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邪竜物語に首を突っ込む編
093-邪竜の手先
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レンさんに連れられて私は兵士の詰め所のような場所に連れてこられた。アリッサは外で待つように言われて私だけが壁に地図がある会議室のような部屋に案内された。レンさんは椅子に座り腕組みして指でトントンと腕を叩いている。とてもお怒りの様子……
「さて詳しく聞こうか……なぜ、いたずらたぬきの生息地を吹き飛ばしたのだ?」
なんとか上手くごまかす手はないかしら……
「君が嘘や誤魔化しが非常に不得意だということ知っている……正直に話したほうが良いぞ?」
あれこれ考えていたのを察したようでレンさんに釘を差される。
あ……そうですね、演劇裁判のような黒歴史をまた作る事態は避けなくてはいけませんね。
「ええとまずは何から話せばいいのでしょうか……」
「ふむ……なぜあの場所にいたのだ?」
「毛皮を20枚集めるためにいました」
レンさんは私に一つ一つ質問をしてきた。なぜ毛皮を?なぜ魔術師ギルドに?といった具合で聞かれていき最終的になぜ地面がえぐれるようなことになったかと聞かれた。
「格闘のテクニックの[正拳突き]を使ったのですわ」
「あの初級のテクニックで?」
「はい、あのテクニックは全力で攻撃するもののようでして……無理やり押さえつけてなんとか力を抑えこみましたけど抑えきれずあのようなことに」
「……確かにテクニックは己の力以上の威力が出るものに間違いはない」
レンさんはうーんと唸ったまましばらく考え込む。やっぱり威力がおかしいですわよね、一般基準だとあのようなことにはならないでしょうから……私がまともに戦うところを見たのは勇者のアロイーンさんと先日の黒鎧との戦闘の場にいたアリッサたちだけですからね。
「よし……事故だったと皆が納得するようにマルレの実力を見せてもらいたい」
「え?そんな事でよろしいなら……でもどうやって実力を見せたらよろしいのかしら?」
「うむ、実はな音がしてすぐにマルレたちのもとに駆けつけられたのには訳があるのだ」
私がやらかしてすぐにレンさんたちが現れたのには訳があったようです。それは、邪竜が復活してから定期的にあらわれる”邪竜の手先”と呼ばれている妖魔を待ち構えていたからということでした。そういえばレンさんの今の服装は盗賊退治のときに着ていた黒を貴重とした戦闘服ですね……ん?似たような服を最近どこかで見たような?まあいいわ、邪竜の手先かたしかゲームでは……
邪竜の手先……ワールドクエストが最終段階になると起こる定期襲撃イベントで街を襲う大蛇だ。
ジャオンには全プレイヤー共有のワールドクエストというものがある。プレイヤー全員で勧めていく超大型イベントで邪竜の復活に始まり邪竜を弱体化するアイテム獲得やプレイヤー強化イベント(イベント前はスキル限界値がLv8合計値がLv50だった)そして今はその最終段階だ。
最終段階は3のイベントが同時に起こっていた。
1つ目は生産職プレイヤーに向けた物資寄付イベント
このイベントは薬や増強効果のある料理に武器防具、ありとあらゆる生産品の寄付を募りその質と量に応じたポイントで順位を競うものだ。
2つ目のイベントは一般戦闘職に向けた襲撃イベント
このイベントは街に定期的にやってくる中ボスの妖魔の”邪竜の手先”を倒して貢献ポイント稼ぎ順位を競うものだ。
3つ目のイベントは戦闘トッププレイヤー向けの邪竜討伐イベント
このイベントは早いものがちで1PTずつ挑戦できるイベントだ。邪竜が討伐されるまで予約が常にいっぱいだった。しかし邪竜は攻略不可能と言われるほど強くトッププレイヤーたちを返り討ちにしていった。しかし時が経ち”生産品の寄付”や”邪竜の手先の討伐数”が増えるごとに邪竜は弱体化して行くイベントだった。
そして遂に邪竜はある5人編成のPTに討伐され第一ワールドイベントは終了を迎えた。その5人の名前は街に建てられた英雄の碑に刻まれた。
うん……ゲームだとたしかこんな感じだったわね。寄付イベで生産品が市場から消え去ってボロボロの装備のうえに薬なしで邪竜の手先と戦ったのを思い出したわ。
「ではこれから来る邪竜の手先とかいう妖魔との戦いに参加すればよろしいのですね?」
「そういうことだ。マルレの強さが知れれば皆も事故ということに納得するだろう」
話がまとまったと思ったその時だった。
カンカンカン!カンカンカン!
