や調度品などの話で場をつないだ。食事を終えるとサキさんから「お食事の後に運動でもいかが?」とお誘いがあったので了承して一度部屋へと戻った。
それは石垣と木板と瓦屋根で構成された塀に囲まれいた。塀越しに見える建物は2階建てで私達が住んでいた建物のような西洋風の上げ下げ窓ではなく、身長よりも大きな引き違い窓だった。その外観はまるで老舗旅館のようだ。
「大きなお屋敷ですわね、まるで旅館みたい」
圧倒的な外観に思わず声が漏れる。
「ハハハ!よくわかったなこの屋敷は元旅館だ、鎖国以降は客がいなくなった代わりに来るのは敵になったのでなガオゴウ家が武士の位を受け港周辺を守ることになったのだ」
「そんな歴史があったのですね」
「うむ、殿に謁見する地方武士のために今でも宿泊施設としての機能は残してある。なので遠慮なく宿泊してくれて良いぞ」
そう言うとレンさんは建物をちらっと見上げた。
「旅館の方は姉上が取り仕切っている……2年会っていないので少々不安だ」
「お姉さんがいらしたんですね、どんな方なんですか?」
「一言で表すなら”苛烈”だな……身内や従業員に対してはかなり厳しい……だが客や他人にはものすごく優しいからマルレたちは大丈夫だろう」
ひぇ~身内に厳しく他人に優しいってことは仲良くなればなるほどお小言が増えて行くタイプですわねちょっと怖いかも……
そんな話を聞いてちょっと緊張しながら屋敷の中へと入る。
「おかえりなさいレン、留学ご苦労さまでした」
そこには黒字に金で扇子と鞠の柄の和服をきた笑顔の素敵な美人がいた。にこやかで優しい感じは獅子のようなレンさんとはあまり似ていないが、レンさんと似たウェーブの掛かった長い金髪はくるりと後頭部でまとめる夜会巻きにされていて、そこには緑の葉がアクセントになっている大きな牡丹の簪がさしてあった。
厳しい姿が想像できないぐらいすごくいい人にしか見えなかった。
「姉上……ただいま戻りました。こちらは推薦で連れてきた二人です家で寝泊まりすることになっていますのでよろしくお願いします」
「マルレリンドですよろしくお願いします」
「アリッサですよろしくお願いします」
私達はペコリと頭を下げた。
「これはご丁寧にどうも、レンの姉のサキです。こちらこそよろしくおねがいしますね」
レンさんのお姉さんはサキさんというのですねやっぱりすごく優しそうないい人にしか見えません。
「姉上、私は父上に報告があるので後は頼みます」
「わかりました。もてなしは任せてねお二人はこちらへどうぞ」
わぁ~老舗旅館でおもてなし!すごい楽しみ!靴を脱ぎスリッパのような草履に履き替えてサキさんのあとに付いていった。
私達があてがわれた部屋はすごかった。大きな窓からはドーン海正面に見えるオーシャンビューで部屋は畳張りで懐かしいイ草の香りが心地よい。
「昼食までごゆっくりしてくださいね」
サキさんが扉を締めて気配が遠のくのを感じると二人は溜まってたものが一気に吹き出した。
「いやった~!完全に日本よ!景色!建物!服!そしてこれ!」
私は机の上に置いてある急須と湯呑を指差し、すぐに急須に茶葉と湯を入れた。
「ああ!お姉ちゃん緑茶好きだったもんね!」
鼻歌交じりで緑茶を楽しんで居ると無地の桜色の着物を着た仲居さんらしき人が昼食の準備ができたと呼びに来た。
私達は仲居さんの言うがまま部屋にあった浴衣のような服に着替えて食事を摂る部屋に案内された。
案内された部屋は建物の角に当たる場所で素敵な日本庭園が一望できた。建物の角なのに柱がなかった。景色を邪魔するものが一切ないので綺麗に庭が見渡せる。
席が4っ用意されていたので景色が見づらい出入り口に近いところへと座った。どうやら後二人来るのかな?
腰を下ろした直後にサキさんが部屋へ入ってきた。
「あら、お客様なのだからこちらへどうぞ」と私達を景色が見やすい席に誘導してくれたので遠慮なく席を移った。仲居さんに座布団を一つ下げさせて座布団を少し横に動かしてサキさんは私達の正面の中央に座った。身内に厳しいと言ったのを思い出し3人なのに座布団を4っ用意した仲居さんが叱られなければいいなとふと思った。
この後出てくる食事にワクワクが止まらない!半分気が抜けた状態でレンさんと初めて会ったのは盗賊退治のときだったとか私は3年生で魔道具研究科にだったことなどを話していたら遂に食事が運ばれて来ました!
お吸い物!焼き魚!煮物!卵焼き!炊き込みご飯!私は心の中で叫んだ!
いやあああああああっったああああああああああ!
私は叫ぶ心を抑え、「いただきます」といって、器を手にとった後に箸を持ちお吸い物に口をつけた。良質な出汁の旨味を感じる……今までずっと食べてきたコンソメとは違う魂が求める味!次は炊き込みご飯だシャキシャキした筍が美味しい、そして焼き魚!脂が乗りに乗っていて噛むたびに油の旨味が口に広がる。そして煮物!煮崩れが一切なく具を一つ一つ別の鍋で煮る料亭の技法だと見ただけでわかる。もちろん美味しい!そして最後に卵焼きで箸休め……
ローテーションでぐるぐると食べ勧めてあっという間に完食してしまいました。
ふと視線を上げるとサキさんがじーっと私を見ていた。
私は慌てて「申し訳ないです。お話もせずに……美味しすぎて一気に食べてしまいましたわ」とその場を取り繕ったが「いいのよ喜んでいただいたようで嬉しいわ」と言ってくれてスッと緊張がほぐれました。
サキさんとアリッサが食事を終えるまでお庭や調度品などの話で場をつないだ。食事を終えるとサキさんから「お食事の後に運動でもいかが?」とお誘いがあったので了承して一度部屋へと戻った。
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