と鐘の音が鳴り響いた。
「ちょうど来たようだ!ゆくぞマルレ!」
「はい!レンさん!」
私はレンさんの後を追いかける。外で待っていたアリッサに「なんか敵が街に迫っているからそれと戦って実力を証明すれば事故で処理してくれるって!だからアリッサもついてきて」と言って後を追ってこさせる。いつもならアリッサを置き去りにするほどのスピードだが、今日はちゃっかり狛犬の上に乗って余裕で付いてきている。ドヤ顔がうっとうしい……転生者バレする前のおしとやかなアリッサを返してほしいと思った。
しばらく走り畑を抜けて街の外まで行くと金属と金属がぶつかりあう様な音や気合を入れる男たちの声が聞こえてきた。
森のなかに入るとそこには巨大な蛇がシャー!と周りにいる兵士たちを威嚇しているところだった。
鱗は黒と赤で毒々しい色と模様をしている。威嚇するたびに口からは紫の毒と思われるものが滴り落ちている。体の太さは成人男性の背よりも高くまるで電車が暴れているような迫力がある。
一人称視点で見ると怖い!産まれて初めて見る巨大生物に一瞬足が止まった。
ミノタウロスのような縦にでかいだけの大きさと違って視界いっぱいに広がる大きさなので迫力が段違いですわ!
「ガオゴウレンだ!私が前に出る!皆のものは下がれ!」
スピードを落とした私とは反対にレンさんはぐんとスピードを上げた。手から炎を吹き出しながら兵士の間を通り抜け大蛇へと単身突撃していった。
「さて詳しく聞こうか……なぜ、いたずらたぬきの生息地を吹き飛ばしたのだ?」
なんとか上手くごまかす手はないかしら……
「君が嘘や誤魔化しが非常に不得意だということ知っている……正直に話したほうが良いぞ?」
あれこれ考えていたのを察したようでレンさんに釘を差される。
あ……そうですね、演劇裁判のような黒歴史をまた作る事態は避けなくてはいけませんね。
「ええとまずは何から話せばいいのでしょうか……」
「ふむ……なぜあの場所にいたのだ?」
「毛皮を20枚集めるためにいました」
レンさんは私に一つ一つ質問をしてきた。なぜ毛皮を?なぜ魔術師ギルドに?といった具合で聞かれていき最終的になぜ地面がえぐれるようなことになったかと聞かれた。
「格闘のテクニックの[正拳突き]を使ったのですわ」
「あの初級のテクニックで?」
「はい、あのテクニックは全力で攻撃するもののようでして……無理やり押さえつけてなんとか力を抑えこみましたけど抑えきれずあのようなことに」
「……確かにテクニックは己の力以上の威力が出るものに間違いはない」
レンさんはうーんと唸ったまましばらく考え込む。やっぱり威力がおかしいですわよね、一般基準だとあのようなことにはならないでしょうから……私がまともに戦うところを見たのは勇者のアロイーンさんと先日の黒鎧との戦闘の場にいたアリッサたちだけですからね。
「よし……事故だったと皆が納得するようにマルレの実力を見せてもらいたい」
「え?そんな事でよろしいなら……でもどうやって実力を見せたらよろしいのかしら?」
「うむ、実はな音がしてすぐにマルレたちのもとに駆けつけられたのには訳があるのだ」
私がやらかしてすぐにレンさんたちが現れたのには訳があったようです。それは、邪竜が復活してから定期的にあらわれる”邪竜の手先”と呼ばれている妖魔を待ち構えていたからということでした。そういえばレンさんの今の服装は盗賊退治のときに着ていた黒を貴重とした戦闘服ですね……ん?似たような服を最近どこかで見たような?まあいいわ、邪竜の手先かたしかゲームでは……
邪竜の手先……ワールドクエストが最終段階になると起こる定期襲撃イベントで街を襲う大蛇だ。
ジャオンには全プレイヤー共有のワールドクエストというものがある。プレイヤー全員で勧めていく超大型イベントで邪竜の復活に始まり邪竜を弱体化するアイテム獲得やプレイヤー強化イベント(イベント前はスキル限界値がLv8合計値がLv50だった)そして今はその最終段階だ。
最終段階は3のイベントが同時に起こっていた。
1つ目は生産職プレイヤーに向けた物資寄付イベント
このイベントは薬や増強効果のある料理に武器防具、ありとあらゆる生産品の寄付を募りその質と量に応じたポイントで順位を競うものだ。
2つ目のイベントは一般戦闘職に向けた襲撃イベント
このイベントは街に定期的にやってくる中ボスの妖魔の”邪竜の手先”を倒して貢献ポイント稼ぎ順位を競うものだ。
3つ目のイベントは戦闘トッププレイヤー向けの邪竜討伐イベント
このイベントは早いものがちで1PTずつ挑戦できるイベントだ。邪竜が討伐されるまで予約が常にいっぱいだった。しかし邪竜は攻略不可能と言われるほど強くトッププレイヤーたちを返り討ちにしていった。しかし時が経ち”生産品の寄付”や”邪竜の手先の討伐数”が増えるごとに邪竜は弱体化して行くイベントだった。
そして遂に邪竜はある5人編成のPTに討伐され第一ワールドイベントは終了を迎えた。その5人の名前は街に建てられた英雄の碑に刻まれた。
うん……ゲームだとたしかこんな感じだったわね。寄付イベで生産品が市場から消え去ってボロボロの装備のうえに薬なしで邪竜の手先と戦ったのを思い出したわ。
「ではこれから来る邪竜の手先とかいう妖魔との戦いに参加すればよろしいのですね?」
「そういうことだ。マルレの強さが知れれば皆も事故ということに納得するだろう」
話がまとまったと思ったその時だった。
カンカンカン!カンカンカン!
と鐘の音が鳴り響いた。
「ちょうど来たようだ!ゆくぞマルレ!」
「はい!レンさん!」
私はレンさんの後を追いかける。外で待っていたアリッサに「なんか敵が街に迫っているからそれと戦って実力を証明すれば事故で処理してくれるって!だからアリッサもついてきて」と言って後を追ってこさせる。いつもならアリッサを置き去りにするほどのスピードだが、今日はちゃっかり狛犬の上に乗って余裕で付いてきている。ドヤ顔がうっとうしい……転生者バレする前のおしとやかなアリッサを返してほしいと思った。
しばらく走り畑を抜けて街の外まで行くと金属と金属がぶつかりあう様な音や気合を入れる男たちの声が聞こえてきた。
森のなかに入るとそこには巨大な蛇がシャー!と周りにいる兵士たちを威嚇しているところだった。
鱗は黒と赤で毒々しい色と模様をしている。威嚇するたびに口からは紫の毒と思われるものが滴り落ちている。体の太さは成人男性の背よりも高くまるで電車が暴れているような迫力がある。
一人称視点で見ると怖い!産まれて初めて見る巨大生物に一瞬足が止まった。
ミノタウロスのような縦にでかいだけの大きさと違って視界いっぱいに広がる大きさなので迫力が段違いですわ!
「ガオゴウレンだ!私が前に出る!皆のものは下がれ!」
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